↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こども のりもの図鑑  作者: きんかん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/8

【OSQ-34 ミレス】

【ミレスってなに?】


ミレスは、地球圏ちきゅうけんでたくさん使つかわれている、軍用ぐんようのクアドリガです!


正式名称せいしきめいしょうは、


OSQオーエスキュー-34 ミレス。


アークライト・オービタル・エンジニアリングが開発かいはつした、第二世代だいにせだいクアドリガのひとつです。


護衛ごえい

迎撃げいげき

宇宙施設うちゅうしせつ防衛ぼうえい

おおきな宇宙船うちゅうせんまも仕事しごと


いろいろな任務にんむ使つかわれています。


ミレスには、グラディヴスのような、とびぬけてわった性能せいのうはありません。


ものすごくはやいわけでもありません。


一機いっきしかない特別とくべつ機体きたいでもありません。


でも――


おなじミレスが、たくさんあります。


おな部品ぶひん使つかえます。


おな方法ほうほう整備せいびできます。


おなじようにぶことができます。


それこそが、ミレスのいちばん大切たいせつなところなのです!



【ミレスのスペック】


正式名称:OSQ-34 ミレス

分類:第二世代後期標準軍用クアドリガ

通称世代区分:第2.5世代

開発・製造:Arclight Orbital Engineering

展開時最大寸法:約17~18m級

非武装時質量:約65t

標準戦闘時質量:約70~75t

可動推進モジュール:4基

反動推進器総推力:約380kN

最大MMR作動率:約70%

通常戦闘時MMR作動率:約40~50%

MMR非作動時加速度:約0.6G

通常戦闘機動:約0.8~1.1G

非武装時最大加速度:約2G

標準戦闘時最大加速度:約1.7~1.8G

標準武装:

MOI-40C 40mm級MMR誘導加速砲

EKS-8 8セル・キルサットポッド

CLS-PD12 近接防御レーザー

主用途:

護衛、迎撃、対艦支援、宇宙施設防衛など


【第2.5世代だいにてんごせだいってなに?】


ミレスは、ときどき、


「第2.5世代だいにてんごせだいクアドリガ」


ばれることがあります。


第二世代だいにせだい第三世代だいさんせだいの、ちょうど半分はんぶんなのでしょうか?



ちがいます!



ミレスは、技術的ぎじゅつてきには第二世代だいにせだいクアドリガです。


第三世代だいさんせだい新技術しんぎじゅつ半分はんぶんだけ使つかっている、という意味いみではありません。


第二世代だいにせだいクアドリガがなが使つかわれるなかで、


「もっと整備せいびしやすくしよう」


部品ぶひん共通きょうつうにしよう」


「たくさんつくっても、性能せいのうがばらばらにならないようにしよう」


「こわれても、すぐ任務にんむもどせるようにしよう」


と、設計せっけいすこしずつ整理せいりされていきました。


そのような第二世代後期だいにせだいこうき機体きたいを、ふる第二世代だいにせだい区別くべつするときに、


「2.5世代にてんごせだい


というかた使つかわれるのです。


つまり、


第二世代だいにせだいのなかでは、かなりあたらしい!


というくらいの意味いみなんだね!



【ここがすごい!】


こわれたら、交換こうかん


ミレスの四本よんほん可動推進かどうすいしんモジュールや、兵装へいそう補機ほき外装がいそうおおくは、規格きかくがそろえられています。


もし推進器すいしんきがこわれたら?


工場こうじょうで、その機体きたいだけにあたらしい推進器すいしんきつく必要ひつようはありません。


倉庫そうこから、おな規格きかく推進器すいしんきってきます。


こわれたものをはずします。


あたらしいものをけます。


接続せつぞく確認かくにんします。


試験しけんします。


おしまい!



もちろん、本当ほんとう宇宙機整備うちゅうきせいびは、こんなに簡単かんたんではありません。


でも、


部品ぶひんそのものをつくなおす」


のと、


準備じゅんびされているおな部品ぶひん交換こうかんする」


のでは、おおきなちがいがあります。


たたかうための宇宙機うちゅうきでは、このちがいがとても大切たいせつです。



【どうしておなじものをたくさんつくるの?】


一機いっきだけなら、特別とくべつ機体きたいつくることもできます。


うでのいい技術者ぎじゅつしゃ時間じかんをかけて調整ちょうせいして、


その機体きたいだけの部品ぶひん使つかって、


とてもたか性能せいのうす。


そんな宇宙機うちゅうきつくれます。


でも、100あったらどうでしょう?


100すべてに、


ちがう部品ぶひん


ちがう整備方法せいびほうほう


ちがう調整ちょうせい


ちがう工具こうぐ


必要ひつようになったら、とてもたいへんです。


軍用機ぐんようきでは、一機いっき性能せいのうだけでなく、


「たくさんの機体きたいを、いつでも使つかえる状態じょうたいにしておけること」


重要じゅうようです。


だからミレスでは、


ものすごく特別とくべつ一機いっきつくることより、


おな性能せいのう機体きたいを、おな方法ほうほうでたくさん使つかえることが大切たいせつにされています。



軍用機ぐんようきなのに、いちばんはやくないの?】


たたか宇宙機うちゅうきなら、救難船きゅうなんせんよりずっとはやいはず!」


おもうかもしれません。


でも、ミレスの最大加速度さいだいかそくどは、武装ぶそうはずした状態じょうたいでおよそ2G。


標準的ひょうじゅんてき戦闘装備せんとうそうびむと、およそ1.7~1.8Gです。


救難用きゅうなんようのサルースCも、緊急時きんきゅうじには最大さいだいでおよそ2Gをすことができます。


あれ?


軍用機ぐんようきなのに、あまりわらない?



そうです。



でも、


おなじ2Gでも、おなじではありません!



おなじ2Gでも、おなじじゃない!】


サルースCは、おおきな救難装備きゅうなんそうび作業装置さぎょうそうちんだ、やく150tの宇宙機うちゅうきです。


そのおおきな機体きたいを、強力きょうりょくなMMRでかるくして、緊急時きんきゅうじにはやく2Gまで加速かそくします。


一方いっぽう、ミレスは非武装ひぶそうならやく65t。


ずっとかる機体きたいです。


最大さいだいMMR作動率さどうりつも、およそ70%におさえられています。


では、計算けいさんしてみましょう!



火星工学かせいこうがくメモ①】


ミレスは、どうしてやく2G出せるの?


ミレスの非武装時質量ひぶそうじしつりょうやく65t。


反動推進器はんどうすいしんき総推力そうすいりょくやく380kNとします。


MMRを使つかわなければ、


380,000 ÷ 65,000


≒ 5.85m/s²。


地球ちきゅう重力加速度じゅうりょくかそくどやく9.8m/s²とすると、


およそ0.6Gです。



では、MMRで有効質量ゆうこうしつりょうを70%らしてみましょう。


のこるのは30%です。


65t × 0.30


= 19.5t。



380,000 ÷ 19,500


≒ 19.5m/s²。



これは、およそ2G!



だからミレスは、最大さいだいMMRを使つかった非武装状態ひぶそうじょうたいなら、やく2Gの加速かそくができるのです。



武器ぶきむとおそくなる?】


なります。


宇宙うちゅうでは、武器ぶきにも質量しつりょうがあります。


弾薬だんやくにも質量しつりょうがあります。


キルサットにも質量しつりょうがあります。


追加ついかされたセンサー、冷却装置れいきゃくそうち電源でんげん防護装備ぼうごそうびにも質量しつりょうがあります。


標準戦闘装備ひょうじゅんせんとうそうびんだミレスをやく72tとして、おなじようにMMRを70%作動さどうさせると、


72t × 0.30


= 21.6t。


380,000 ÷ 21,600


≒ 17.6m/s²。


およそ1.8Gです。


つまり、


武装ぶそうなし:やく2G


標準戦闘状態ひょうじゅんせんとうじょうたいやく1.8G


となります。


武器ぶきめば、そのぶんすこおもくなる。


たりまえのことですが、宇宙機うちゅうきでもおなじなんだね!



【それなら、もっとおおきな推進器すいしんきをつければいいのでは?】


つけることはできます。


MMRをもっとつよくすることもできます。


そうすれば、もっとおおきな加速度かそくどせます。


でも、


推進器すいしんきおおきくなれば、推進剤すいしんざいをたくさん使つかいます。


MMRをつよ使つかえば、電力でんりょくをたくさん使つかいます。


どちらも、ねつをたくさんします。


構造こうぞうつよくしなければいけません。


冷却装置れいきゃくそうちおおきくなります。


機体きたいたかくなります。


整備せいびもたいへんになります。


そして、戦闘中せんとうちゅう一回いっかいだけすごい加速かそくができても、そのあとあつくなりすぎてうごけなくなってしまったらこまります。



ミレスが大切たいせつにしているのは、


一度いちどだけ、ものすごい性能せいのうすこと」


ではありません。


必要ひつよう性能せいのうを、何度なんど使つかえること。


それが、量産軍用機りょうさんぐんようきとしてのミレスのかんがかたなのです。



宇宙うちゅうでは、どうやってたたかうの?】


ここからは、すこしむずかしいおはなしです!



宇宙うちゅうには、空気くうきがほとんどありません。


飛行機ひこうきのようなつばさ必要ひつようありません。


みぎすすみたいからといって、機首きしゅみぎける必要ひつようもありません。


クアドリガは、四本よんほん可動推進かどうすいしんモジュールを、それぞれべつ方向ほうこうけることができます。


てき機体きたい正面しょうめんけたまま――


みぎへ。


ひだりへ。


うえへ。


したへ。


ななめへ。


うしろへ。


うごくことができます。


これが、宇宙戦闘うちゅうせんとうでとてもおおきな意味いみちます。



たまは、どうやってよけるの?】


たとえば、まっすぐんでくる無誘導むゆうどう砲弾ほうだん


発射はっしゃされたあと、自分じぶんではがらないたまです。


がわは、


たまとどくころ、相手あいてはここにいるはず」


という未来みらい位置いち予測よそくして発射はっしゃします。


では、たれたがわが、その予測よそくされた位置いちからすこよこうごいたら?


たまは、そのまま予定よていしていた場所ばしょとおっていきます。


つまり宇宙うちゅうでは、


たまよりはやげる」


必要ひつようはありません。


たま場所ばしょから、自分じぶんがいなくなればいいのです。



火星工学かせいこうがくメモ②】


5びょうで、どのくらいずれればいい?


たとえば、てきたまとどくまで5びょうあるとします。


ミレスが横方向よこほうこうへ0.2Gで加速かそくしたら、どれくらい移動いどうできるでしょう?


0.2Gは、およそ1.96m/s²。


移動距離いどうきょりは、


s = 1/2 × a × t²


もとめられます。


数字すうじれると、


1/2 × 1.96 × 5²


= 24.5m。



やく25m!



もちろん本当ほんとう戦闘せんとうでは、


相手あいてとの距離きょり


たま速度そくど


こちらの速度そくど


射撃時しゃげきじ観測誤差かんそくごさ


相手あいてつぎ機動きどう予測よそくしているか。


など、もっとたくさんの条件じょうけんがあります。


でも、


ほんの0.2Gの横加速よこかそくでも、5びょうつづけば25m近ちか位置いちえられる。


ということがわかります。


ミレスほどのおおきさの宇宙機うちゅうきなら、これは無視むしできない距離きょりです。



最大さいだい2Gをせば、もっとよけられる?】


もちろん、おおきくうごくことはできます。


でも、いつも最大加速さいだいかそくするのがよいとはかぎりません。


てきも、こちらのうごきをています。


みぎおおきくうごいた。


つぎみぎきそうだ。


では、そのさきねらおう。


そうやって予測よそくされてしまいます。


そこで、


みぎへ0.2G。


すこつ。


うえへ0.4G。


推力すいりょくめる。


左下ひだりしたへ0.3G。


まためる。


というように、ちいさな加速度変更かそくどへんこうわせます。


大切たいせつなのは、


「どれだけおおきくうごけるか」


だけではなく、


つぎにどこへうごくのか、相手あいて簡単かんたんませないこと」


なのです。



【ミレスのつよさは、最高速度さいこうそくどじゃない?】


宇宙うちゅうでは、一度いちど加速かそくした物体ぶったいは、めなければそのまますすつづけます。


そのため、


最高速度さいこうそくどなんkm/hか?」


という数字すうじは、戦闘機せんとうき性能せいのうをくらべるときほど便利べんりではありません。


重要じゅうようなのは、


どの方向ほうこうへ。


どれだけつよく。


どれだけはやく。


どれだけながく。


加速度かそくどえられるかです。



ミレスは、およそ2Gの最大加速さいだいかそく一回いっかいだけすための機体きたいではありません。


0.2G。


0.5G。


0.8G。


1G。


必要ひつよう方向ほうこうへ、必要ひつようなだけ。


それを何度なんどかえせることが、戦闘せんとうでは大切たいせつなのです。



【キルサットがいかけてきたら?】


ミレスの標準装備ひょうじゅんそうびには、


EKS-8《イーケーエス・エイト》


というキルサットポッドがあります。


キルサットは、発射はっしゃされたあと、自分じぶん目標もくひょういかける小型攻撃機こがたこうげききです。


まっすぐ砲弾ほうだんとちがって、


よこへよけた!」


だけではわりません。


キルサットも進路しんろえていかけてきます。



みぎげる。


キルサットもみぎへ。


したげる。


キルサットもしたへ。


また方向ほうこうえる。


キルサットも迎撃軌道げいげききどう計算けいさんなおす。



こうなると、


「どちらが一回いっかいだけつよ加速かそくできるか」


ではなく、


「どちらが最後さいごまで機動きどうつづけられるか」


というたたかいになることがあります。



いかけっこにも、燃料ねんりょうがいる!】


進路しんろえるたびに、推進剤すいしんざい使つかいます。


MMRを使つかえば、電力でんりょく使つかいます。


推進器すいしんきもMMRもねつします。


キルサットにも、おなじように使つかえる推進剤すいしんざい電力でんりょくにはかぎりがあります。


つまりいかけっこをつづければ、


がわも。


げるがわも。


すこしずつ「うごくための余裕よゆう」をうしなっていきます。


もちろん、


はやさ。


距離きょり


のこっている推進剤すいしんざい


最初さいしょ位置関係いちかんけい


キルサットの性能せいのう


によって、どちらが有利ゆうりになるかはわります。


かならげるがわ有利ゆうりというわけではありません。


でも、


戦闘せんとう長引ながびけば長引ながびくほど、


推進剤すいしんざい


電力でんりょく


ねつ


MMR。


といったのこりの能力のうりょくが、大切たいせつになっていくのです。



火星工学かせいこうがくメモ③】


宇宙機うちゅうきの「スタミナ」


宇宙機うちゅうき筋肉きんにくはありません。


でも、


「あとどのくらいたたかえる?」


という意味いみでは、スタミナのようなものがあります。


ミレスなら、


推進剤残量すいしんざいざんりょう


電池残量でんちざんりょう


蓄熱余力ちくねつよりょく


MMR運転余裕うんてんよゆう


兵装残量へいそうざんりょう


機体損傷きたいそんしょう


などです。


推進剤すいしんざいのこっていても、ねつ限界げんかいならおおきな機動きどうはできません。


電力でんりょくのこっていても、推進剤すいしんざいがなければ反動推進器はんどうすいしんき使つかえません。


機体きたい無傷むきずでも、弾薬だんやく使つかれば攻撃方法こうげきほうほうります。


だから宇宙戦闘うちゅうせんとうでは、


「いまなんG出せるか?」


だけでなく、


「そのGを、あと何回なんかい使つかえるか?」


重要じゅうようなのです。



【レーザーは、よこによければいいの?】


レーザーはひかりです。


とてもはやいです。


ちか距離きょりから発射はっしゃされたレーザーをて、


「あっ、った!」


づいてからよこげても、いません。


そのためレーザーへの対処たいしょでは、


たれるまえから進路しんろつづける。


相手あいて照準しょうじゅんをむずかしくする。


遮蔽物しゃへいぶつ利用りようする。


微粒子びりゅうし薄膜はくまくによる光学的こうがくてき妨害ぼうがい利用りようする。


こちらの近接防御きんせつぼうぎょレーザーで、相手あいてのセンサーや攻撃手段こうげきしゅだん対処たいしょする。


など、砲弾ほうだんとはちがう方法ほうほう必要ひつようになります。



宇宙戦闘うちゅうせんとうでは、


砲弾ほうだん


レーザー。


キルサット。


それぞれに、ちがった「よけかた」があるのです。



四本よんほんの「あし」は、たたかうためにもやくつ!】


むかし宇宙戦闘艇うちゅうせんとうていでは、おおきな推進器すいしんき船体せんたいうしろに固定こていされていました。


よこうごきたい。


では、機体きたいそのものをよこけます。


ところが機体きたいよこけると、正面しょうめんにある武器ぶきよこいてしまいます。


てきねらいながら、べつ方向ほうこううごく。


これがむずかしかったのです。


クアドリガでは、四本よんほん可動推進かどうすいしんモジュールのきをえることで、


機体きたいてきけたまま。


武器ぶきてきけたまま。


推進すいしんする方向ほうこうだけをえられます。



方向ほうこう


方向ほうこう


うご方向ほうこう


これらをべつ々にできる。


クアドリガが宇宙戦闘うちゅうせんとうひろ使つかわれるおおきな理由りゆうのひとつです。



一本いっぽんこわれたら、もううごけない?】


クアドリガが四本よんほん推進すいしんモジュールを理由りゆうのひとつは、故障こしょうへのつよさです。


一本いっぽん使つかえなくなっても、のこった三本さんぼん使つかって推進すいしん姿勢制御しせいせいぎょつづけることができます。


もちろん、正常せいじょう四本よんほんのときとおなじようにはうごけません。


使つかえる推力すいりょく方向ほうこう


回転かいてんすための推力すいりょく


のこったモジュールへの負担ふたん


すべてがわります。


でも、


一本いっぽんこわれたから、そのなにもできなくなる」


より、


性能せいのうちるけれど、まだうごける」


ほうが、軍用機ぐんようきではずっと大切たいせつです。



そして基地きちもどれば――


こわれたモジュールをはずします。


おな規格きかくのものをってきます。


けます。


確認かくにんします。


またべます。



ミレスの設計思想せっけいしそうは、ここでもおなじなのです。



【どうして装甲そうこうあつくして、ぜんぶ丈夫じょうぶにしないの?】


宇宙機うちゅうきでは、丈夫じょうぶにすることにも代償だいしょうがあります。


装甲そうこうあつくするとおもくなります。


おもくなれば、おな加速かそくをするためにおおきな推力すいりょく必要ひつようです。


MMRをつよ使つかえば、電力でんりょくねつ負担ふたんえます。


おおきな推進器すいしんきめば、またおもくなります。


すると、もっとつよ構造こうぞう必要ひつようになります。



どこまでも丈夫じょうぶに。


どこまでもはやく。


どこまでも武器ぶきをたくさん。



全部ぜんぶ同時どうじやしていくことはできません。


そこで設計者せっけいしゃは、


なにまもる?」


なにがこわれてもべるようにする?」


なになら交換こうかんすればよい?」


「どれくらいの性能せいのうがあれば任務にんむたせる?」


かんがえます。


ミレスは、


絶対ぜったいにこわれない宇宙機うちゅうき


ではなく、


こわれることもかんがえてつくられた宇宙機うちゅうきなのです。



一番いちばんつよ機体きたいを100つくればいいんじゃない?】


もし、おかねも。


材料ざいりょうも。


工場こうじょうも。


整備員せいびいんも。


時間じかんも。


ぜんぶ無限むげんにあれば、それでもいいかもしれません。



でも、本当ほんとう無限むげんではありません。



宇宙機うちゅうき使つかうには、


つくるおかね


ばすおかね


部品ぶひん用意よういするおかね


整備せいびするおかね


整備員せいびいんそだてるおかね


基地きち設備せつびくおかね


ふるくなった部品ぶひん交換こうかんするおかね


があります。


一機いっきったら、それでわりではありません。



火星工学かせいこうがくメモ④】


100を10年間ねんかん使つかうとしたら?


ここでは、値段ねだんそのものではなく、かんがかたてみましょう。


100がすべてべつ々の部品ぶひん使つかっていたら?


基地きちには、たくさんの種類しゅるい交換部品こうかんぶひんかなければなりません。


でも100おな部品ぶひん使つかえたら?


おな交換部品こうかんぶひんをまとめてつくれます。


おな工具こうぐ使つかえます。


おな整備方法せいびほうほうおぼえれば、たくさんの機体きたい整備せいびできます。


ひとつの部品ぶひん大量たいりょうつくれば、一個いっこあたりをやすつくれることもあります。



これを、


ライフサイクルコスト


というかんがかたることがあります。



宇宙機うちゅうきを、


う。


使つかう。


なおす。


部品ぶひん交換こうかんする。


最後さいご退役たいえきさせる。



その全部ぜんぶにかかる費用ひようかんがえるのです。



対象年齢たいしょうねんれい8はっさいです。



【ミレスは「やす機体きたい」なの?】


やすつくる」


だけが目的もくてきではありません。


必要ひつよう性能せいのうめる。


その性能せいのう確実かくじつす。


おな品質ひんしつでたくさんつくる。


どこへっていっても整備せいびできる。


部品ぶひん補給ほきゅうできる。


なが使つかえる。



その結果けっかとして、


一機いっきだけの特別とくべつ高性能機こうせいのうきより、軍全体ぐんぜんたいでは使つかいやすい」


ということがあります。


ミレスが重視じゅうししているのは、


値札ねふだやすさだけではなく、


運用全体うんようぜんたい効率こうりつなのです。



【グラディヴスとどっちがつよい?】


グラディヴスは、第三世代技術だいさんせだいぎじゅつためすためにつくられた先行統合試作機せんこうとうごうしさくきです。


非常ひじょうたか加速性能かそくせいのう


独立どくりつしたMMR制御せいぎょ


AEドライブ。


分散熱管理ぶんさんねつかんり


いろいろなあたらしい仕組しくみが搭載とうさいされています。


単純たんじゅん性能せいのうだけをくらべれば、グラディヴスがおおきく上回うわまわるところがたくさんあります。



では、ミレスはふるくてよわ機体きたいなのでしょうか?



それもちがいます。



グラディヴスが一機いっきこわれたら、


図面ずめん確認かくにんする。


必要ひつよう部品ぶひん調しらべる。


材料ざいりょう用意よういする。


場合ばあいによっては、その部品ぶひんつくる。



ミレスがこわれたら、


倉庫そうこから部品ぶひんってくる。



交換こうかん


確認かくにん


終了しゅうりょう



一機いっきだけの性能せいのうをくらべるのか。


100毎日まいにち使つかうことをかんがえるのか。


どちらをるかで、「よい宇宙機うちゅうき」の意味いみわります。



【ミレスは、すごくない?】


ミレスには、


世界せかい一番いちばんはやい!


世界せかい一番いちばんおおきい!


世界せかい一番いちばんつよい!


というかりやすい記録きろくは、あまりありません。



でも、


たくさんつくられ。


たくさんび。


いろいろな基地きち使つかわれ。


こわれたらなおされ。


またび。


おな部品ぶひん使つかい。


おな仲間なかま編隊へんたいみ。


必要ひつよう場所ばしょていく。



それを毎日まいにちつづけることができます。



軍用機ぐんようき必要ひつようなのは、


一度いちどだけ奇跡きせきのような性能せいのうすことではありません。


必要ひつようなときに。


必要ひつよう場所ばしょで。


必要ひつようかずが。


ちゃんとうごくこと。



ミレスは、そのためにつくられたクアドリガなのです!



本項ほんこう編集部へんしゅうぶ都合つごうにより、通常つうじょうよりページすうおおくなっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。