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頼まれる頼まれる

ザザンザを倒してから見回りを3日続けてもプチプチ以外には魔物が現れなかった。


それはそれで良い事なので問題なく、見回りの時間を減らして柵の改善に取り掛かっていた。


特に厳重げんじゅうなものにするわけではない。スカスカの、柵と呼べる代物しろものではない物を柵と呼べる物にするだけだ。


石やレンガを使うわけでもない。元々使っていた丸太のくいを刺しただけの柵だから、間を同じ丸太のくいで埋めていくだけだ。さいわい、近くに森があるのでくいは作り放題だ。


その程度の物なので時間は1日もかからず完了することができた。ついでに木材をいくらか調達できたので俺にとっても大変プラスだ。


すると、何を勘違いしたのか村人たちは俺に色々な手伝いを頼み始めた。


「床が割れて腰が痛くて寝苦しい」「村の中の地面に少しの穴が空いていて老人がつまずく」「イスがほしい」「家が雨漏あまもりする」いや知らんよ、と。


「夜が怖くて眠れないの。どうしたらいい?」と村の子供に言われた時には、どうにもなるか! と言いたかった。俺は神様かなにかか!


俺が何かを村人に頼まれたのを見つけたコロンが走り回って村人に説明する光景を何度も目にした。


そして俺も無視すればいいのに、できる頼みを聞いてしまったのが一番悪いのだ。


腰が曲がった虫人むしびとと呼ばれていた老人が「寝苦しい」と言えば家に行って床を直して、「地面に穴が」と言われればスコップを使って村の外から土を持ってきて直す。


「イスがほしい」と言われれば、簡単だからまあいいかと思って作ってしまい「雨漏あまもり」と言われれば屋根に登って新しい木で応急処置をする。


子供の「怖くて寝れない」相談にも売れなかった木の置物おきものを渡して「こいつはお守りだ」とか適当な事を言って渡してしまった。



「こいつを持っていてくれ」


「……わかった」


「本当にすみませんアカ様。あだしが言っても聞いてもらえず」


「いや、好きで手伝っているんだから気にするな」



そして今、何故か畑の仕事を手伝って、コロンは隣で謝っている。


……本当に、なんでこうなったのだろうか。今更断るわけにもいかないだろう。


依頼期間は残り1日。終わるまではしっかりやるか。

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