2回目の出店、作成作業
昨日の商品を並べていく。
スキルのおかげでキレイに仕上がった木工商品。
一木造で彫られた置物たちは継ぎが無く、木目がキレイに見える。我ながら素晴らしい逸品だ。
ニスは塗ってないので光沢はないが、研磨してあるのでスベスベではある。
昨日寝る前に塗っておけばよかった。
今日もちょこちょこ作っていくか。
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しばらく黙々と作った。
客は一人も訪れない。
次は何か目を引く物を置くべきだな。
目玉商品か割安商品か。
最初の案内でゲドルに聞いた通り、どこへ行くにもひとまず噴水広場にたどり着く。裏路地なんか使えば迷路にはなるが噴水広場に出なくても行けるが、基本はここに来る。
人は多いのだから商売のチャンスは多いはずだ。だが、チラ見はされるものの足を止めるものもいない。
これなら子ども達が周りで騒いでいたほうがまだ良い。
このままでは売れもしない木の製品が増えていくばかりだ。
もっと違う角度から攻めるか。
置物のような金持ちの道楽にしか認識してもらえてなさそうなものはやめよう。
置物を店の端へ追いやる。
路線変更だ。食器類を全面に出す。
狙うは家で日頃使うものだ!
木で作る日頃使うものは沢山ある。
テーブル、食器、椅子、棚、脚立、ハシゴ、看板……。
リストを頭の中で揃えていく。
ふと、木ブロックで犬とネズミの子どもが思い浮かんだ。
木のおもちゃもありだな。
ジェンガとかの遊びは面白いだろうが、遊び方を知らないと難しい。説明も面倒だ。
となると積み木などのすごく簡単な物に限定されていく。
四角と三角と……。ん? 積み木ってまじまじと見たことがない事に気づいた。前の世界で子どもがいなかったことが悔やまれる。
想像で作っていくしかない。丸い積み木はなかったかな。無いか、積めないし。五角柱、六角柱適当に色々作る。なんの細工もいらないのでサクサクと作っていく。
と、次の木材を掴もうとしたら、無くなってしまった。
木材が切れた。
木を一本丸々もう使ったのか。
こうなると、やることがなくなってしまった。
積み木には色が付いていたようなイメージだ。色でも塗ろう。
アーティファクト 絵の具 を取り出す。
緑、赤、黒、白、青……。
色とりどりにカラーリングして乾かすために等間隔で並べて置く。
こうして並べると色も付いていてキレイに見える。
絵の具なのですぐに乾く。ささっと集めて次の積み木を塗る。それを繰り返すが、すぐにやることがなくなった。
木も無ければ塗るものもない。
後はただぼーっと座ってるしかないか。
子どもたちがこちらをチラチラ気にしているが、木の玉を買ってくれた子がその都度引き戻している。
ああ、それで今日は子どもが誰も集まって来てないのか。
ありがたい話だ。結局子どもたちの壁が無くなっても客は誰も来てないわけだが。
緑のクチバシの連中はまだ来ない。鍛冶場を用意できなかったか。
次の課題は目を引く商品だ。何を用意しようかな。
そんなことを考えながら、時間は過ぎていった。