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340話 悪魔の襲撃

「シャバの空氣は美味しいね」などと、俺は緩んで見せる。


 すると、サタナから「わざと捕まり自力で自由を勝ち取ってよく言う。

 マスターの実力を疑いはしないが、油断は駄目だ」そんなお叱り……。アドバイスをされた…………。


 まぁ、〈戦闘能力感知〉できない状況だから、わざと捕まったんだ。奴隷商共にアーファルの元へ案内させたのである。


 この事を知っているのでサタナの声色は、あくまで柔らかいものであった。


 でも「僕があいつに知らせたやったから」の意味がよくわからない。

 誰かが来るのを待っているんだろうか?


「来たか」


 サタナが国の端へとその目を向ける。

 ゲートがある方向だ。




「姉者~~。悔しいよーチクショウ。私の仇を取ってくれえーーっ!!!」


 ほうセーナですか。オイオイオイ。体中生傷だらけで走ってるわアイツ。


 レベル70万の彼女に勝つ存在が地上に居るのかい?


 大したものですね。



 俺は彼女を保護し、何が起きているのか事情を聞く事にする。

 あと〈回復〉を掛けてあげる。


 セーナが言うには剣士の里が何者かに襲撃されたらしかった。


【ななつのくに】にまだ手を出す間抜けがいるなんて驚きだぜ。


 俺の仲間に手を出したのだ。


 ただでは済まさない!!




「「「「けやーーーっ」」」」


 掛け声を発し4つの影が跳躍する。

 見慣れぬ異形が現れる。


 すぐ様【影の国】へ引きずり込んでやった。

 トウ・ダーラに被害を出されて、たまるかってんだい。


 ゲンサ達に払う報奨金。特別ボーナスだって俺の財布から出すんだ。

 ただじゃないんだぞ!!


 上ではセ-ナとサタナの会話が聞こえる。


「アベル一人で大丈夫かなぁ?」

「マスターは使用を控えるが、魔剣を下げているんだ。

 必要性を感じたなら僕を呼ぶだろう。

 聖剣だけで片づけられるがね」


 サタナの言う通りだ。

 正確に言うなら剣すら要らない。


 オリ〇が、シコルスキ〇に話す会話のままである。


「戦力分析は終わったかね? 君が今、感じている通りだ。私は君のはるか上にいる!」


 このセリフが俺と、奴らに正しくあてはまるからである。


 ある程度戦い、分析が終わったので終わらせる事にする。



・距離を置いて『トン・ベイ・クァン』→対象を俺の目の前に〈転移〉させ技を叩きつける。


・俺の〈超光魔法〉で三人を同時に攻撃。

 瞬時に巻き起こるため敵は反応すらできず頃焦げになる。


・四人中三人が戦闘不能状態になる。

 一人「がっ……うぅ」と意識を残していたので拳を添えて『ウルトラショック・ウェイブ』をお見舞いした。〈※:念動力で空中に磔して放ちました〉

 要するに念を入れて止めを刺したのである。


「瀕死の相手に体の一点から波のような力が広がり、体がバラバラになる衝撃を与える。『ウルトラショック・ウェイブ』を使ってるぜ。えげつねぇー」

「戦闘継続可能な相手だからだよ。認識がそもそも間違ってるよ。

 アベルはプロフェッショナルだと評してもらいたいね」




【影の国】から通常空間に帰還。


 俺は的外れな事を宣うセーナに向けてすぐに反論する。


「悪かったよ。私はどーせ負けでイライラしてやっかみを言う子供ですよーだ」


 そんな風に自虐するセーナだけど実はこいつらに実力で負けてない。


 敵はどうやら〈結界術〉に長けているらしく、相手を弱体化させる事が得意なのだ。


 俺は未来でグラヴィタスに弱体化させられてる。

 経験していたため。

 こいつらが印を結んだと同時に各個撃破を行ったという訳だ。


 意識が戻ったら早速尋問しないといけないぜ。


 何が目的か? 背後に誰か控えているか?  

 聴きたい事が山程ある。



─────────────────────



………見れば見るほど、なんか違う感が否めないね…………。




 意識を取り戻した四人はレンタロウと同じ忍者だった。ただし、種族はリザードマンである。


 俺からすればリザードマンはどいつも同じに見える。

 まぁ、向こうからすると【人間種】は皆、同じ顔であるのかもしれんがね。


 では何が残念なのかと言うと。

 こいつらは区別がつく様に青、黄、赤、紫のハチマキを付けているんだが。


 ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャと同じである。

 惜しい。

 トカゲでなく、お約束通り亀であって欲しかった。


「アテら【ななつのくに】さんに敵対する意思なんかないカゲ」

「そうそう。

【ななつのくに】さんのおかげで、暮らしやすくなってますし。

 今回だって助けてもらいたくて来たんだカゲ」


「どういう意味だい? 詳しく話してよ」




…。

……。

………。良くわかった。


 彼らリザードマンは剣士の里近くに集落を持つ隠れた氏族らしい。


 剣士の里、その後ろにある【ななつのくに】のおかげで治安がよくなり。旅人の往来が多いおかげもあって、

 セーナが治める地域は豊かだった。隠れて恩恵を受けてたようなのだ。


〈人化〉して必要な生活品など、買い出ししてたんだろう。


 ところがある日〈魔法陣〉から現れた魔物。




 要するに悪魔であるが、リザードマンは悪魔とわからないみたいだね。


 こいつらに隠れ里が襲われ、村の若者が助けを呼びに行った。


 まず、剣士の里へだ。

 しかし、助けを要請するはずの剣士の里をリザードマンが襲っており混乱してしまった。

 何故だ!? 普通はそう思うよね。


 その内、悪魔に〈洗脳〉され【ななつのくに】を攻撃するに至ったと。

 要するに、こういう事だね。


 今回のケースではリザードマンは被害者になる。俺が責任を取らせるべき相手はリザードマンの里を攻撃した悪魔になるね。


 セーナの剣士の里の分も当然込みで。


 とにかく、相手が本当に困っているなら、アベルに否やはない。


「後の事は俺に任せておきなよ。

 リザードマンの……えっと。ダヴィンチ、ブオナローティ、サンティ、ニッコロ……だったね。

 セーナ、あんたの仇は俺が必ずとってやるぜ!!」


 セーナ含む五人は嬉しそうに返事した。

今話から冥界編になります。

冥界王アルカディアは、イフマイータが蘇ったと聞いて動き出しました。


冥界王が生まれた経緯と現在に至るまで。この流れは冥界編の中でサタナ〈※:イフマイータ〉が説明する予定です。


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