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最終話:すべての魔法は、誰かを生かすためにある
学会が幕を閉じた後。
俺は一人、魔導都市の高台に立っていた。
煌めく街の灯りを見下ろしながら、手の中にあるのは、一枚の金の認定証。
それは、世界魔導学会から授与された“永久技術者認定”――
言うなれば、俺の発明が“世界標準になった”という証明。
「……すげぇな。昔の俺が見たら、腰抜かすだろ」
だが、それでも。
「帰るか。みんなが待ってる」
俺には、あの辺境の村で、やるべきことがまだ山ほどある。
数日後。
ギルドに戻った俺を、ルシアたちが出迎えた。
「おかえり、世界の英雄様」
「そっちの報告書の山、英雄に似合わないからな」
「ふうさんが、まってた」
「せ、セイルさん! お茶沸かしてます!」
俺は、静かに笑って答えた。
「……帰ってきたぞ、“俺の場所”に」
どれだけ世界が評価しようと、俺の原点はここにある。
辺境で、人のために魔導具を作り続ける。
それこそが――
俺にとっての“魔法”の意味だから。
――《完》




