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5.数年経って、ヤンデレフラグが立ってしまったようです。


アタシやルーベライト、ついでにヘリオドールが出会って、数年が流れた今。

本当ならアタシは魔法学院に入って、ヘリオドールは、まぁ自分で好きにして、ルーベライトも貴族としての本格的な勉強をしなければならない…はずなんだけど。



「なーんで3人揃って城仕えかねぇ…」

ここは城の食堂で、今は夕飯を3人で食べている最中。


働き始めた年齢が普通なら学校に通うか通わないかくらい若いおかげで、庶民出身のアタシやヘリオドールと貴族出身のルーベライトの3人がつるんでいることは城中で有名になってしまった。


今、アタシは後宮で王妃第一候補のフローラ姫の従者をしていて、ルーベライトとヘリオドールも何と第一王子の護衛役。


…何がどうしてこうなった。


っていうか、アタシは本来なら来年、魔法学院に通わなきゃいけないんだけどな…。

ゲーム中のシエルはどうだったか知らないけど、アタシは自分が体質型魔力体の持ち主だと自覚している。

アタシが持つのは【野性】という性質で、主に動物と心を通わせたり、はたまた動物並みの五感の鋭さを持つことが出来るもの。


…まぁ、自分でコントロールしてたからバレずに済んでるんだけど、さすがに自分なりの独学じゃ限界がある。


「3人一緒にいられる手段なんてこれくらいしかなかったじゃねぇか。働けるだけラッキーだし」

「そりゃそうだけどさ…別に、もうそろそろいつも3人一緒じゃなくてもいいでしょ。それにアタシ、ヘリオと違って魔法学院通わないと立場的にマズいんだけど…」

「隠してんだから大丈夫だって」

カラカラと笑うヘリオドール。殴りたい。


「オレはシエルと離れたら生きてけないし…一緒にいたい」

「…いや、だからアタシがいなくてもアンタは立派に生きていけるって…」

「無ー理っ」

ここをどこだか忘れているかのように抱きついてくるルーベライト。

…何がどうしてこうなった、マジで。


確かに、人間嫌いはなくなったみたいだけど、こんな風に、アタシに依存しているようなことを言ったり、たまに喧嘩したり忙しくて会わなかったら自傷してたりと、何か別な方向に危ない行動を取ることもある。

他の女の子には口説くことすらしない。


チャラ系攻略対象なんだけど、今のコイツはむしろヤンデレだ。


…ヤンデレといえば、ヘリオドールも最近危ない気がする。

いや、【野性】で感じる勘のようなものなんだけど。


「はぁ…」


「む。シエル君ではないか」

「ん?あぁ、ジャスパー。アンタも今からご飯?」

「ああ」

ジャスパー・ネフライトは、王の側近である魔術師の息子で、彼自身も魔法の研究に余念がない。

年齢は一つ上だけど、魔法学院に通うかどうか考えているうちに研究したいことが出来たらしく、彼は魔法学院に通わずに魔法研究を重ねている。


最初は敬語を使って接していたんだけど、敬語はいらないと言われて、普通に話すことにしている。


「んじゃ早く行けよ魔法オタク」

「ちょ、ヘリオあんた…」

「そうそう、席も空いてないしね」

「…ルー、あんたが今空いたトレー置いたところは椅子なんだけど…ゴメン、ジャスパー、この二人が…」

「良い。それより、また話をしよう。同年代であれほど魔法の話が出来るのは君以外いない」

「アタシも、ジャスパーに話聞くと勉強になるからね。是非」


ジャスパーが立ち去ると、二人がアタシの顔を見てくる。


「何?」

「あんな魔法オタクがいいわけ、お前」

「は?」

「それとも、魔法が自分より出来ない男なんて眼中にないってこと?」

「…なんじゃそりゃ」


自分より弱い男は除外って前世でも聞いたことあるけど、この世界に転生してからは強さ云々はともかく魔法で異性を見る人なんて聞いたことない。


「あのさ、ルー?ことあるごとに抱きつかない。そんで苦しい。アンタは細い割に鍛えてる男だってのを念頭においてそういうことをしなさい」

「…おいシエル、抱きつくのはいいのか?」

「今更でしょ。アンタが何もなしに抱きついてきたら頭を疑うけど」

「……」


だって、ヘリオドールが抱きついてきたのなんて魔力欠乏でぶっ倒れた時以外ないし。


「さてと。そろそろお仕事に戻りますかね」

「もう少しゆっくり食えばいいのに」

「…アンタらと違って交代要員はそんなにいないの。それじゃあね」


席を立って、トレーを片付ける。

後宮にあるアタシの護衛対象、フローラ・アベンチュリンの部屋。

…彼女はゲームでは悪役系ライバルキャラ。

まぁ、ライバルって言うのもな…救いがほとんどない子だし。


「失礼致します、ただ今戻りまし…」


「…どうすればいいの…ヒロインが現れたら…ううん、ヒロインが転生者ならまだいい…偽物の好意だったらあの人は気付けるわ…だけど純粋なヒロインならあの人が取られてしまう…そんなの嫌…あの人と出会う前にヒロインを消す…ううん、それなら他の女に取られることだって…だったら私がいなければ生きられないように…」


フローラがブツブツ言っている。

しかも物騒なセリフをブツブツと。


いくら声をかけても無駄だと思ったので、後ろから軽く蹴りを入れることにした。

大丈夫、床は絨毯だし。

2015/05/24追記

リアルが忙しく、なかなか続けられないため、完結に切り替えました。

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