第18話 俺たちのダブルデート
部活の帰り道。修也と夕香が帰っていると修也のスマホから通知音がなる。
「何だろう?」
修也がスマホを見る。
「……夕香。明日空いてるか?」
「空いてるけど……何?」
「裕樹から誘われたんだけど……」
修也は裕樹に誘われた内容を言った。
翌日。修也は水着を着て裕樹と合流した。
「よっ!裕樹!」
「修也!今日はありがとな!」
「っていうかウォーターパークなんて久しぶりだな」
目の前には楽しそうなアトラクションがたくさんある。
「なんで急に誘ったんだよ?」
「美紀が浅田とダブルデートしたいって言うからさ」
「ダブルデートって……お前!南野と付き合ってたのか⁉」
「あれ?言ってなかったけ?」
「聞いてねぇよ……」
「修也。お待たせ」
振り返ると水着を着た夕香が立っていた。可愛らしい水着ワンピースだ。
「初めて着たけど……どうかな?」
「すごく似合ってる……」
「ありがとう……」
お互い照れているところを裕樹がニヤニヤしながら見ている。
「あれ?美紀は?」
「一緒に更衣室出たはずだけど……」
「ここだよ……」
夕香の背後に落ち込んだ美紀が立っていた。
「美紀?どうしたのそんなに落ち込んで?」
「……夕香に心配されたくない」
「?」
―――美紀は更衣室で着替える時を思い出す。
「プール楽しみだね~」
「本当に久々よ」
「それにしても遂に夕香が六皇子君とくっついたのが私としては嬉しいな。ずっとダブルデートしたかったからさ~」
美紀が夕香をチラッと見ると顔が赤くなる。
「えっ⁉噓⁉」
「何?」
「……何でもない」
美紀が顔をそらす。
「どうしたの?」
「いや……大きいとは思ったけどそんなに大きいとは思わなかったから……」
「何が?」
「鏡見なさいよ!」
―――美紀が裕樹に近づく。
「小さくてごめんね……」
「何が?」
「裕樹。どこ行く?」
「やっぱり最初はウォータースライダーだろ!」
修也たちはウォータースライダーに移動した。
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「うわ怖そう……」
「ここのウォータースライダー結構長いらしいからな」
「おっ!俺の番だ!」
「ねぇ裕樹……」
「なんだ?」
「後ろつかまっていい?」
「いいぞ!」
美紀が裕樹の背中にしがみつき、滑って行った。
「うわぁぁぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
二人の姿が見えなくなった。
「じゃあ俺も行くわ」
修也が滑ろうとすると夕香が手を掴んできた。
「ゆ、夕香?」
「わ、私もつかまっていい?」
「えっ?」
「べ、別に怖いわけじゃないから!」
「お、おう……じゃあ行くぞ」
修也は滑り始めた。夕香が必死につかまっている。
「うわぁぁぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
夕香が必死にしがみつくと柔らかいものがムニュッとあたる。
「ちょっ夕香!あたって……」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
夕香は叫んでばかりで聞こえていないようだ。
(あぁぁぁぁぁ!集中できねぇぇぇぇぇ!)
「おっ!戻ってきた」
待っている裕樹と美紀のところに修也と夕香が合流する。
「修也大丈夫か?顔真っ赤だけど……」
「大丈夫……」
(六皇子君も夕香の餌食になったのか……)
「昼飯食べない?」
「でもまだウォータースライダーしか……」
修也が裕樹の肩に手を置く。
「頼む。このままだと俺の理性が崩壊してしまう」
「お、おう……」
修也たちはレストランに移動する。
「やっぱり遊園地といえばカレーライスだろ」
「そうか?マルゲリータだろ?」
「女の子はやっぱりパフェだよね~」
夕香がコクコクと頷く。
「じゃあ夕香たちはパフェでいいか?」
「俺たちが買ってくるよ」
「ありがとう~!」
修也と裕樹が注文に向かった。
「ねぇ夕香」
「何?」
「いつ恋人になったの?」
「!」
夕香の頬が赤くなる。
「そ、そんなの言えないわよ!」
「えぇ~?気になるな~」
「そういう美紀はいつ恋人になったのよ?」
「それはね……」
「お待たせ!」
修也と裕樹が注文した料理を持ってやって来る。
「はい、これ夕香の分」
「ありがとう」
「これが美紀のパフェ」
「ありがとう~!」
「で?いつなったの?」
「夕香が内緒にするから私も内緒~!」
「何の話してたんだ?」
「女子同士の会話は男子禁制で~す」
「えぇ~気になるな」
修也たちは和気あいあいとした空気で食事を楽しんだ。