第1話②:世の中様は剣と魔法の異世界で冒険者になりに来た!
土曜の24時に投稿するはずでしたが、寝落ちしてしまいました。その地点で1日目遅れですが、さらに寝落ちして2日目。2日も遅れたことお詫び申し上げます。
これは、確定で面接会場だ。
異世界に来てまで、面接を受けることにはなると思わなかった。
しかし、この空気はどう見ても、就職試験のそれである。
「時間になりましたので、面接を始めたいと思います」
めっちゃ、圧を感じるしゃべり方だ。
「まぁ、固くならずに気楽に受けてもらって、全然大丈夫だからな!」
意外とお優しかった。
「分かりました!気楽にいかせてもらいます!」
そう言って、足を組んで頬杖をつかせてもらった。
「気楽にとは言ったが、さすがに限度があると思うぞ。お嬢ちゃん」
「まず、俺から自己紹介をする。俺はガルド・ブラスターン。このギルドをまとめる者だ。よろしく!まず、名前から聞かせてもらっても?」
おっと、ここのギルドマスター様だったとは。まずい。さっきの態度、やらかした気がする。
まず、名前を聞いているからさっさと答えるとしますか。
「私はアレイアです」
「私はリゼリアと言います」
「アレイア、リゼリア……っと。」
紙に書き込みながら、ガルドは顔を上げる。
「それじゃあ、最初の質問だ。なぜ、あなたたちは冒険者になろうと思ったのかを、アレイアからお願いします」
これを、正直に話せば――
「別の世界の日本と言う国で、アニメを見て面白くてやってみて~と思ったから入りました」
「分かった。君は冒険者登録する前に、病院で患者登録した方がいいと思うぞ」
どう考えても、こうなるだろ。
「えっと……世界を知りたいからです」
少しだけ間を置いて、言葉を選ぶ。
「まだ解明されていないことが世界にはまだあるのでそれを調べてみたいです!それと冒険の経験を積むことも楽しみたいと思いまして!」
「なるほど、好奇心と向上心ですね。では、次のリゼリアはなぜ冒険者に?」
「古代魔道具の研究です。」
即答である。
「未知の機構、未知の効果。それらを解明するために、各地を巡る必要があります。そのための手段として、冒険者を選びました」
リゼリアさんや。あなたがここの世界から見れば、伝説さえ軽々超えている機械ではありませんか……
「なるほど、古代魔道具の研究ですね。それでは次の質問は――」
とこの後、2回質問を答える。
「よし、問題ないな!君たちは合格だ!」
「え、早くないですか?」
思わず声が出る。
「いや、これだけで十分だ。それじゃあ、次は訓練場で集合だからそこで会おう!これを渡しておく」
そう言って、番号の書かれた紙を私たちに渡して、出ていく。
面接試験、あっけなさすぎね?
広い。これは広すぎる。
青空の下に広がるその空間は、訓練場とは言えなかった。小さな平原レベルだ。これ。
こんなに広さは必要なのか?
「実技試験の受験者諸君!待たせた!」
この声は聞き覚えがある。そう思い、後ろを振り返れば、案の定であった。
「この実技試験を監督を務める、ガルド・ブラスターンだ。普段はこのギルドをまとめている」
やっぱり、ギルドマスターだ。この人、全部の試験を担当していない?
「さすがに俺だけじゃ、この人数を終わらすのはきつい。だから、受付から2人。補助に入ってもらう」
そう言うと、向こうにいるお二方が軽く頭を下げた。
「各自、それぞれの持っている番号と同じ番号の的に、順番で自身の得意な技を見せてくれ!説明は以上だ!質問は?」
短く無駄がない説明をありがとう。
ただ、カンペを見てないければ完璧だった。
「それじゃぁ、開始だ!」
「燃え盛る炎よ、形を成し、我が手に集い、目の前の敵を焼き尽くせ――《フレイム・バースト》!」
詠唱し終わると、杖から火球が放たる。
轟音と共に的に直撃し、表面を焼き焦がす。
「おぉ……」
周囲の反応は中々。中級魔法、それなりの実力であった。
さて、私の出番が来たな!ここで注目の的になる。
さっきの魔法使いには悪いが、この場の主役を交代してもらおう!
「マスター」
背後から声がする。リゼリアだ。
「活躍したいのは分かりますが、調子に乗って、やり過ぎないようにしてくださいよ」
「はいはい、分かってるよ」
軽い返事をして、私は位置に着く。同時に、周囲の視線がわずかに、私に集まる。
「では、好きなタイミングでどうぞ」
まず、上級以上は当然、即論外。世界どころかじゃない。まぁ、初級であれば問題ないでしょ!
……多分。
自身の体内に流れる”インフィニティ・カレント”を魔力に変換――
面倒!少しであれば、原型でもそんな火力出ないでしょ!
さぁ、見るがいい!無詠唱で高火力な魔法を!
「《ファ……」
ドォォグゥゥゥゴォォォォォォォォ!!!!!
鼓膜を破るような轟音と共に、この惑星は虹色の光に包まれたのであった。
「」~*
世界番号:なし 神域 楽園
「緊急!緊急!惑星イリスティアの全域消失を確認!ただちに調査班A・B、ワープゲート準備班、準備せよ!」
ここ、惑星イリスティア監視を担当する司令部に、張り詰めた声が響き渡る。
先程までの穏やかだった空気が、一瞬で崩れた。
羽を広げたまま走り出す者。
机を倒し、飲み物をぶちまける者。
訓練が全く意味をなしていない。
「しかし、何か違和感を感じてはいたが……」
「こんな唐突に、世界が火の海になるとは……」
2人は惑星イリスティアを見る。
虹色に激しく輝いていた。
「これでは……まるで、星をつ――」
その時。
「ゼルフィアス司令官、調査班A・B準備が完了!」
「こちらワープゲート準備班、ワープゲート起動可能です!」
通信で報告が重なる。
彼はハッとして、大画面を見る。
「……よし、出撃せよ」
落ち着いた声である。
「対象は不明。だが、自然的要因などではないのは分かる。原因を特定し、排除せよ!」
*~「」
世界番号:FA-1024 惑星イリスティア ノイエ・ヴァレッタ王国
「マスター。なんですかこの状況は?」
ボロボロで服が黒くなった私に、リゼリアは話す。
しかし、暑さのせいで、陽炎が視界を揺らめきすぎてリゼリアがまともに見えない。
しかし、リゼリアもボロボロなのは分かる。一緒に怒りも。
リゼリアはメイド服の元の色のおかげで、私ほど服の黒い染みは目立っていない。
「マスター。他のことを考える前に、あなたが何をしたか考えましょうか。」
バレてらぁ……
「私が聞いているのは、やり過ぎないでくださいと言いましたよね?」
「はい……」
「なんですか、今の状況は」
初級魔法を打ちました。
その一発が、この惑星の生命体を一瞬にして吹き飛ばしました。
そして、火の海になりました。
と言いたくないな……
この場を出来れば明るくしたい。えっと……
「前代未聞!なんと、惑星が一瞬にして、太陽に変わってしまいました〜……なんちゃって……」
「マスタァ~……何、ふざけているんですかァ~……」
アカン。声色がさらに下がってしもうた……
しかも、脳内でジャジャァ~ン!と効果音が流れたのと、同時だった。めっちゃ嫌なタイミングだ。
完全に、選択を誤ってしまった……
「マスター。力の加減って分かりますか?大体、働くなくなってから、随分と脳筋になりましたよね。なんですか。働くなったと同時に野生にでも還りましたか?」」
もう、体感2時間の説教を喰らっている。実際、過ぎている時間は3分。
1秒間にめっちゃ言われると、体感時間がえげつねぇ……まだ、終わらないの?
などと思っていると、感じた。
何を?他世界の干渉を。これは――転移系のものだ。
リゼリアも気づいている。
「あぁ、もう来ましたか。さすが、世界の監視をしているエリートたちですね」
世界の異変。と言うよりは、世界の壊滅をすぐに察知して、来たのだろう。
少し離れたところに、空間が裂ける。そこから、武装した何かがぞろぞろと来る。
人間体。背中の純白の羽。
この情報だけで、誰もがわかる。”天使”だ。
「おい!ボロボロだが、明らかに無傷の2人組がいるぞ!」
「どう見ても、元凶だ!気をつけて掛かれ!」
私達を囲むように、陣形を取り始める。
「はぁ〜……仕方ありませんね。説教はここまでですね」
ありがたや、ありがたや。
現在、君たちは私にとって、救世主だ。君たちのお陰で、リゼリアの説教タイムが強制終了した。
ありがとう!天使たち諸君!
「マスター。さっさと、この世界を焼け野原にする前のところまで、直してください」
簡単に言うな……まぁ、本当に簡単に出来るからいいけど。
片手を出す。すると、片手に大きな本――《記録書庫レコード・ライブラリ》が出てくる。
私は最後のページを開いて、付属の消しゴムを手に持つ。
『アレイアは初級魔法を的に放った。着弾時に惑星イリスティアが――』
と、私のことが書かれているわけだ。
読者の方々よ!後は説明が面倒なので、察して頂きたい!
「!?なんだ!何をしようとしている!何かする前に、さっさと捕えろ!」
そりゃぁ、おかしな行動をしているから、襲い掛かるよね……
だが、もちろん私に届くことはない。
「げっふ!」
「ごはっ!」
「デゥえっ!」
「私の存在を忘れていません?私は背景じゃないんですよ」
リゼリアが守るからだ。
正直、リゼリアは結構容赦ないと思う。
加減はしていても骨を折ったり、内臓を破壊したりする。
リゼリアの攻撃を受けた天使たちを見ると、可哀想で仕方なかった。
「背後、とったりぃ!」
そう言って、リゼリアの背後から男性の天使が襲い掛かるが……
「甘い」
そいつ、一番可哀そうだった。男性の股にある弱点にクリーンヒット……
白目剥いちゃって、気絶しているよ。なんまいだぶ、なんまいだぶ。
「最悪ですね。汚れてしまいました。さっさと手を洗いたいですね」
お前、汚れてしまいました。じゃないよ。相手のこと、1ミリ位考えておけ。
そんなこんなしていると、ようやく文字を消し終わる。
「結果反映!」
私がそう言うと、鐘の音と共に視界が白くぼやけ始めた。
「」~「・」
「燃え盛る炎よ、形を成し、我が手に集い、目の前の敵を焼き尽くせ――《フレイム・バースト》!」
「おぉ……」
よし!ちゃんと支障なく、なかったことにできたな!
今回は救世主だったけど、またやらかしたら、今度は天使どころではなくなってしまう……
気をつけねば……
「マスタァ〜……今度こそ、加減間違えないでくださいよ」
重々承知でございます……
「では、好きなタイミングでどうぞ」
今度は、加減することに集中する。
ミスってしまったら、また体感時間がえげつない超早口説教を受けることになる。それは回避したい。
「……」
後ろのリゼリアの圧が強すぎて、ミスりそう……
しかし、ミスるわけにはいかないので、魔法に集中する。
さっきは面倒くさがって、インフィニティ・カレントを魔力に変換せず、原型で使った。
それのせいで、火力が跳ね上がって、世界が太陽に変わってしまった。
面倒だが、魔力に変換しなければならないか……
更に面倒なことに、外に出る魔力をできるだけ抑制しなければならない。
少量でもどうやら、変換される魔力量は他人からすると、化け物級らしい。
抑制しないで変換してしまったら――
「ば、化け物……」
「こんな力持っていたら、人類は簡単に滅んでしまう……」
「こいつは危険人物だ!捕まえろ!」
なんて、騒がれてしまったら、まずい。
抑制した魔力を、体内のインフィニティ・カレントで消滅させる!
あとは、魔法を撃つだけ!
今度こそ、見るがいい!無詠唱で高火力な魔法を!
「《ファイア》」
その瞬間。
手の平から火の玉が空気を焼きながら、一直線に走る。
スピードは中々。試験官なら見えるくらいだと思う。
的に着弾した瞬間、大きな火柱が立つ。
遅れて、熱風が巻き起こる。
火柱が収まっても、周りは燃え続ける。
本来、的があった所には少量の灰が。
フッ……決まった……
「……。」
……あれ?なんで黙るの?
なんかやり過ぎた?
「「「……す――」」」
はい。す……?
「「「すげぇ〜!」」」
そう言って、みんなが私に集まる。
「鉄の鎧の的を跡形もなく、消し炭にしただと!?」
「訓練場の空気も魔法のせいで熱くなるほどって……どうやったら出せるんだ!」
これこれ!私が求めていたのは!
めっちゃいい気分だわ〜!
「あれ、上級魔法?初級魔法にも聞こえたけど、空耳だよね?」
フッフッフッ……空耳じゃないぜ。
上級魔法に間違えられるほどか〜
チヤホヤされるのめっちゃええ!
異世界の冒険者試験はやはり、こうではなくては!
しかし、そう思っていたのも束の間。
突如として、私の異世界満喫ライフを壊すものが近くにいたとは……
バキャガキャッ。
なんだこの音?周りが暗くなった。寒気もするぞ。
突然、雪になるのか?いや、晴れている。
そもそも、この時期に雪になったら、異常気象だ。
周囲が後ろを見て、固まっている。
恐る恐る振り向くと……
氷山があった。いや、急に氷山ができるか!
と言っても、さっきまでなかったものがある。
魔力反応がある。魔法だ、これ!
「すみません、技を披露してもいいですか?」
いや!リゼリア君!君、何進めようとしとんねん!
まず、この状況をおかしく思え!
「えっ!?いや、はい……ど、どうぞ……」
さすがに、試験官も困惑しとるぞ!
ツッコんでいると、キャーと聞こえてきた。
悲鳴に聞こえない。歓声だとすぐ分かった。
歓声の方を見ると、人が集まっている。特に女性。
その人混みの中心に、男がいる。
杖を持った銀髪の男。
ローブ姿の魔法使いだ。
高身長で、無駄にイケメン。
通りで女性に人気があるわけだ……
さっきまで、私で沸騰していた場はすぐに冷めた。
代わりに、彼の周りが沸騰し始めた。
私の周りにいた人達まで、彼の方へ流れていく。
「マジかよ!あの大貴族グレイシア家の長男だと!?」
「氷山レベルの魔法とは聞いていたが……ここまでとは……すげぇ!」
この反応を見るに、有名なお貴族様らしい。
「ど、どうやったらここまで、出来るようになるんだ……」
「ヴ、ヴァルディス様!で、弟子にしてくだせぇ!」
「さすが、ヴァルディス様ぁ!」
「ヴァルディス様ぁ!かっこいい〜!」
うわ……イラッとするなァ〜……
特にその爽やかな笑顔、いらつくわァ〜……
すると、ヴァルディスは私に視線を移す。
なんだ、こっち見んなや。
すると、彼は薄い笑みを浮かべる。
「いや〜あれくらいなら、僕にも簡単ですよ〜」
お、なんや?喧嘩売っているのか?
「マスター、残念ですね。彼に奪われて」
帰ってきたリゼリアが言う。
……。おい。
「リゼリアさんよ、後ろ向かずに、私に顔見せてみろや。」
分かっとるんやぞ。なにわろっとるねん。
「よし!終わったな!全員、集合しろ!」
この声は、ガルドか。
周りは切り替えて、ガルドの方へ行く。
私も行くか……。
なんか、ヴァルディスがこっちに来るんだが。
「先ほどの火魔法、見事でしたよ」
ヴァルディスは余裕の笑みを浮かべた。
「まぁ、僕からすれば少々派手すぎますが」
――ブチッ!
私は無言で、手を前に出す。
「はい、ストップ」
リゼリアに後ろから拘束された。
「離せ!私にはあいつを消し炭にする義務がある!」
「彼どころか、世界までも持ちません」
ジタバタする私に周囲の視線が集まった。
暴走が止んだ時、恥ずかしさが込み上げてきた。
まだ、最後の試験がある……
今の空気で受けたくなかった……
お読みいただきありがとうございます!
この作品第1話の②まで行きましたが――まだ、第1話が完成してません……いつ完成するんだ!と我ながら思ってしまう所あります。しかし、安心を!次の第1話③で第1話は完成します!ですが、今回の文字数が6044文字と長いです。次も長くなりそうで……って感じです。次回もお楽しみに!




