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私は二度、三十キロ痩せた  作者: かゆると


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2/50

89キロの私

私は、小さい頃から太っていた。


元々、食べることが大好き——

だったわけじゃない。


食べることで、親の機嫌を取っていた。


そのうち、胃は大きくなり

普通の量では足りなくなった。


でも、姉は痩せていた。


だから、姉は誰からも可愛いと愛されていて

それは、服の違いがはっきり示していた。


姉は新しい服を買ってもらえる。


私はサイズがなく

祖父や父のお下がりを着ていた。


Tシャツも、トレーナーも、全部男物。


新しい服を買ってもらった記憶は——

正直、ない。


大人になっても、それは変わらず

食欲も、同じだった。


入るだけ詰め込む

ただ、それだけ。


今思えば、味なんて分かっていなかった。


目の前の食べ物を

必死に食べていた。


そうすることで

親からの愛情をいつかはもらえる。

そう、本気で思っていた。


容姿に自信なんて、あるはずもなく

可愛くなろうとも

思わなかったし思えなかった。


小さい頃から

ずっと言われ続けてきたから。


臭い。

近寄るな。

気持ち悪い。


でも、何か言われても思っていた。


「やかましいわ。

 仕方ないじゃん

 だってオデブなんだから」


今さら、どうしたいとも思わなかった。


今さら、変わったところで——

どうせ、何も変わらない。


だから、凹むよりも笑っていた。


いーのいーのアハハ、と。


太っていたからといって

卑屈だったわけじゃない。


(どうせ)の精神は

いつも頭のどこかにあったけれど


色々言われすぎると

それが当たり前になっていく。


そうなると——


人間、少しだけ開き直る。


強くなったわけじゃない

ただ、慣れてしまっただけ。


だから——


恋愛なんて、無縁のもの。


このまま一人で生きていくんだと

それが自分の人生なんだと

そう思っていた。


体重は、89キロ

90キロになるのも、時間の問題だった。


どうせ痩せない。

どうせ変われない。


別にいい。

そうやって、諦めていた。


そんな人生に、転機が訪れた。


今の旦那との出会いだ。


——まさか


私なんかが、誰かの一番になれるとは

夢にも思ってもいなかった。

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