第五十七章 ―動乱、開幕―
一 連合の結成
永禄九年(1566年)、夏。
備前・天神山城。
浦上宗景の居城の広間に、使者たちが集まっていた。
各地からの使者だった。
因幡・山名から。
出雲・尼子残党から。
美作・三浦残党から。
中小の国人たちから。
そして——宇喜多直家の名代として、剛介が座っていた。
浦上宗景が上座に座っていた。
四十代。
精悍な顔つきの男だった。
しかし今日は——その顔に、焦りが滲んでいた。
「皆に集まってもらった」と宗景は言った。「理由はわかっているだろう」
広間が静まり返った。
「毛利が鳳凰寺の犬になった」と宗景は続けた。「次は我々の番だ。鳳凰寺を止めなければ——中国地方全体が飲み込まれる」
「御意」と山名の使者が言った。
「山名家としても——この状況は看過できん。かつての守護大名の権威が、次々と踏みにじられていく。我々が動かなければ、誰が動くのか」
「尼子の残党は——毛利への怨みがある」と別の使者が言った。「その毛利が鳳凰寺の下についた。許せん。鳳凰寺も我々の怨みの対象ぞ!」
「三浦の者たちも——同じ思いだ」と三人目が言った。「毛利に押しつぶされかけた。その毛利を作り上げたのは鳳凰寺だ。戦おうぞ」
宗景は全員を見渡した。
「反鳳凰寺大連合を——ここに正式に結成する」と宗景は言った。
「応」と声が上がった。
複数の声だった。
広間に、熱気が満ちた。
「南蛮の武器が来る」と宗景は続けた。「火縄銃と大砲だ。今まで鳳凰寺と戦った者は、その力に圧倒されてきた。しかし今回は違う。我々にも、同じ種類の武器がある」
「大砲まで、ですか」と誰かが言った。
「そうだ。鳳凰寺に初めて、傷をつける機会が来た」
広間が、さらに盛り上がった。
広間の端で、剛介は静かに座っていた。
(宗景は——燃えている)
剛介は思った。
(しかしその炎は、焦りから来ている)
(焦りで燃える炎は——すぐに消える)
剛介は直家の言葉を思い出していた。
「この連合は失敗する。俺は生き残る絵図を作る」
広間が終わり、使者たちが散っていく中で。
剛介だけが、しばらく残った。
宗景が剛介に声をかけた。
「直家は来なかったな」
「はい。殿は——今、備前の守りを固めるために動いており、自ら参加することが叶いませんでした。しかし——全面的に連合を支持しております、ご安心くだされ」
「直家が動いてくれるなら、頼もしい」と宗景は言った。「あの男の力は——俺も認めている」
「はい」と剛介は言った。
(宗景様。あなたは——直家様に利用されていることを、知らない)
剛介は心の中でそう思いながら、深く頭を下げた。
二 直家の静かな計算
同じ日の夜。
備前・岡山城。
直家は地図を広げていた。
「連合が結成された」と剛介が報告した。
「そうか」と直家は言った。
「浦上様は——熱心でした。山名も、尼子残党も、全員が参加を表明しました」
「烏合の衆だ」と直家は言った。静かに。
「はい」
「あれだけの思惑が違う連中が——まとまって動けるわけがない。山名は自分の権威を守りたい。尼子残党は毛利への怨みで動いている。三浦残党は感情で動いている。その全員が、浦上の下でまとまるはずがない」
「では——いつ崩れますか」と剛介は問うた。
「鳳凰寺が本格的に動けば——数日ももたない」と直家は言った。
剛介は少し間を置いた。
「その崩れた時に——直家様が動く」
「そうだ」と直家は言った。「浦上が完全に追い詰められた時——俺が動く。その瞬間を、間違えずに掴む」
「しかし——毛利の内側に仕掛けた件が、予想より大きく動くとしたら」と剛介は言った。
直家は少し間を置いた。
「大内残党の動きは——正直まだ読めない」と直家は言った。「あの連中の独自性が、俺の計算に誤差を生む可能性がある。注意が必要だ」
「もし大内残党が想定より大きく動けば——」
「毛利が本気で動く。毛利が本気で動けば——鳳凰寺も動く。その動きが、俺の絵図をずらす可能性がある」と直家は言った。「しかし——それでも、俺の方向性は変わらない。浦上を討ち、鳳凰寺に臣従する。それだけだ」
三 毛利領内の異変
同じ頃。
毛利領内——安芸・石見・備後の各地で。
奇妙なことが起きていた。
同時多発的に、小さな国人たちが、反旗を翻し始めたのだ。
安芸の東端。
小国人・平賀広相が、毛利の代官を追い出した。
「鳳凰寺の犬になった毛利に——従う必要はない」
石見の山間部。
吉川家の末端の家臣、忍中藤四郎が、砦を閉じた。
「主君が鳳凰寺の言いなりになっている間は、俺は動かない」
備後の南部。
三人の小国人が、同じ日に示し合わせたように、毛利への年貢を拒否した。
「我々は大内家の旧臣だ。毛利の臣下ではない」
毛利隆元が、本拠地で報告を受けた。
「……同時に、か?」と隆元は言った。
「はい」と家臣が言った。「安芸で一件。石見で一件。備後で三件。今日だけで——五か所です」
「昨日は」
「三か所」
「一昨日は」
「二か所」
隆元の顔が変わった。
「十日で——十か所以上が反旗を翻した」
「はい。しかも——バラバラな場所で、バラバラな人間が動いています。一つ一つは小さい。しかし同時に起きているため、対応が——」
「追いつかない」と隆元は言った。
「はい」
隆元は即座に動いた。
「父上に——急報を送れ。そして鳳凰寺の上様にも」
「はい。しかし父上は——」
「父上はどこにいる」
「先ほどの報告では、石見の北部で別の件を処理中で——」
「それが——大内残党の動きと関係しているか」
「不明です」
隆元はしばらく考えた。
「七島への急報を最優先で出せ」と隆元は言った。「上様に全て伝える。毛利領内で何が起きているかを」
四 七島の分析
七島に、毛利隆元からの急報が届いた。
成瀬が執務室に飛び込んできた。
「上様。毛利隆元殿から——急報です」
時貞が受け取った。
開いた。
読んだ。
上様へ。
毛利領内で、不穏な動きが同時多発しています。
安芸・石見・備後の複数か所で、国人たちが反旗を翻しています。
それぞれの場所に関係はないはずですが——同時に動いています。
何かが——おかしい。
急いでお知らせ致します。
毛利隆元より。
「天元」と時貞は呼んだ。
「はい」と天元が答えた。
「ヤタガラスで——毛利領内の状況を確認してくれ。特に、複数か所で同時に反旗が翻っている地域を」
「確認します」
しばらく後。
「毛利領内の安芸東部・石見山間・備後南部で、確かに異常な動きが確認されます。ただし——それぞれの間に、直接的な連絡や会合の形跡は見えません」
「連絡なしに、同時に動いている」と時貞は言った。
「はい。これは——誰かが、それぞれの場所で個別に煽った結果だと推測されます。直接連絡させずに、同時に動かす。精密な先導がなされています」
「風間」と時貞は呼んだ。
風間が来た。
「松永の忍衆が動いているか、確認できるか」
「確認中です」と風間は言った。「しかし——今のところ、松永の忍衆が毛利領内で動いていることは、ヤタガラスからも我々諜報部からも確認できません」
「毛利の領地でそんなことが——一体誰が」と成瀬が言った。
時貞は少し間を置いた。
「この同時多発は——偶然ではない」と時貞は言った。「誰かが確実に先導している。しかしその誰かが、うまく姿を消している」
「久秀ですか」と風間が言った。
「久秀の可能性はある。しかし——証拠がない。それが問題だ」
時貞は地図を見た。
「隆元殿に返書を送る」と時貞は言った。「鳳凰寺として——毛利領の鎮圧に協力する。一緒に動きたい、と」
「了解しました」と成瀬は言った。
五 元就、動く
毛利領内、石見。
毛利元就が本拠に戻っていた。
報告が、次々と届いていた。
「安芸の平賀が——」
「石見の忍中が——」
「備後の——」
元就は全ての報告を、黙って聞いた。
七十歳を超えた老将だった。
しかし——その目は、まだ鋭かった。
「同時発生だな」と元就は言った。
「はい」
「誰かが動かした。一つ一つは小さい。しかし同時に動かすことで、毛利が一か所に集中できないようにしている」
「上様への急報は出しました。鳳凰寺から——」
「上様を待つまでもない場面もある」と元就は言った。
その時、さらに急報が届いた。
使者が飛び込んできた。
「申し上げます。旧大内家の残党が——石見の西部で決起しました」
元就の目が、変わった。
「なにっ、大内だと」と元就は言った。
「はい。大内輝弘を名乗る者が——旧大内家の旧臣たちをまとめ、挙兵したとのことです」
元就の周囲に、重い空気が流れた。
大内家。
かつて中国地方最大の勢力だった家を、元就が滅ぼした。
その残党が——今になって動いた。
「くっ——っ…」
元就の声に、感情が滲んだ。
「大内の亡霊共め。今まで見逃してやっていたものを——」
元就は立ち上がった。
「今日こそ、儂自ら率いて——過去の禍根を断ち切ってくれようぞ」
「しかし——上様への報告が先では」と家臣が言った。
「上様を待つまでもない。出るぞ」と元就は言った。
その声に、七十年の乱世を生きた者の重みがあった。
「大内を——儂の手で終わらせる。それが筋だ」
六 大内輝弘の決起
石見西部、山間の砦。
大内輝弘が、旗を掲げた。
大内家の家紋が刻まれた旗だった。
古い旗だった。
十年以上、隠されていた旗だった。
「大内家再興の時が来た」と輝弘は言った。
三百名の男たちが、輝弘の前に並んでいた。
全員が、旧大内家の旧臣の遺族や縁者だった。
長年、散り散りになりながら、密かに連絡を取り合っていた者たちだった。
「毛利元就が大内を滅ぼした。その毛利が今、鳳凰寺の臣下になっている。鳳凰寺は毛利を使って、中国地方全体を支配しようとしている」と輝弘は続けた。
「許せない」と誰かが言った。
「我々の怨みを——今こそ晴らす」
輝弘は旗を持った。
「大内家のために——戦う」
三百の男たちが、一斉に動いた。
最初の攻撃目標は、毛利が石見に置いていた代官所だった。
百名の男たちが、夜明けに代官所を囲んだ。
代官所の守備兵は三十名だった。
「大内の名のもとに——毛利の手先を追い出せ」
輝弘の号令が飛んだ。
百対三十。
しかし大内残党の男たちは、長年の怨みを燃やしていた。
燃える目をした男たちが、三十の守備兵に向かっていった。
守備兵は抵抗した。
激しかった。
しかし数で劣った。
「退けっ」と守備隊長が叫んだ。
守備兵が退いた。
代官所が、大内残党の手に落ちた。
輝弘は代官所の中に入った。
「大内の旗を掲げろ」と輝弘は命じた。
古い家紋の旗が、代官所の屋根に立った。
男たちが、歓声を上げた。
「大内——大内——」
その声が、山間に響いた。
しかし輝弘は、喜ばなかった。
「これは始まりにすぎない」と輝弘は言った。「毛利が必ず来る。それまでに——守りを固めろ」
七 複数の戦場
毛利領内が、炎上し始めた。
国人たちの反乱。
そして大内残党の決起。
二つの波が、毛利の内側から押し寄せていた。
安芸東部。
平賀広相が、毛利の代官を追い出した後、近隣の小国人たちに声をかけた。
「同じ思いの者は——集まれ」
五名の小国人が集まった。
合計で四百名ほどの兵力になった。
毛利の鎮圧部隊が来た。
五百名の毛利軍が、平賀の砦を包囲した。
「降伏せよ」と毛利の将が叫んだ。
「断る」と平賀は言った。「鳳凰寺の犬になった毛利には、従わない」
戦闘が始まった。
矢が飛んだ。
石が投げられた。
しかし平賀の砦は小さかった。
毛利の包囲が、じわじわと締まっていった。
「……やはり、力が違いすぎる」と平賀は思った。
しかし——退かなかった。
怨みが、足を地に縛り付けていた。
石見山間。
忍中藤四郎が砦を閉じた後、別の方向から新たな動きが起きた。
三つの小集落の地侍が、同時に毛利の年貢を拒否した。
「儂らは——毛利の臣下ではない。鳳凰寺がいつ来るかもわからないのに、毛利に年貢を払う必要があるか」
毛利の代官が警告した。
「払わなければ、力を使う」
地侍たちは退かなかった。
小さな衝突が起きた。
代官の手勢と、地侍たちとの小競り合いだった。
双方に、軽傷者が出た。
毛利の代官は、本拠に急報を送った。
「鎮圧のための援軍を——」
しかし本拠の毛利軍は、既に複数の場所に分散していた。
援軍を送る余裕が、なくなっていた。
備後南部。
三人の小国人が年貢を拒否した後、さらに二人が合流した。
五つの小勢力が、示し合わせたように結束した。
「毛利に臣従する必要はない。我々は独立の国人だ」
毛利の代官が来た。
「解散せよ」と代官は言った。
「断る」
小さな戦闘が起きた。
代官の手勢十名と、国人たちの兵百名が衝突した。
代官側が押された。…引くしかなった。
国人たちが、一時的に勝利の形を作った。
八 七島の対応
七島。
毛利隆元からの第二の急報が届いた。
「大内残党が——石見で決起しました」
時貞は報告を聞いた。
「大内残党が動いた?」と時貞は言った。
「はい。大内輝弘という人物が率いているようです」と天元は言った。
「大内輝弘」と時貞は繰り返した。
「大内義長の縁者です。生き延びていた一人と思われます。長年、残党をまとめていた」
「そして今——動いた」
「はい。毛利領内の国人反乱と、ほぼ同時に動いています。しかし——両者の間に、直接的な連絡の形跡はヤタガラスからも見えません」
「連絡なしに、同時に動いている」と時貞は言った。「しかし、タイミングが合いすぎている」
「誰かが、両方を動かしている可能性があります」
「しかし——誰かはわからない」
「はい」と天元は言った。「久秀の可能性が最も高い。しかし証拠がありません」
風間が言った。
「一つだけ、気になることがあります」
「何だ」と時貞は問うた。
「久秀の忍衆の動きを追っていますが——毛利領内での動きが、全く見えない。久秀が先導しているなら、必ず忍衆を動かすはずです。しかしその形跡がない」
「つまり——久秀の忍衆を使わずに動かした者がいる、ということか」
風間が少し考えた。
「あるいは——久秀の忍衆が、我々には見えない方法で動いているか」
「いずれにせよ」と時貞は言った。「毛利が苦境に立っている。今すぐ動く」
「毛利への共闘提案ですか」
「そうだ。毛利と鳳凰寺が共に動けば——毛利領内の反乱は、速やかに鎮圧できる。そして大内残党も、抑えられる」
「元就殿が——自ら動こうとしているという情報が、先ほど入りました」と成瀬が言った。
「元就殿が?」と時貞は言った。
「はい。大内残党の決起に、元就殿自ら出ると」
「止める必要はない」と時貞は言った。「しかし——元就殿の横に、鳳凰寺の力も添える。それが今、俺にできることだ」
九 シルバの上陸
その頃。
備前の小さな港に、一艘の南蛮船が停泊していた。
夜だった。
人目のない時間だった。
船から、人が降りてきた。
三十数名だった。
全員が、武装していた。
火縄銃を持っていた。
腰に剣を下げていた。
先頭に立っていたのは、ラウロ・ダ・シルバだった。
シルバは日本の地を踏んだ。
砂浜に立った。
暗い夜の中で、周囲を見回した。
「——猿の国か」とシルバは言った。
ポルトガル語だった。
後ろの男たちが、低く笑った。
「思ったより、静かだな」と別の男が言った。
「夜だからだ」とシルバは言った。「しかし——これからは、静かではなくなる」
シルバは部下たちを振り返った。
「金のためだ。動け。しかし——俺の命令に従え。勝手に動くな。まだその時ではない」
「わかった」と配下たちは言った。
シルバの頭の中には、一つの計画があった。
民を人質にする。
城下町を制圧する。
鳳凰寺が来た時に——猿を盾に出す。
鳳凰寺の連中は、民を見捨てられない。
だから手が出せなくなる。
その間に——反連合の主力が動く。
(うまくいく)
シルバは思った。
(あの連中は、民を大切にしすぎる。それが弱点だ)
(弱点を突けば——どんな強い敵にも、勝てる)
シルバは砂浜から歩き始めた。
三十数名の武装した男たちが、その後に続いた。
砂浜から少し離れた場所に、馬が用意されていた。
支援者が手配した馬だった。
シルバは馬に乗った。
「動くぞ」とシルバは言った。
城下町まで、まだ距離があった。
しかし——シルバは急がなかった。
まず、地形を把握する。
逃げ道を確認する。
民の配置を把握する。
それが終わったら——動く。
元軍人としての訓練が、シルバの体に染み込んでいた。
シルバの配下の一人が、馬を進めながら周囲を見た。
田んぼが広がっていた。
農民の集落が見えた。
灯りが一つ、小さく光っていた。
「……農民か」と部下が言った。
「そうだ」とシルバは言った。
「使えるか」
「時が来れば」とシルバは言った。
その言葉に、何の感情もなかった。
農民の命を、シルバは計算の中にしか置いていなかった。
一〇 動乱の全景
夜が深まっていた。
日本の各地で——炎が燃え始めていた。
備前では、浦上宗景が反鳳凰寺大連合の旗を掲げた。
毛利領では、国人たちの同時多発的な反乱が続いていた。
石見では、大内輝弘が大内再興の旗を立てた。
そして日本海側の砂浜では、シルバが三十数名の武装した南蛮人を率いて上陸した。
七島では。
時貞が地図を見ていた。
「天元」と時貞は言った。
「はい」
「今の状況を——整理してくれ」
「はい」と天元は言った。「現在、複数の動きが同時に起きています。一、備前を中心とした反鳳凰寺大連合の結成。二、毛利領内の国人の同時多発反乱。三、大内残党の決起。四、南蛮からの武器の流入。これら全てが、同時に動いています」
「全体を設計した者がいるはずだ」と時貞は言った。
「はい。しかしその者を、まだ特定できていません」
「久秀か、別の誰かか」と成瀬が言った。
「わからない」と時貞は言った。「しかし——わからなくても、俺たちは動く。毛利と共に動く。それが今の最善だ」
木島が部屋に入ってきた。
「上様」
「何だ?」
「熊谷から——出撃の準備が整ったと連絡が入りました」
「わかった」と時貞は言った。
時貞は立ち上がった。
「動く」と時貞は言った。「急がない。しかし——止まらない」
中国・備前動乱が——その本格的な幕を、開けた。
謀略が重なり。
怨みが燃え。
計算が動いた。
そして——鳳凰寺が、その乱世の中へ踏み込んでいく。
(第五十八章へ続く)




