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リナの冒険ノート2  作者: リナ


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リナ、未完成の「〜したい」を拾い集める

**20xx年4月6日(月曜日) 高校1年生**

**朝**


目が覚めた瞬間、

頭の中にうすいガーゼが一枚かぶさっているみたいな感覚があった。


(今日は、△寄りの○だな)


はっきりしんどいわけじゃない。

でも、体のどこかに「もう一回寝ない?」って誘ってくるやつがいる。


いつものみたいに、

布団の中でセルフスキャンをはじめる。


・ふくらはぎ → ちょっと重い。階段ダッシュはやめたほうがいいレベル

・下腹部 → じんわり存在感。□まではいかないけど、油断すると主張してきそう

・腰 → 寝返りをサボった朝、って感じのだるさ

・頭 → もやもや。回しすぎると空転しそうな予感


カレンダーに△をつけて、

横に小さく『※思考ブレ注意/甘いもの衝動出やすい』と書き足す。


(たぶん、生理終盤〜そのちょい後くらいのゾーン)

(体としては「働ける」けど、

 メンタルは急に波立ったりするやつ)


机の端には、

図書室で借りてきた本が置いてある。


『最高の〜』みたいな、

「体調」とか「メンタル」とか「仕事」とかを、

グラフと実験で説明してくるタイプの本。


昨日の夜、

しおりを挟んだページを開く。


『──価値観がはっきりしている人ほど、

 不安への耐性が高く、

 健康的な生活習慣を維持しやすく、

 長期的には収入も安定しやすい』


(価値観、はっきり……)


布団の上に座りながら、

その一文を三回くらい読み直す。


(大事なのはわかる。

 大事なのはわかるけど、

 “あなたの価値観は?”って聞かれると

 一気にめんどくさモードになるやつ)


ページの端っこに、

鉛筆で小さくメモする。


『※価値観=人生の「方向」メモ? → ちゃんと決めるじゃなくて「仮の矢印」くらいでいいなら、まだマシ』


本をパタンと閉じて、

手の甲を見る。


『余白/波/距/棚/声/仮』


一週間でだいぶ薄くなってきた字たち。


(“仮”って、

 進路の紙に書いたあとから、

 ちょっとだけ別の意味も出てきた気がする)


(「価値観」も、

 今日いきなり一生モノを決めるんじゃなくて、

 “今の仮”を置いてみるくらいでいいのかも)


ペンを手に取って、

新しく一文字だけ足した。


『余白/波/距/棚/声/仮/芯』


(今日のテーマ、“芯”。

 ちゃんと決めるんじゃなくて、

 今の自分が「これは手放したくないかも」って思ってるものを

 仮の芯としてメモる日)


制服に袖を通すとき、

ふくらはぎの重さがちょっとだけ主張してきた。


(体育で全力疾走コースだったら、

 さすがに先生に「今日は七割で走ります」申告しよ)


そう心の中で決めて、

家を出た。


---


**午前**


一時間目は保健。


教室の後ろの方のテレビに、

パワポのスライドが映る。


──テーマ:ストレスと付き合う


「はい、今日は“ストレスマネジメント”ってやつです」


養護教諭の先生が、

リモコンをカチッと押す。


『自分の価値観に沿った生活を送れている人ほど、

 ストレスからの回復が早い』


スライドのその一文に、

里奈の目が勝手に止まる。


(また価値観)


ノートの端っこに、

さっきの本のメモと同じようなことを書き写す。


『価値観=自分にとって「ちゃんと」の意味』


先生が続ける。


「周りに合わせてばかりだと、

 “自分は何のためにこれをやってるんだろう”って

 わからなくなって、疲れます。


 逆に、“これは自分にとって大事だ”ってものが

 ある程度はっきりしていると、

 同じ忙しさでもだいぶ違う」


(“ある程度はっきり”って言い方、

 ちょっとホッとする)


(いきなり完璧じゃなくていい前提)


隣の席の子が、

里奈のノートをちらっと覗き込む。


「“自分にとってのちゃんと”?」


「うん。

 “ちゃんとして”って言われるけど、

 人によって中身違うから」


「たしかに」


(こういう“うなずき合える瞬間”は好きなんだよな)


(“全員同じ価値観でまとまらないといけない”って

 言われるのは苦手だけど)


先生は、

ストレスへの対処法の一つとして、

「アンフィニッシュド・センテンス」というワークの話をした。


「“私は〜が大事だと思う”みたいな、

 途中までの文だけ用意して、

 続きを自分で埋めていく方法です。


 “自分でもよくわかってない”価値観を、

 ちょっとずつ言葉にしていく練習になる」


黒板に書かれた例。


『友だちとの関係で、私が大事にしたいのは____だ』


(さっきの本と、

 同じようなこと書いてあったやつだ)


(こういうシンクロがあると、

 さすがに「これは何かのヒントかも?」って思いたくなる)


里奈は、

ノートに小さく書き写した。


『※あとで日記でやってみる』


胸のあたりが、

少しだけそわそわする。


(“価値観をはっきりさせるといいよ”って言われると、

 「はい今すぐ出して」ってテストされてる気持ちになるけど)


(今日は、“テストじゃなくて実験”ってことにしよ)


---


**昼**


昼休み。


教室の隅っこのテーブルで、

いつものメンバーと弁当を広げる。


今日の里奈の弁当には、

珍しくチョコレートが一粒ついていた。


お母さんが、

「なんか最近甘いの欲しそうだったから」と

入れてくれたらしい。


(見抜かれてる)


ふくらはぎの重さと、

下腹部のじんわり感を思い出して、

内心でうなずく。


「あ〜、なんか最近ずっとしんどくない?」


向かいの子が、

箸を止めて言った。


「進路プリントとか模試の話とか、

 “ちゃんと考えなきゃ”って言われるたびに

 体力ゲージ減ってく感じする」


(わかる)


里奈の支援者モードのスイッチが、

カチッと入りかける。


(こういうとき、

 つい「こういうワークがあるらしいよ」とか

 いろいろ提案したくなるんだよな)


(で、相手の反応が薄かったりすると

 “一ミリも役に立ててない”って

 勝手に落ち込むパターン)


今日は、

手の甲の『芯』を親指で押した。


(“全部なんとかしなきゃ係”から、

 “場づくり係”にちょっとだけズラす実験)


「なんかさ」


里奈は、

チョコを包んでいた銀紙を指先で折りながら口を開く。


「さっきの保健のやつで、

 “アンフィニッシュド・センテンス”って聞いた?」


「あー、

 “私が大事にしたいのは〜”みたいなやつ?」


「そう。


 今日さ、

 “価値観はっきりしてると不安に強い”って本にも書いてあって。


 でも、いきなり全部はっきりさせるのしんどいから、

 “とりあえず一文だけ埋めてみる”のでもいいらしい」


(今、さらっと“とりあえず”って言ったけど、

 これは前回封印したやつとは別枠の“とりあえず”だからギリセーフ)


向かいの子が、

半分笑いながら首をかしげる。


「でもさ〜、

 “私の価値観はこれです!”って

 宣言するの、ちょっとこわくない?」


「うん。


 だから“宣言”じゃなくて、

 “メモ”ぐらいでいいんじゃないかなって。


 “今日の時点ではこう思ってる”くらいの」


言いながら、

自分にも言い聞かせているのがわかる。


(私だって、

 “支援者タイプです!”って名乗れるほど

 自信ないしな)


「へえ〜。

 じゃあさ、

 私の分も一文つくっといてよ」


唐突な無茶振り。


里奈の胸の奥で、

インポスター警報が一瞬鳴る。


(いやいや、

 私が人の価値観まで作ったらダメでしょ)


「うーん、

 “友だちとの関係で、○○が大事”みたいなのは?」


「“ちゃんと話聞いてくれること”!」


即答。


「じゃあ、

 “友だちとの関係で、私が大事にしたいのは

  お互いちゃんと話を聞き合えることだ”で」


「それ、ノートに書いとこ」


向かいの子は、

スマホのメモを開いて

ポチポチと打ち込んでいる。


(あ、

 “変えなきゃ”じゃなくて、

 “自分で言葉にするきっかけ”を渡すのが

 私の仕事なのかもしれない)


(本気でそう思えてるかというと、

 ちょっと怪しいけど)


胸の奥の「私、ちゃんと役に立ててる?」感は、

いつもよりは少し静かだった。


---


**午後**


放課後。


図書室の一番奥の席に、

里奈のノートとペンと、

『二人の季節』の台本が並んでいる。


今日は、

主人公が進路指導室で

先生と話すシーンの続きを書く予定だった。


ページの上のほうには、

前回書いた台詞が残っている。


> 「“とりあえず安定”って書くの、

>  もうやめたいんです」


その下に、

真っ白な余白。


(ここに、“価値観”っぽい何かを

 混ぜたい気がしてる)


(けど、

 自分の価値観がぼんやりしてるときに

 登場人物にだけかっこいいこと言わせるのって、

 ちょっと嘘ついてる感じする)


手の甲の『芯』を、

また親指で押す。


(“何が大事か”を、

 キャラに喋らせつつ、

 自分でも探すやつ)


鉛筆を握って、

ゆっくり書き始める。


> 「“安定してるかどうか”じゃなくて、

>  “納得して働けるかどうか”で選びたいんです」

>

> 「納得、ね」

>

> 「はい。

>  私にとっての“ちゃんと”って、

>  きっと“周りに説明できるかどうか”じゃなくて、

>  “自分で自分に説明つくかどうか”だと思うから」


書きながら、

胸の奥が少しざわつく。


(これ、

 半分くらいは私のホンネだ)


(“親を説得できるかどうか”とか

 “世間的にどうか”よりも、

 “自分で自分に言い訳しないで済むかどうか”のほうが

 最近気になってる)


ページの端っこに、

小さく進捗メモを書き足す。


『・進路指導室シーン:

  “安定”じゃなく“納得/ちゃんと”をキーワードに追加』


しばらく書き続けていると、

ふくらはぎの重さがじわじわ主張してきた。


(あ、

 さすがに集中力落ちてきた)


時計を見ると、

いつもの「観察タイム」から

少しオーバーしている。


(○/△/□と

 “作業時間”の関係も

 そろそろちゃんと見たほうがいいかもな)


ノートを閉じて、

図書室を出る。


廊下を歩く足取りは、

行きよりほんの少しだけ重たくなっていた。


---


**夜**


夕食を食べて、

お風呂から上がって、

髪をタオルで巻いたまま机に向かう。


机の上には、

朝読んだ本と、

いつもの日記ノート。


ページをめくると、

昨日までの「今日できたこと/できなかったこと」と、

○/△/□の印が並んでいる。


(今日は保健でも本でも

 “価値観”って単語を見せられたし、

 たぶん「一回は向き合えサイン」なんだろう)


本を開く。


『──人は、自分の価値観を

 言葉で理解しているほど、

 他人の期待に流されにくく、

 長期的には精神的にも経済的にも安定しやすい』


(うん。

 “経済的にも”って言われると、

 ちょっと目が覚める自分がいるの、

 正直でいやだけど、まあ事実)


ペンを手に取って、

日記の新しいページの一番上に書く。


『今日のテーマ:価値観とアンフィニッシュド・センテンスお試し』


(がっつり自己分析じゃなくて、

 “お試し”ってつけると

 ちょっとハードル下がる)


ノートに線を引きながら、

頭の中の声が騒がしくなる。


(ちゃんとした答え書かなきゃ、とか)

(こんなの価値観って言えない、って誰かに笑われそう、とか)

(自己啓発ごっこしてるだけじゃない? とか)


その全部に対して、

小さく返す。


(これはテストじゃなくて、

 “今の仮メモ”だから大丈夫)


そう決めて、

ゆっくりと最初の未完成の文を

ノートに書き始めた。


──続きは、日記パートで。


ペン先が紙を走る音を聞きながら、

里奈は、

「全部を一気に決めなくても、

 “今の自分の方向っぽいもの”くらいなら

 ちょっとは見えてきてるのかもしれない」と

 ぼんやり思う。


(完璧なコンパスじゃなくていいから、

 せめて“どっちが北側っぽいか”くらいの感覚は

 育てていきたい)


ふくらはぎの重さと、

下腹部のじんわり感と、

今日一日のざわざわを抱えたまま、


「まあ、

 ゼロよりはマシな一ページにはなりそうだし」


と、自分に小さく言って、

ノートを少しだけ机の明るいところに引き寄せた。



## 後書き


**日記**


**20xx年4月6日(月曜日) 高校1年生 田中里奈**


今日は、

「価値観を見つけるのって、

 やっぱりめちゃくちゃめんどいし難しいよね」って

 正面から認めつつ、


それでも、

「未完成の“〜したい”をちょっとだけ拾い集めてみた日」

だった。


---


### 今日できたこと


1. 保健の授業と、図書室で借りた本の両方で出てきた

「価値観」という単語をスルーせず、

ノートの端に

「価値観=自分にとっての“ちゃんと”の意味」

と書き出してみることができた。

これは、今までやってきた

「モヤモヤ→一言ラベリング」の実験を、

感情だけじゃなく“抽象的な言葉”にも応用できた一歩だと思う。


2. 昼休みに、

「最近ずっとしんどい」と話していた友達に対して、

いきなり解決策を大量に投げるのではなく、

「アンフィニッシュド・センテンス」の話を出して、

友達自身の言葉を引き出すように話せた。

「友だちとの関係で、私が大事にしたいのは

お互いちゃんと話を聞き合えることだ」という文を

友達が自分で完成させてくれたのを見て、

「私は“変える人”じゃなくて“場をつくる人”でもいいのかも」と

ちょっとだけ思えた。


3. 夜、日記の中で

アンフィニッシュド・センテンスを

実際に2分野分やってみることができた。

「完璧な答えじゃないとダメ」とか

「こんなの価値観って呼べない」という声が

頭の中でかなりうるさかったけど、

「テストじゃなくてお試し」と自分に言い聞かせて、

とりあえず紙を白紙のままで終わらせなかったのは

かなり大きな一歩だと思う。


---


### 今日できなかったこと


1. 友達の「しんどい」話を聞いているとき、

頭の中では

「睡眠のこと」「スマホのこと」「先生への相談」など

いろんなアドバイスが浮かんでしまって、

それを全部飲み込むことはできなかった。

結局、途中で一つ二つは口に出してしまって、

「また“なんとかしなきゃ係”に戻ってるな」と感じた。


2. 『二人の季節』の台本で、

主人公に「私の価値観は〜です」と

はっきり言わせるところまでは書けなかった。

「納得して働きたい」とか

「自分で自分に説明がつくかどうか」という台詞は書けたけど、

具体的な「何を大事にしているか」の部分になると、

自分の中の答えの薄さが気になって

ペンが止まってしまった。


3. 体調が△寄りの日だったので、

「今日は七割コースで動く」と朝に決めたのに、

放課後の図書室で予定以上に

作業時間を伸ばしてしまった。

ふくらはぎの重さや

下腹部のだるさのサインを感じてはいたのに、

「ここでもう少し書けばキリがいい」と

無視してしまった。


---


### 障害ハードルとその分析


1. 友達へのアドバイスを

完全には飲み込めなかったのは、

私の中にある

「人を助けたい=具体的な解決策を提示すること」という

思い込みがまだ強いからだと思う。

小さいころから、

「里奈がいてくれて助かった」とか

「里奈に相談するとスッキリする」と言われるたびに、

“役立つ私”が褒められてきた。

その経験が、

「何か言わないと価値がない」という

オペラント条件づけみたいな形で

こびりついている気がする。


2. 台本で主人公に

かっこいい価値観を語らせるのをためらったのは、

インポスター症候群っぽい部分が

強く出たからだと思う。

自分がまだぼんやりしているのに、

登場人物だけ筋の通ったことを言うと、

「お前がそれを言う資格あるの?」と

自分で自分にツッコミを入れてしまう。

「ちゃんとできている人しか

価値観を語ってはいけない」みたいな

極端なルールが頭のどこかにある。


3. 体調のサインを無視して

作業時間を伸ばしてしまったのは、

「せっかく集中できている時間を途切れさせるのが怖い」という

欲張りと、

「△の日でも○の日と同じだけ動けないとダメ」という

完璧主義のクセが合体しているからだと思う。

○/△/□の印をつけるようになってから

体の波は見えるようになってきたけれど、

それを「行動の量を調整する条件」として

本気で反映するところまでは

まだ習慣になっていない。


---


### 明日以降の具体的な対策(小さな実験)


今日は、

アンフィニッシュド・センテンスを

実際にやってみたので、

その内容も含めて、

明日からの“小さな実験”を決める。


#### 1. アンフィニッシュド・センテンスお試し(価値観ワーク)


今回は、

8分野の中から

「人間関係」と「成長と学習」の2つだけ選んで、

それぞれアンフィニッシュド・センテンスをやってみた。


**〈人間関係〉**


ノートに書いた文:


* 「友だちとの関係で、私が大事にしたいのは____だ。」

* 「人を助けるとき、私が本当は守りたいのは____だ。」


実際に埋めた答え:


* 「友だちとの関係で、私が大事にしたいのは

 “お互いちゃんと話を聞き合えること”だ。」


* 「人を助けるとき、私が本当は守りたいのは

 “その人が自分で選べる感覚”だ。」


書いてみて気づいたのは、

私はたぶん、


「私が全部なんとかする」のではなくて、

「相手が自分で選べるようになるまで

 そばで見守る」のを大事にしたいんだ、ということ。


つまり、

介入者というより

“触媒”寄りになりたいのかもしれない。


**〈成長と学習〉**


ノートに書いた文:


* 「勉強や挑戦について、今のところ私は____と思っている。」

* 「将来の自分について、私はこっそり____を怖がっている。」


実際に埋めた答え:


* 「勉強や挑戦について、今のところ私は

 “全部得意になる必要はなくて、

 自分の“好き”と“向いてそう”が重なるところを

 少しずつ太くしていければいい”と思っている。」


* 「将来の自分について、私はこっそり

 “誰かの役に立ちたいと思い続けて、

 結局誰の役にも立てなかった自分”になるのを怖がっている。」


最後の一文は、

書いたあと10秒くらいノートを閉じたくなった。


(うわ、

 めんどくさいこと書いたな私)


って思ったし、

「こんなの大げさだよね?」という声も出てきた。


でも、

そこまで書いてみて初めて、


「だから私は“役に立たない私”に

 異常に厳しいんだ」


という自覚が、

ちょっとだけはっきりした気がする。


**→ ここからの実験**


* 「人を助けるとき、私が本当は守りたいのは

 “その人が自分で選べる感覚”だ」という文を、

 手帳の端に小さく書いておく。


* 友達の相談を受けるとき、

「今私がやっているのは“選択肢を増やすこと”か

 “答えを押しつけること”か」

を一瞬だけチェックする実験を、

次の一週間やってみる。


* 勉強や挑戦については、

「全部できるようになる」ではなく、

「“好き×向いてそう”ゾーンをちょっとだけ太くする」と

言い換えることで、

“全部やらなきゃ”のプレッシャーを

少しでも下げられるか試す。


#### 2. 体調と作業量のリンク実験(○/△/□の進化版)


* 今日みたいな△の日は、

最初から「作業時間は○の日の八割まで」と

上限を決めておく。


* 日記の下のほうに、

その日のコンディションと合わせて

「勉強/創作の合計時間」を

大ざっぱでいいのでメモする。


* 来週の月曜日に、

コンディションと作業時間の関係を

ざっくり振り返って、

「△の日でも無理して○の日ペースでやってつぶれた日」が

何回あったか数える。


これは、

○/△/□の印と観察タイムを

「集めるだけ」から

「行動量の調整」につなげるための

小さなステップとしてやってみる。


---


### 繰り返しの意識


今日あらためて感じたのは、


* 「価値観をはっきりさせろ」と言われると、

 テストされている気持ちになって固まる


* でも、「未完成の文を

 とりあえず2〜3個だけ埋めてみる」と考えると、

 ギリギリ手が伸びる


ということだった。


一年前の私なら、

そもそもこういう本は

「意識高い人が読むやつ」と決めつけて

手に取らなかったと思う。


今日の私は、


* 本の一文をノートに写して、

自分なりの言葉(“自分にとってのちゃんと”)に

言い換えてみたり


* アンフィニッシュド・センテンスを

人間関係と成長の分野だけでも

やってみたり


* 「人を助けるとき、

守りたいのは相手の“選べる感覚”かもしれない」と

ぼんやり気づいたり


していて、

たぶん少しだけ

“自分の中の方向”を

具体的な言葉に近づける練習ができたんだと思う。


もちろん、


* まだ「支援者タイプです」と

胸を張って名乗れるほど

自分に自信があるわけでもないし


* 成果が出たときほど

「これは運」「たまたま」「あの人のおかげ」と

思ってしまうクセも

全然治っていないし


* 友達の悩みを聞くと

すぐ「ちゃんと助けなきゃ」と

肩に力が入るのも変わっていない。


それでも、

ノートに


「人を助けるとき、私が本当は守りたいのは

 “その人が自分で選べる感覚”だ」


と書いたことで、

少なくとも


「私は何を大事にしたいと思っているのか」


を、

“ゼロ”ではなく

“ぼんやりした輪郭”くらいには

見えるようになった気がする。


価値観を今日一日で

完璧に決めることはできないし、

たぶんこれからも

年齢や経験で普通に変わっていく。


それでも、


・アンフィニッシュド・センテンスの一文

・手の甲の『芯』

・『二人の季節』の台詞たち


こういう未完成のメモを

ちょっとずつ増やしていくことで、


「私はダメだ」で終わる日より、

「今日はとりあえずここまで覗けたなら合格でしょ」と

思える日を増やしていきたい。


今日のアンフィニッシュド・センテンスは、

たぶんまだ“ちゃんとした価値観”と呼ぶには

スカスカだ。


それでも、

何も書かれていない白紙よりは、

ずっとマシだと思う。


だから今日は、


「完璧な価値観は見つからなかったけど、

 未完成ノートの1ページ目は

 ちゃんと埋めた」


ということにして、

自分に○寄りの△を出してあげようと思う。


ゼロ点じゃないだけでも、

今の私には十分。


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