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第28話 セリは子供?

「これも持ってくか」


現在ナギとフウの荷物を取りに来ている。

荷物は思ったよりも少なかった。聞けば元々必要最小限しか持ってないため、数が少ないらしい。

服とかは俺が用意したため、持っていく必要もない。

大きめの鞄を用意したが、無駄だったようだ。


「ススムさん。族長達の物で欲しいものがあったら持っていって良いですよ。もう使う人も居ませんし」


けど、ナギがそう提案してくれたので、俺は今、色々と物色している。

族長の家と言うだけあって、中の装飾等もそれなりに豪華だ。お金になりそうだから金物は貰っておこう。

お、本もあるな。魔物によって所々破れたりしているが、読めないことはない。

この世界のことが少しでも分かるかもしれないので持って行こう。いつまでもセリに頼るのも良くないし、集められる情報は多いに越したことはない。


後は・・ん? これは、刀?

家の倉庫と思われる場所の一角に黒い鞘の刀が立て掛けられている。ほかにも槍などがあるが全て錆びている。使われなくなって放置されていたようだ。

刀なんて実物を殆ど見ることはなかったので興味本位で手に取って抜いてみる。が、硬すぎて抜けない。

力が足りないのかと思ったが、槍と同様に錆びていて抜けないだけだった。

数本あったが全て抜けない。皆錆び付いている。

そんな中一本だけ布に巻かれた刀があった。

布を取ってみると中は朱色の刀だった。ほかと違って鍔はない。


布に巻かれているし大丈夫かと思ったが、これも錆び付いていて結局は抜けなかった。

けど見た目は綺麗なので持って行こう。和室にでも飾れば雰囲気でるかな。


「ナギさん。そっちの進捗はどうかな?」


倉庫を一通り物色した後、ナギの元に戻る。

ナギはすでに必要なものを回収できたようだ。渡したリュックに詰め込み終わっている。


「はい。私とフウの持ち物は回収できました。ススムさんはどうですか?」

「ああ、本があったのでもって来た。こちらの世界はまだよく知らないから少しでも情報が得られればと思ってな。ただ他の家も回ってみたいんだが大丈夫か?」

「・・あ、はい。大丈夫です」


了解してもらったので、一旦ナギと家の外に出て倒壊していない家に向かって歩き出す。

来たときと違ってナギのテンションが少し低い、やはりこの村の惨状が辛いのだろうか?


「いえ、そうじゃなくて・・・。いえ、そうですね。少し両親のことを考えてました。今二人の形見といった物はないので・・・」


どうやら、さっき家の中で探していたそうだが見つからなかったらしい。元々族長に引き取られた時に殆どなくなってしまったらしいのだが、残ってたものも今回の騒動で無くなったそうだ。


何かしてあげればいいのだが。どこを探していいかわからないしな・・・


◇  ◇  ◇  ◇  ◇



~ススムが倉庫を物色中の同時刻~


やっと食べ終えたで・・・

人参硬くて食べられたもんちゃうな。あと、全然甘くないし。

アンダルシアはよう美味そうに食えるわ。


人参食べるためとして残ったけど、食べずに二人についてったら良かったな。

動くんめんどくさいしわざとそうしたけど・・・人参は美味しないしいらんかったわ。


『姐さん。だったら僕にくれても良かったんじゃ・・・』


ボソッと言ったら、アンダルシアに聞こえたらしい。愚痴ってるがそんなことは知らん。

あれはウチがもろたもんやしな。

あと誰が姐さんや。ウチのことはお姉さまと呼ばんかい。

どや!、このポーズ。


『いや、その口調でお姉さまはちょっと・・・』

「セリちゃん白くて綺麗だけど、全体的に変だよね」


くっ、二人揃って言いよるわ。正直、姐さんでも全然かまわへんけど、変って何や!変って!


「だって全然蛇っぽくないし。ぴょんぴょん変な動きするし。それにセリちゃんってもっと子供っぽい喋り方すると思ってた」


フウのウチの評価がおかしい。どこから突っ込んだらええんや・・

それに子供っぽい喋り方ってどんなんやねん。

ウチ子供ちゃうで。


「え~!! セリちゃんってまだ子供じゃないの?」


なんでそんな驚くんや! ウチのどこが子供やねん。


「だって、お菓子もらえなくて駄々こねるし、すぐ泣くし、移動するときもおじちゃんにおんぶしてもらってるし」

『子供だな・・・』


アンダルシアまで納得すんなや。

全部ちゃんとした理由があんねんで。


それに駄々こねたことは一度も無い、あれはススムに対する抗議や。

ウチだけお菓子もらえへんのは納得できひんからな。


「でもあれはセリちゃんの食べ過ぎが原因だよね。おじちゃん言ってたよ、セリちゃんの為だって」


フウよ、それはススムに騙されてるんや。ちょっと多く食べたくらいじゃ大した事ないんやで。

・・・本当はめっちゃ食ったんやけどフウたちは知らんし黙ってれば問題ない。


「・・・・・」


なんやその目は、ウチ嘘はついてへんで。


「・・そう言う事にしといたげる」


ちょっと待ち。その言い方やとウチが嘘ついてる事にならんか?


『フウ、それで姐さんは何されて泣いたんだ?』


そしてアンダルシアも変な事聞くなや。そこはスルーするとこやろ。


「えっとねぇ、お菓子貰えなくて泣いたりー。ソファ取られて泣いたりー。ダイエットしたくないっって泣いたりしてた」

『・・・・・』


アンダルシア、なんやその可哀想な者を見る目は!

そこはそんな暴挙を受けたウチに同情するとこやろ。


『あんな気前のいい旦那が意味もなくそんな事をすると思えない』


気前がいい?ススムがか?


『こんなに美味しいものを沢山用意してくれたし、旦那は絶対良い人だと思う』


最初だけや。太ってみぃ、直ぐ減らされんで。

太ったら大いに笑ったんねん。


「大丈夫。シアちゃんが太らないように私が頑張るから」


シアちゃんて・・・

フウよ。本人自分のことて気ぃついてへんで。でもアンダルシアは長いしウチもそう呼ぼう。

そういえばシアは魔物なんか?ただの動物なんか?


『あ、シアって僕のこと? 僕は魔物だよ。たまたまあの村の近くで生まれたせいで捕まったんだ』


やっぱ魔物か。それならようチャロアイトの使役防げたな。

ウインドドラゴンすら使役されたのに・・・、結構大物かもしれへんな。


「ねぇ。魔物と動物の違いってなんなの? シアちゃんみたいに見た目じゃ分からない時もあるよね」


違い? 簡単や。そもそも魔物と動物とでは、体作る構成がちゃうねん。

簡単に言うと、魔力を取り込んで活動するのが魔物。それ以外は動物や。

魔物は魔力さえあれば活動に影響は殆どないねん。効率よく魔力を摂取するために餌を食べたりすんねんけど、その気になれば必要は無いで。


「セリちゃん物知り!なんか大人っぽい」


だから子供やないって。


「じゃあセリ、魔物ってお菓子食べなくても大丈夫なのか?」


もちろんや、おやつに魔力はほとんど無いし食べてもあんま意味ないで。


・・・・あれ?

今の声って・・・


「じゃあセリは今後お菓子はいらないよな?食べても意味ないし、太るだけだしな」


いややぁー!!

それだけは堪忍してーやぁ!


ちょっとみんなわろてんとススムになんか言ってーや。


『姐さんが駄々こねてる・・』


駄々こねてない、抗議や!!


見た目はツチノコ、頭脳は子供





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