逃げられない数字、50歳
ウォーキング中に
音楽が聴ける。
それに気づいてから
頻度は、かなり上がった。
とはいえ
〘毎日〙というわけにはいかない。
それでも、以前の自分なら
絶対に行かなかった
小雨の日でも
外に出るようになっていた。
行かない日は
なんとなく罪悪感が残る。
でも
雨や予定は、仕方がない。
そう思って
行けなかった日は
食事を少し控えるようにした。
そんな生活を
二ヶ月ほど続けた、ある日
それまで使っていた
体重計が壊れた。
ガラス製のものを使っていたのだが
うっかり落としてしまい
そのまま、割れてしまった。
旦那と相談して
新しい体重計を買うことにした。
それは
体脂肪や筋肉量だけでなく
身体年齢まで表示されるものだった。
(へぇ……今はこんなのあるんだ)
軽い気持ちで、乗ってみる。
表示された数字は
身体年齢
〘50歳〙
(……は?)
思わず
声が出そうになる。
もう一度、測り直す。
〘50歳〙
変わらない。
(え……待って……
嘘でしょ……?)
信じられなくて
旦那にも測らせた。
〘40歳〙
ほぼ、実年齢。
(……え……?)
(私……ダイエットしてるよね?
それで、この年齢……?!)
その瞬間——
あの夜のことが
頭をよぎる。
死ぬかもしれないと思った
あの夜。
(ちょっと待って……
え、あの時の私って
身体年齢、いくつだったの?)
もしかしたら……
あのまま本当に
死んでいたかもしれない。
そう思った瞬間
背筋が、ぞくりと冷えた。
(……ダメだ
ちゃんとやらなきゃ)
なんとなく、じゃない。
本気で、自分の身体と
向き合わなきゃいけない。
そう、改めて
決意した。
その日から私は
少しだけやり方を変えた。
「できる日はやる」じゃなくて
「できない理由を減らす」
「言い訳をしない」
歩けない日をなくすんじゃなくて
少しでも動ける形にする。
たとえ10分でもいい。
外に出られなければ
家の中でもいい。
〘ゼロの日を作らない〙
それだけを、意識することにした。
食事も同じだった。
完璧にやろうとするのをやめて
少しだけ整える。
無理をしない。
でも、何もしないわけでもない。
自分にとって
継続していける
〘ちょうどいいところ〙
そこを探していこうと決めた。




