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第25話 リストーロホース

読んで頂いてる方、評価して頂いた方ありがとうございます

一旦家に戻り、休憩を済ましてから再度村に戻る。

村を一通り見て回ったが魔物はもうどこにも居なかった。

今はナギと二人で墓を建てている。

といっても大したものはできないので、石を積む程度だが・・・


元々、村の一角に墓地があり、そこに新たな墓を用意する事にした。

作業中は特に会話も無く、黙々と作業だけが進む。

フウは早々に飽きて、「探検してくる」と村の中を走り回っている。

セリを保護者に付けたので魔物に襲われる心配も無いだろう。


しかしフウは村が壊滅したのに何とも思わないのかな?


「フウは村にとって重要な特異性を持っていたので、村の決まりで外出を禁じられていたんです。ほとんどを家の中で過ごしていたフウには村の思い出があまり無いのですよ」


外に出れないので、村の事もよく分からないらしい。


「村の決まりがどれくらい重要か分からないが、その決まりに親は反対しなかったのか?」

「母はフウを産んですぐに、父は5年ほど前、私が10歳の時に魔物に襲われて亡くなりました。その後族長の家に引き取られてそうしろと言われたんです」

「そうなのか。すまない、悪いことを聞いてしまった」

「・・・いえ、気にしないでください」


両親がすでに居ないと考えてなかったのは失敗だった。なんか気まずい・・・


「ススムさん。あまり気にしなくても大丈夫です。もうずっと前のことですから」


ナギはそう言ってきた。考えてることが顔に出ていたかな? いや手が止まってたからか。

俺は軽く謝って作業を再開した。 



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



あかん! 疲れた・・・


なんで子供はあんな元気なんやろ。

おかしいやろ!どこにそんな体力あんねん!?


ススム達は墓作っとるし、ウチがフウの面倒見るって言うたけど。

子供のお守りがこんな大変やとは思わんかったわ。

ていうか、あんま動き回らんといてほしい。ウチは移動が遅いんや。


「セリちゃん!次はあっち行ってみよ?」


そう言ってフウは遠くで倒壊した建物を指す。

・・・えぇ~、また移動すんのか? 勘弁してーや。


そうは思いつつもフウについて行く。請け負った以上はやるしかない。


でも後でススムにお菓子要求しよ。

こんだけ動いてんねんし、ススムもええってゆうやろ

ぐふふ・・話を盛ってちょっと多めに貰ったるで。


「セリちゃーん!ちょっと来てー!」


む? フウが呼んどるな。なんかあったんか?


フウは倒壊した建物の傍にいる。建物の中を覗いてるみたいやけど、危ないしやめてくれへんか?

最近ススムが居るから気にならんかったけど言葉を伝えられないと不便やなぁ。


ふぅ・・・やっと近くまで来れたで。最近体が軽なったけど、やっぱり疲れるなぁ。昔みたいに浮いて移動するか?


「ねえ、セリちゃん。あれ見て!」


ウチに気付いたフウは建物の中を見るように手招きする。一緒に見ると奥になんか居るな。

建物は倒壊しているが内部には空間が残っている。そこに白い物体が見える。動いているから生き物だと分かるが、見ている場所からでは生物の全体も見えないので何かははっきりと分からない。


フウはようあれを見つけたなぁ。


「なんかね・・さっきから頭に声が聞こえてくるの。多分あれだと思うんだけど入口がせまくて行けなないの・・・。セリちゃんはここから行けないかな?」


そう言って覗いていた穴を指す。

どうやら中に居るやつの念話が聞こえたから見つけられたらしいな。

中に居る奴がちょっと羨ましい・・・


「行けそう?」


フウが再度聞いてくる。穴を見た感じでは通れそうだ。

行けなくはないかも知れんけど・・・、フウをおいて行くのはちょっと危険や。入ってる間に魔物に襲われるかもしれんし、この建物が壊れて巻き添えを食らうかも知れん。

けどフウに言葉を伝えることもできひんし、どう説明したらええんやろ。


ススムがいてくれればええんやけどススムたちは村を挟んだ反対に居るし、呼びに行って帰ってくるのは嫌や。

疲れてるしそんなに動きとうないんや!


しゃーない。

みんなには隠しとこうと思うてたけど、さっきもろた“分身”を使うか。


“分身”はウインドドラゴンが使ってたのと同じで、自身の分身を作り出せる。今は一度に一体が限度やけど、今回に関しては十分や。

練習にもなるし、ちょうどええかもしれんなぁ。


“分身”を発動させると、自身の目の前に分身体が現れた。

相変わらずウチは可愛い見た目しとるな。完璧や!


「ふぇ! セリちゃんが増えた!?」


フウ隣で驚いている。どやウチの新しい力は!

言葉は通じひんから自慢でけへんけど、こう驚いてくれるとなんか嬉しいなあ。

ススムやナギは、「ヘ〜」位でリアクションが薄いし面白ないねん。


フウのいいリアクションも見れたし、分身体を穴の奥に移動させる。

分身体を動かすんは難しい。間違って本体を動かしてしまいそうになる。四苦八苦しながら分身体を生物の近くまで移動させられた。

途中柱にちょこちょこ当たってたので更に倒壊せんか焦ったわ。


左目の視界を分身体の視界とリンクさせそこに居る生物を確認する。


馬だった。大きさから見てまだ子供っぽいな。

ウチを見てなんかビビっとるぽいけど、安心してええで。ウチはアンタを助けに来たんやから。


しかし白いなぁ、ウチも真っ白やけど同じくらい白いで。こんな馬見た事ないわ。

ついでなのでちょっと確認っと。



種族:リストーロホース


特異性:癒しの手 加速 解毒



リストーロホース? 突然変異かなんかか?

特異性を見る限り、回復メインの種族やろな。


フウも回復の特異性持っとるし、それで波長が合ったんちゃうやろうか。

その辺は今どうでもええか。問題はこいつをどうやって外に出すかやけど・・・、ウチが通った穴はこいつにとっては小さいし、かと言って穴を広げると建物が壊れるやも知れんしなぁ。 


さて、どないしたらええんや?


「どうした? 何かあったのか?」


うん?

気付いたら後ろにススムとナギが立っていた。どうやら墓は出来たみたいやな。

なんや、ちょうどええ所に来てくれたな。




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