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☆いきなり転生☆  作者: たかさば


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102/174

自己陶酔者の極み

世界はわたしのもの巡るはごく普通のデザイナーである。毎日斬新なデザインを考案し、毎日奇抜なコスチュームに身を包む、齢49のデザイナーである。今日も今日とて、ファッションショーの演出家ともめた後、行きつけのコンビニでつけまつげ用接着剤と梅ミンツを買って家路についていた―――のだが。


キュ―――ギュキュキキイッ!!キ―イイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。



真っ白な空間。世界はわたしのもの巡るの魂と、女神が対面している。


「世界はわたしのもの巡るさん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」

「はあ。」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」



世界はわたしのもの巡る/田中恵美(49)


レベル68

称号:転生者


保有スキル:自己陶酔者の極み


HP:54

MP:36



「というわけで、いきなり草原に放り出す、へえ、このあたしを?ふうん、たいした度胸だね。」


べよん、べよん。

水色の、ぶよぶよした丸い塊がデザイナーの前に現れた!


「ああ、これスライムだね、見どころのない平凡なフォルム、いやしかしだからこそ活きてくるデザインがあるはず。」


うろたえない、デザイナー。


「保有スキルを使わねばどうにもならないか、自己陶酔者の極み?ふざけたことを。自己陶酔できないような作品を生み出すことが恥ずかしいわ!!!自分の作品に胸を張れんやつは初めから発表などする資格はない!!!」


スライムは、あまりの剣幕にビビっている!


「あなたね、あたしが飛び切りのコーディネートしてあげる。水っぽい体を引き締める、ヴィヴィッド感あふれるレッドスカーフ!アクセサリーは輝きが透き通る体表に絡み込むプラチナシルバーネックレス!ペンダントトップはラピスラズリのラブスイートハートカット!最後にふわふわの羽を頭に刺して…」


ギャ――――――――!!スライムは5のダメージを受けた!痛い!!涙が出てきた!!


「あんたおしゃれはちょっとぐらい痛くても我慢しなさい!!」


デザイナーは苛ついてスカーフをスライムの胸元に押し込んだ。


「ぎゃあああああああああああああ!!!!」


デザイナーはスライムの体表をうっかり触ってしまって、毒が回って絶命した。草原には恐ろしく禍々しい雰囲気のスライムが出没するようになったと、原住民たちの間でかなり噂になっているらしい。





「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


デザイナーは時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まった前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。


デザイナーは行きつけのコンビニでつけまつげ用接着剤と梅ミンツを買って家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「夢をかなえる前に終えるような人生をあたしは歩んでないんでね!!!」


デザイナーは、大した自信でたいした偉業を成し遂げ、誰もがその存在を認めるようになったものの、その気の強さと他者を認めない傲慢な態度から年々増える誹謗中傷の嵐が止まず、ついにはファッションショーの爆破予告まで来るようになり、殺せるもんなら殺してみろと大見得を切ったところ71歳の時に爆発事故に巻き込まれてこの世を去る事になってしまい、今でも史上最大のおとり捜査大失敗として語り継がれているという事です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 100超えましたね。すごいです。 ということは、すでに100人くらい死んでるってことですね。この小説。
[良い点] 102/102 ・またとんでもない人を転生させちまったもんだ [気になる点] スライムさんも毎回大変ですね。 [一言] 殺せるもんなら殺してみろ、めっちゃカッコいい!
2020/06/18 20:53 退会済み
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