表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は二度、三十キロ痩せた  作者: かゆると


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
69/83

認めたくない、でも気付かせたLINE

フルタイムパートになるまでには

少し期間があった。


社会保険へ加入するための 事務手続きや


会社で決められている

更新時期の関係もあったからだ。


その間は

9時から15時勤務。


でも

そこから一時間ほど残業をして


家へ帰る頃には

16時30分近くになっていた。


そこから家事をこなし


夕飯を作って、食べて


そして

ウォーキングへ出掛ける


そんな毎日を送っていた。

 

でも、フルタイムパートになれば


おそらく、家へ帰るのは

18時から19時頃になる。


しかも、この仕事は


始業から終業まで

ほぼ一日中歩き続ける仕事だ。


だから私は、少し不安だった。


(なるって決めた

 そこに後悔はない)


(だけど……今のルーティンのままで

 果たして……体力、持つだろうか)


まだ30代とはいえ


やっぱりその不安だけは

どうしても拭えなかった。


フルタイムパートになったら


ウォーキングへ出る時間も


おそらく、20時から

20時30分頃になるだろう。


時間を短くする?


距離を短くする?


それとも……

いっそ、やめる?


でも、もしやめてしまったら


ダイエットへの意識は

大丈夫なのだろうか。


昔から、自分の悪い癖だとは思っている。


やる前から

頭の中で色々考えてしまう。


そして……


悪い方へ


不安な方へ


どんどん自分を引っ張っていってしまう。


心を病んで

前の仕事を辞めてから


その傾向は

さらに酷くなっている。


自分でも

ちゃんと自覚していた。


頭の中で

何度も、自問自答を繰り返す日々。


でも……そんな簡単に

答えなんて出るわけもなく


フルタイムパートになる日は


一日


また一日と


少しずつ近付いてきていた。


そして

いよいよ、月曜日から

フルタイムパートが始まる


そんな週末だった。


その日は仕事も休みで


私は朝から、テレビを観ながら

のんびり過ごしていた。


すると……

不意に、LINEの通知音が鳴る。


(……あれ?

 着信音、鳴る設定にしてたっけ?)


そう思いながら、LINEを開く。


すると

前の会社の人からだった。


『久しぶり。元気にしていますか?

 辞めちゃってから

 ずっと連絡しようか迷ってたんだけど

 なかなか勇気が出ませんでした』


『……追い詰めた形になってしまって

 本当にごめんなさい』


そんな内容だった。


監視役の一人だった人……。


そのメッセージを見た瞬間


怒りが湧いた。


(……何を今さら)


(謝れば……

 全部、無かったことになるのかよ)


そう思った。


でも……それでも、その人は

私が若い頃から

ずっと面倒を見てくれていた人だった。


(……性格的に返事したところで

 また、みんなに言いふらすんだろうけど)


そう思う。


でも……


(元気でやってるくらいは

 教えてもいいかな……)


そんな気持ちも

少しだけあった。


そう思って

私は、LINEを返した。


『お久しぶりです』


『まずは、あんな辞め方になってしまって

 皆さんにご迷惑をおかけしたこと

 こちらこそ、申し訳ありませんでした』


『色々ありましたが

 今は、新しい場所で

 私らしく、元気に頑張っています』


そう打ち込んでから


ふと


(……私らしく、か)


自分で打った言葉なのに

そこに、少し引っ掛かった。


その瞬間


『ふーん、なんでまた?』


義兄の言葉が、頭の中に響く。


(……そう、だよな)


(何のために、ダイエットしてたかって話だよ)


そこに気付いた時


私は、やっと……


ずっと悩んでいた答えを

見つけた気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ