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第43話 実は・・・①

説明回です。

「まず皆さんはこの森の名前をご存じですか?」


森の名前?そんなのあるのか?

フウもポカンとしてるし知らないなこれは。


「私は蛇神の森と聞いたことがあります」


蛇神の森・・・ジ◯リかな。

夜になったら、なんちゃらボッチが出るのか?


「そうです。では由来については?」

「いえ、そこまでは・・・」

「蛇神がいるからじゃないのか?」

「いえ、居ません」


え~・・ちょっと会って見たかったのに・・。


「蛇神は居ませんが、その元となった蛇がいます」


そう言って女性は、部屋の隅まで転がったボールを見る。


「ん?セリがどうかしたのか?」

「いえ、あれがそうです」


なん・・・だと!?

冗談・・ではなさそうだ。

さっきまでのほんわかお姉さん風雰囲気が消え、今は出来るクール系女上司のような雰囲気がしていた。

嘘をついているようには感じない。


「ほんわかお姉さんになりましょうか?」

「いえ、そのままで」


隣のナギがこっちを見てる。なんか怖いので、続けてください。


「今はあんな姿でバカやってますが、昔はもっと大きく力もありました。ナギはこの本をご存じですか?」


そう言ってどこからか一冊の本を取り出す。

絵本だった。


「それは・・・見たことあります。[怒った空蛇]ですよね」

「そうです。あ、進さんにもあらすじを簡単に説明しますね」


女性は本を開きながら話の流れを説明してくれる。


昔、あるところに大きな空蛇がいた。当時空蛇は白い綺麗な姿をしていたので、それが欲しい人間達は何度も捕まえようとしたらしい。それに怒った空蛇は、人間達の街を見境なく襲うようになり、人間達は自分達の過ちに気付き許しを乞うた。それが通じたのか、空蛇はとある大きな森に移動し、それ以降人間達を襲うことをやめたそうだ。人間達はその森を蛇神の森と崇め、立ち入らないようにした。


「私はこれで、相手のことを考えず自分勝手にすると相手も怒って痛い目見る、と教えられました」


なるほどね。

それにしても空蛇か・・・。蛇神の森にいる空蛇ねぇ・・・。

ちらっとセリを見る。話に興味がなくなったフウに転がされて遊ばれてる。


「もうお気付きかと思いますが、この空蛇のモデルがセリです。姿は当時私が変えましたので違いますが」

「それはどれくらい前の話ですか?」


絵本になるくらいだし、大分昔の話だと思うのだが・・・。


「千年以上前ですね」

「「千年!!?」」


ナギと二人して大声を出してしまった。

その声に遠くにいたフウがビクッとしてる。


え?セリって千年以上生きてるの?てっきり十数年くらいかと思ってた。

で、この人もそれ位生きてると・・・。 おばーー


「私は永遠の20歳ですよ!」


おっと・・これ以上言うのはやめておこう。

すみませんでした。


「当時、大暴れしていたセリが、()()()()人のいないこの地に住処を変えたのです。その時その力を抜き取り、姿を変え、封印したのですよ。進さんがセリと出会った洞窟がその封印場所です」


ああ、あそこか。

もうずいぶん前に感じてしまう。懐かしい。


「あれ?セリって封印されてたって言ったけど、俺が来たときは封印解けてたぞ。・・・もしかして俺がなんかやったのか?」

「いえ、封印は千年経ったら解けるように設定してありましたので、進さんは関係ありません」


ふう、なら良かった。


「あの、どうして封印を解けるよう設定したのですか?私が思うに大暴れして人間が困ってるから封印したのでは?」

「別に人間のためではありません。あのまま暴れられると、この世界自体が壊れかねないので封印しました。セリが暴れたことにより人間は沢山に死にましたが、本にも書いてある通り元は人間が欲張ったせいですので」


絵本には白いヘビ皮を手に入れるためとか書いてあったな。確かに白蛇は縁起がいいって聞くし、欲しいと思うのも分かるけど・・・。俺は今のセリしか見て無いから、ただのお菓子中毒者にしか見えないし、縁起がいいとも思わないなぁ。


そもそも見た目ツチノコだし。

あれ? ツチノコはレアだったっけ?


「ちなみに封印を解いたのは、私が個人的にした事です。他の方はまだ解けたことに気付いていません」

「え?そんなことしていいのですか?」

「それに、その他の方が気付いたら再封印しに来るんじゃないのか?」

「その可能性はありますが、私が抑えるので問題ありません。あ、信用していただいて良いですよ。こう見えても私の権力は大きいので、絶大ですので!」


女性は胸を張りながら絶大のところを強調して言う。目線がそっちに行きそうになったが、隣のナギがじっと見てる気がする。


「まぁそれは置いといて、セリがその絵本のモデルになった空蛇だとは分かったが。それと今回の件とどうつながるんだ?」

「私が封印する際セリの力を抜き取ったのですが、元々の力が大きすぎるので複数に分けて世界各地に分散しました。その一つが先ほどの池の底にあったのですよ。セリが池に落ちた際、セリに吸収されましたので今はもうありませんが」


ああ、なるほど。それでセリはなつかしい感じがするとか言ってたのか。

それに前に力返せとか言っていたのはその事だったのか。


しかし分散させるほど大きい力って、セリの全盛期はどれくらいなんだろうか。抜き取られた今でも十分強いしなぁ

絵本じゃ街ごと吹っ飛ばしてるんだけど、さすがに誇張してるだけだよな・・・。


後で本人に聞いてみよう。


「じゃあ急にセリが大きくなったのは、力を取り戻したからか?」

「力を取り戻した際に追加された“顕現”の特異性によるものですね。一時的ですが元の姿に戻れるようになります。他にも特異性が増えてると思いますので、一度確認したほうが良いですよ」


そうさせてもらおう。

ある程度は把握しておかないと、何するか分からないからな。

まぁどうせ大半はお菓子を手に入れるためにしか使わないだろうけど。


「ここまではよろしいですか?」

「まぁ細かいところで聞きたいこともあるが、ざっくりとは」


隣のナギは分かってないような顔をしてるけど。

後で説明したほうがいいな。


あ、ひとつだけ確認しておかないと。


「セリのあの姿って、今回、力を取り戻したからああなったのか?」


ただの食べすぎだと思うのだが、念のため。


「いえ、ただの食べすぎです。力を取り戻してもあのようにはなりません」


はぁ・・・やっぱりか。


「あれが全部食べるからいけないんですよ。1人で食べるからあのようになるんです」

「ん?どういう意味だ?」

「ふふふ、呪いを入れておいたんです。ああ、でも1日たったら消えるので安心してください」


・・・・・呪い?

どうやら1人で全部食べると太る罠だったようだ。

引いた俺をみて、女性はふふふと笑っていた。


すみません、長いので分割しました。

(いらん話を入れすぎました・・・)

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