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第1話①:世の中様は剣と魔法の異世界で冒険者になりに来た!

投稿を第1話から朝から夜に移動しました!

プロローグ見てない人はプロローグを先に見ることを強くお勧めします!

世界番号:FA-1024 惑星イリスティア 新緑の森


「はぁ……ひどい目に遭った……」

まさか、700年で町が崖に変わっているとは……

変化ってめんどくせぇ〜。

しかも、お気に入りの金髪まで、少し汚れてしまったじゃないか。

すると、上からゴォォォォォッ!という轟音が聞こえる。

「マスター。引きこもりすぎて、反応が鈍くなりましたか?」

リゼリアである。扉を持ちながら、降りてきた。

背中からは、青白い炎が噴き出している。

リゼリアの機能【ジェット】だ。


「って、アチィ!」

私は熱と風圧に襲われ、地面に転がる。

続けて容赦なく、砂がビシビシと当たる。

めっちゃ痛い。

本日2度目。私は地面に埋まった。

「マスター。私の着地の時は、離れないとだめじゃないですか。昔以来なので、忘れましたか?」

「はひにひへ!(※約:先に言え!)」

砂が入って、うまくしゃべれなかった。

口に入った砂が鼻から、口から、耳からこぼれる。

「なんて言ってますか?」


「《ストレージ・ゲート》」

私は収納魔法を発動すると、私の目の前の空間が裂ける。

扉を収納するのだ。

さすがに、これからも崖からスタートしたくない。

人目につかない安全な場所に設置せねば。

やれやれ、仕事が増えてしまった。

「私めっちゃ物入れているな……」

ポーションから道具、兵器までゴチャッと入っている。特に、ビン類が多く見える。

そこを漂っているポーションよ、いつの物だね?

そんな状態でも構わず、無理矢理扉を突っ込む。

ガラガラと音が鳴る。

その音に紛れて、ガラスの割れる音がしたような……まぁ、気のせいだろう!



色々とあって、ようやくここを歩き出す。

ここはいかにも、異世界系アニメで見る森だ。

魔物がいるだろう。

まぁ、どんな魔物でもじゃんじゃん来なさい!すべて、この私が倒して信ぜようではないか!

そう思った瞬間、草むらがガサッと揺れた。

魔物の気配。気配からして低級のだろう。


低級でも異世界に来て初めての魔物!さぁ、かかってこい!

「……。」

「……。」

……あれ?なぜ、出てこない?

私は不思議に思い、草むらに近づく。同時に、ガサッ、ドサドサッと音がする。

何が起きているかもわからずに、私はその魔物の正体を見る。

ゴブリンであった。群れで行動するはずのゴブリンが1体。

多分、はぐれたんだと思う。

だけど、君ィ!なぜ、気絶しているんだね!?しかも、魔物なのにお漏らしまでしていて、正直倒すのが可哀そうになって来たんだが!


「マスターの気配に恐怖して、気絶したのでしょう。計り知れない物体が近づいてきたものですから、当然の反応です」

「私、気配隠ぺいしてなかったっけ!?」

スキルを使わなくても、普通の生活の中で気配は下げていたはずだ。

一般人程度には隠せていたはずでは?

「マスターが動かなくなってから、技術が低下してきたのでしょう」

なるほど。確かに、合点がいく。

……って、そこまでェ!?こんな、世界の終わりを悟った顔して気絶されるほどなん!?

まさか、このゴブリン……。はぐれたわけじゃなくて、逃げ遅れただろ。

とりあえず、今は技術が戻るまで、スキルで少しカバーすることにした。



ゴブリンの気絶から45分位経った。

それなのにまだ森を出れていない。どんだけ広いんだ、この森……。

そんなことを考えていると、かすかに人の声が聞こえる。

気になった私たちは、声がする方向へ向かう。


私たちは木に隠れて、その声の場所を見る。

「はい、この土運んでくれ」

「日程まで余裕あるから、安全第一でな~」

「このレンガ、どこに置けばいいですか~」

すっげぇ、工事現場感出ているな~。

私がよく行く世界、惑星地球(アース)の日本国。略して、日本でもよく見る光景だ。


数人程度の男たちが地面を掘っている。服装は完全に大工だ。森の奥だし、冒険者かと思っていたけど……。

「……こんな、森の奥で穴掘って何してんだ?」

「いかにも、怪しい感じありますね。結界が張られています。しかも、防音機能付き」

結界に防音機能があるといわれると、確かに怪しい。正直、見慣れた光景のせいで怪しさがないけど。


それより――、結界内のテントの近くの木。そこにいる男よ、大丈夫か?マジで。

そっちが気になって仕方ない。

さっきから、木に向かって、ずっとしゃべっているんだけど。その男の目に光が宿っていない。

君、徹夜か危ないもの、どっちをキメているか分からないが、とりま、どっちもやめておいたほうがいいと私は思う。

「リゼリア、ここは無視しよう」

なんか、あの男の人見ると、関わり合いたくないのであった。



工事現場を見てから30分程度経った。

ようやく森の出口が見えてくる。本当にどんだけ広いんだ、この森。

まぁ、とりあえず、この森とは一旦おさらばだ!

森を抜けた瞬間、視界が一気に開けた。

真っ先に目に飛び込んできたのは、雄大にそびえたつ城だった。白い石で造られ、城壁よりも高く、空へ突き刺さるように建っている。

すげぇ……マジで、アニメでよく見る異世界のファンタジー感満載の城だ……。

あれが――始まりの王国、ノイエ・ヴァレッタ王国!

ここから、私の異世界生活が始まるのか……

「さぁ、私の異世界生活!思いっきり、楽しむわよ!」

私は走りだし――ずっこける。決まってほしいところで、決まらないなぁ……



世界番号:FA-1024 惑星イリスティア ノイエ・ヴァレッタ王国城下町


「マスター。ここが私が厳選した剣と魔法のファンタジー要素のある世界の王国。ノイエ・ヴァレッタ王国です」

おぉ~……アニメでよく見る異世界だ……

ここ、中央街道から見た景色は一言で言えば、石の街だ。家も道も城も、全てが石でできている。

ただ、よく見れば木材が組み合わされた家が多い。

中央街道は奥まで屋台が並んで、人と馬車が行き交っていた。

その広々とした中央街道を進むと、獣人族、エルフ族、ドワーフ族と異世界アニメで見慣れた種族とすれ違う。

完全に、異世界アニメの中に入り込んだ気分だ。


そんな景色を見ながら、目的の冒険者ギルドに向かう。

……。周囲から視線を感じる。めっちゃ、見られとる。

周りがひそひそとし始めた。

「えっ……あの金髪かわいい女の子、どこかのお嬢様?」

「いや、それにしてはずいぶんと、服装がみすぼらしいっていうか……」

「それじゃぁ、後ろのメイドはなんだ?」

あぁ、なるほど……金髪、美少女、メイド付き。この要素は貴族そのものだ。

だが、みすぼらしい服装。これがどうにも、一般市民感を強くさせているらしい。

新しい服を買わなければ。


「いや、どう見てもあいつは一般市民だ」

マジか。服の印象って、そんな強いのか?

「見てみろ。胸の辺りが絶壁ではないか。お嬢様だったら、こんな絶壁に育たない!」

……おい、そこのお前。私のどこを見ているんじゃ。

見分け方はそこじゃないだろ。お前の中のお嬢様像どうなってやがる。

それに、私はまだ成長期だ。言葉を慎め。



中央街道を進んだ先、左手にそれはあった。

他の建物より一回り大きい、石造りの建物が。壁には剣と盾の紋章が刻まれている。

その下に掲げられた看板には何か書かれている。

『冒険者ギルド』

ついに来ました。私が異世界アニメの主人公になるときが!

そう期待して、私は扉を開く。


あら?思っていたより、随分と綺麗だ。

荒くれ者たちが溢れ、喧嘩が日常茶飯事――そっちの感じの場所を覚悟していたのに。

外装だけでなく、内装も、人も整っている。

アニメで見る2つの印象の内、いい印象の方の冒険者ギルド。普通に当たりだ、ここ。


そのまま、受付に向かっていると、リゼリアが口を開く。

「マスター。ここの世界では冒険者になるために、試験を受けなければなりません」

異世界アニメでよくある冒険者試験!?いいぞ!異世界アニメ感を感じる!

「まぁ、そのためにまず、受付に登録申請を行います」

とリゼリアの話を聞いているが、周りの反応がめっちゃ気になる。

私に視線が集まり、ざわついている。多分また、私が貴族のご令嬢の人か、そこら辺の一般市民かの討論が始まっているのだろう。

服装でそこまでみすぼらしく見えるんだ……


「いらっしゃいませ。ご用け――んを伺い……ます……」

おい、受付嬢。私をじろじろ見るな。普通に接してくれや。

「冒険者登録お願いします」

「えっ、冗談ですよね?本気で言ってます?」

いや、受付嬢よ。本音出ているぞ、こらァ。「本気で言ってます?」じゃないよ。

リゼリア。後ろで笑うな。振り返らなくても分かるぞ。あとで覚えておけ。

「じょ、冗談じゃありませんよ。冒険者登録しに来てます」

「あっ、そうなんですか……かしこまりました。冒険者試験の申請ですね」

冒険者試験。いったい何が来るかは分からないけど、どんな難題でもどんと来い!

「マスター。変な期待をしているようですが、初級試験ですので難しくはありませんよ」

小さな声でリゼリアは言う。うるさい。笑うな。


「ちょうど明日に冒険者試験が実施されますので、そちらを受けて頂く形になります」

「明日……?」

あ、今日じゃないんだ。試験に日程決まっていたわ。

まぁ、試験っていうし、そりゃぁ、日程がなきゃおかしいわな。

「それでは明日、8時半に冒険者ギルド3階にお越しください」


受付嬢から差し出された整理券を私は受け取る。

「それではマスター。私たちが泊まる宿を探しましたら、夕食をどこかの店で食べましょう」

私は正直、もっと異世界で遊んで回りたかったけど……

「まぁ、今日はもういいか」

ふと外を見る。夕焼け空が夜空に染まり始め、星が見え始めて来た。

森を抜けるのに思ったより、時間をかけすぎたらしい。

「あの森……どんだけ広いんだよ」



「イヤッフゥ~!」

部屋に入り、私はすぐにベットへ飛び乗る。

私の家より布団がフカフカでは無ければ、通常の人でも少し枕に硬さを感じるようなベッドである。

しかし、そんなところが異世界の宿を感じさせる。



「一泊、銀貨7枚です」

「マスター。やめましょう。高いです」

リゼリアさんよ。この宿の店員の前でさらっと言わんでください。

普通、裏で言うやろ。裏で。


「銀貨7枚……つまり、銅貨700枚……確かに、高いな……」

銅貨100枚で銀貨1枚。さらに、その100倍で金貨1枚である。

そして、駆け出し冒険者の日給は、良くて銅貨280枚前後。悪いときは銅貨80枚程度だ。

それを考えると、銀貨7枚はさすがに豪遊と言っても、過言ではない。


「まぁ、質の高さ重視で作られた中央街道の通りにある宿ですから、高くて当たり前ですが」

いや、当たり前なんかい!

さっきから結構回っているけど、やたら高い宿ばかりだった理由はそれか!


「それなら、中央街道から離れた所で探せば――」

「ダメです!」

即答であった。そこまで、質にこだわって探さなくてもいいのに……

「中央街道にある宿であれば、衛生環境や騒音などの問題が少ないです。マスターを問題だらけの宿に置くわけにはいきません」

おぉ、私のことを考えて探してくれ――

「メイドとしての判断です。もし、私がマスターのメイドでなければ、そこら辺の豚小屋にぶち込んで済ませましたが」

おい、悪い方向に成長したな。こんな奴にメイドの仕事預けてええのかな……

不安しかねぇ……



そんなこんなで中央街道を歩き回っていると、ようやく一泊銅貨120枚の格安な宿を見つけれた。

「しかし……部屋が一部屋だけ開いているとは、ラッキーだったな~本当に危なかった~」

「そりゃぁ、泊まれる部屋がなければ、物語の進捗的にちょっとまずいので」

「ん?今、何か言った?」

「何も言っておりません」


宿を確保した後、私たちは中央街道で行列のできている大衆向けの店に入った。

オークの串焼きとか、普通にうまかった。豚肉より脂が乗っていて、シンプルな塩味がよく合う。

食べていると、私が昔に何度も見たオークを思い出してしまった。途中、何度か食う気が失せた。


「さて!明日に向けて、早寝早起き!歯を磨いて着替えたら、もう寝るか!」

そうして、洗面所に向おうとした――その時である。

「マスター。まだ、やることは残っていますよ」

リゼリアのその言葉で、私は足を止める。

「え?」

やること?整理券はもらった。宿の確保もとった。夕食も済ませた。

他にやることなんてあるのか?

「それをやらないと――色々と問題になってしまうので」



試験当日。

私が想像していたのは、試験官に見守られながら初級の依頼をこなすなどのいわゆる、実技試験だったのだが……

想像とどうやら、誤差があるらしい。

綺麗に整えられた一室。机と椅子が向かい合うように配置され、私たちはその片側に座らされている。

そして、正面には異様な圧を放っているごつい男が。

無駄に大きいからだ。鍛え上げられた腕。体中につけられている無数の傷。

そして、鋭い視線。その睨めつけるような視線が、この場の空気をさらに重くする。


「……。」

「……。」

「……。」

沈黙がきつい。この場の空気は耐えられそうにない。

そう、これは……完全に面接会場であった。

冒頭に書いた通り、投稿を朝から夜に移動させました!これからは、土曜の夜に投稿することを考えています!

今回の話書いてて思ったのですが、異世界系統のはずなのになんか……戦闘シーンがないなと我ながら思っています。戦闘シーンを出そう!と考えていますが……次で出すか、さらにその次で出すのかが自分で分からない……

まぁ、そんな感じで書いていますが、自身の好きに書いているこの作品を楽しく見て頂けると幸いです。

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