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モリちゃんの奇跡譚  作者: Mohna
4/5

~青髪の誘拐謎少年~

隠れながら人間を監視し続ける変態少年が誰が神だと思えただろう。

その姿すら実態ではないが青髪の少年はそれでも人間に気づかれぬために隠れ続けていた。

何もできなくなった彼を連れてゆくために、





「やっぱり最終調整に人の手が必要なんだよなぁ…ハードはそもそも人間だし、ソフトインスト的なのは無理なんだよなぁ」




悩んだ末に、一度休憩することにした。


理由は気分転換。


遊戯の神である僕が人間に能力を与える方法として選んだのはもちろんMMORPG。


そこで能力を付与し楽しい能力者ライフ!


と思っていたのだけど思ったよりバグが多く出来上がってしまい、人命に関わるゲームをやるというのに裏世界に行って帰還方法なしでゲームオーバーっていうのは流石に理不尽だと思うのよ。


ということで二度目だけど気分転換をしに


地上へ降りてきた。


他の神とは違って僕はホロに事象を起こさせる技術があるから実質VRみたいな楽しみ方で地上に降りれる。


そういえば…かなり特殊な人間がいるって話があったな。


そう思い立った僕はすぐさまその女のいる学校を覗きに行った。


「げ、三英雄!」


僕の苦手な英雄のいる所の直属の先輩としてその女はいた。


隠れてしばらく見ているとそれっぽそうないなくなってもあまり気がつかれなさそうな子とかと一緒にいるのを見つけてしまった。


(やはり人柱を立てて…あーでもあの子だとバレるよなー)


など結局仕事の方面に戻ってしまう。


頭を切り替えてみるもどうしても人の手が欲しい。せめて一人…欲を張るならもう一人。


いやいや落ち着くんだ僕よ。流石にそこまでアホじゃないはずだ。そんなことをして仕舞えば人がこの世界から一人消えることになってしまうんだ。そんなの人々に失礼じゃないか…まあ僕神だから何やってもいいんだけどさ。


(ん?…なんだあの子!?)


加護が見える子供がいる。高校生くらいの女の子で…活発なように見える。


「あれは、チョコの加護?」


それだけじゃない。失踪中のマッチャとゲーム完成させて楽しんでるバニラの加護もある。


(っていうかさっきの影薄そうな子もこの学校の子じゃ…ってか同じ教室で、あ、あれ部活動か)


まさかこんな奇跡的な出会いがあるとは何という僕の幸運。ここに来る子に興味あるな…



それから数ヶ月僕はその教室に集まる部活動のメンバーたちを眺めて過ごした。


彼らに起こる青春の物語は本当にアニメかドラマかのようで見ていて飽きなかったのだ。できれば僕もこんな青春を送りたかったものだけども…


ではなく、本格的な事件があったのが


夏休み中旬の彼らが合宿に行った帰り、いつも通り遠くで観察しているだけだった。


ここで彼が一番やってはいけないものを引き寄せてしまった。


あそこに集まったのは特別な人材。その中に一番危険であり一番重要な“三英雄”と言う人間の種類がいた。


僕たち神に匹敵する力を持っていて彼らは必然として数々の伝説を残すとされている。


しかし、三人いるうち一人を除いてその伝説には必ずよりより多い犠牲上に成り立つというものがあった。


それが今起きてしまったんだ。


三英雄は僕たち神と協力して目的を成し遂げなくてはいけない人物。


(こんな事故の原因が自分のせいだとわかれば…目的を知る前に自害するかもしれない。)


悪意なのかなぜそこでそんなついでを思い付いたか僕は神であることを悪用してしまったんだ。



「生き残るのは君だけだ」



重い言葉を枝の上に引っかかっている少年に突きつける。


「また、助けられるのも君だけだ」


契約を持ちかけるには十分だった。


彼の存在をより深く刻んでいるものたちは全てここに集まっている。


ここ数ヶ月見てきたが彼の家に家族はいなかったというか一人暮らしだった。


「契約をしよう」


崖から転げ落ちて燃え盛った森とその火の原因である大きめのワゴン車。中には運転手含めた六人が取り残されていた。


「…わかった」


彼ももう助からない体だったけど運良く僕はアバターをこちらに持ってくることができる精神世界を作り上げている、そのプロット段階のキャラクターを彼に引き渡しこの森の一部に精神世界を反映させ傷ついた本体をそこで眠らせる。


そうすれば彼の体は朽ちずにずっと残り続ける。


そして条件として君はこの世界から消えて精神世界で僕と一緒にゲームを作るという約束を契約を結ばせた。


彼はその人智を超える力であっという間に友達を助け、そして車の爆発も自分の体のみで受けることで鎮火した。


僕はこっそり彼らの記憶から彼の名前と思い出を都合の良い方に書き換える。


そして、彼を連れて帰ろうと思った時、



「洋介…お前が全部やってくれたのか。」



目的の彼に話しかけてくる奴がいた。そう、この原因である三英雄の彼だ。本来の運命であればここにいる人間で生き残るのは彼のみでその強い生命力を示す伝説となる。


「うん」


彼は答えてしまった。存在を彼らの記憶から消したが一度気絶してもらわないと、効果が出ない。


「先輩…先生、みんな今までありがとうございました」


彼はその異形の格好で一例をすると僕の方に戻ってきてくれた。


「待て…なぜなんだ…クソ神…お前達はどうして…」


彼は自分のせいであるということをわかっていなかった。ここで現実を突きつけてもいい、でもそれじゃあ彼らを助けた意味がないどこまでも贔屓にしてられるかと当然の代償だとでもいうかのような顔だけを彼に向けその場をたちさる。



「待ってくれ!洋介!!」



ゲートを閉じる瞬間に見えた光景は本当に人を助けたと言えるのかわからない惨状だった。男は叫び疲れて意識が縁切れ、後ろに並べられた人は死体のように眠りまさりの木々は燃やして尽くされその一角だけなくなっていた。


(これで、ゲームが完成する…)


「さーて!切り替えて行こうか!」


早く方法を見つけておかないと、生きてた時より痛い目を見そうだ。





「ごめんね…」





→Next

VerGo:Four.Game


その後この神は彼の目的を実現する。

伝説を用いて戦う遊戯をその粋まで極め完全なものを作り上げたのだ。

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