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☆いきなり転生☆  作者: たかさば


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110/174

串刺しからの焼き上げ、秘伝のタレに自信あり

赤路利一はごく普通のやきとり屋である。毎日鶏肉を串に刺し、毎日備長炭の火加減を気にする、齢29のやきとり屋である。今日も今日とて、突如決まった食べ放題フェアの煽りを受けて急遽鶏肉の追加仕入れをしたあと、行きつけのコンビニでうずら卵フライとじゃがりぽを買って家路についていた―――のだが。


ギュキュ―――キュキュ!!キギュイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。



真っ白な空間。赤路利一の魂と、女神が対面している。


「赤路利一さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」

「はあ。」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」



赤路利一(29)


レベル11


称号:転生者


保有スキル:串刺しからの焼き上げ、秘伝のタレに自信あり

HP:20

MP:16



「というわけで、いきなり草原に放り出しやがったな、ごるあ!!!」


べよん、べよん。

水色の、ぶよぶよした丸い塊がやきとり屋の前に現れた!


「げげ!スライムじゃねえか?!武器も何もねーよっ!!っざけんな!!」


うろたえる、やきとり屋。


「おっ!保有スキルあるじゃん、串刺しからの焼き上げ、秘伝のタレに自信あり?こいつを焼けと?!…やったるわ!!!」


うばほん!!!


やきとり屋の目の前に調理台と焼き台が現れた!!秘伝のタレ壷もあるぞ!!!やきとり屋の手に極薄手袋が装着された!これで衛生面もばっちりだ!!


さく、さく・・・やきとり屋はスライムを細かく切って、串に刺していく。プルプルのスライム片が焼き台に上がる。ジュ―――――――――――!!!スライム片が香ばしく焼けていく!やきとり屋は秘伝のタレに表面の焼けたスライム片を突っ込んで再び焼き台にのせてじっくり焼いていく。


いいにおいにモンスターたちがたくさんやってきたぞ!!


「並んで!並んで!!!一人一本づつね!!」


モンスターたちは大喜びでスライム串を食べている!!一本しかもらえないことであちこちで不満の声が上がっているぞ!!これはヤバイ!!


「わかりました!!じゃあ先着でもってっていいから!!…わあ!!!」


何?!先着順だと?!われ先に食わせろとばかりに一斉にモンスターたちがやきとり台に群がり、やきとり屋はつぶされてしまった。秘伝のタレは酒呑童子が持ち去ってしまったようだ。




「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


やきとり屋は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。


やきとり屋はコンビニでうずら卵フライとじゃがりぽを買って家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「あと少し早く通りかかってたら食べ放題企画丸つぶれになるとこだったよ、ヤベーヤベー!」


やきとり屋は、食べ放題フェアの対象メニューがすぐに品切れになるというクレームを受け続けて相当叱られた後一念発起して独立しやきとり屋台を始め、そこから人気が出てチェーン店展開をするようになったものの食べ放題メニューが品切れになるというクレームをまたしても受けることになり経営者側の苦悩を知ったうえでいろいろと反省をしたのち、小さな一軒家で丁寧なやきとりを提供する形に落ち着いて80歳でこの世を去ったという事です。


なお、生涯に焼いたやきとりの数は20000000本を超えたという事です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 110/111 ・飯テロおいしそう。ぐぅ [一言] 2000万本、1日1000本ですね。
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