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なんでも屋、依頼をどうぞ

「あ、くしがあるわ! すごくキレイ」


「あら? “依頼をどうぞ”って、なんでもいいの? ならお願いしたいことがあるのだけれど」


「ん? ああ、なんでも言ってくれて構わないが、受けるとは限らないからな」



さっそく看板の効果がでたようだ。


どんな依頼になるのか。回復薬の納品か? そうなら金になるな。



「ゴザー、まさか……」


「そうよ。こんな鎧装備してるんだもの。持ってる可能性はあるわ。鎧さん、盾を持ってないかしら。ただの盾じゃなくてね、タワーシールドっていうデカい盾なんだけど」


「さすがにないだろう。ゴザーのあれも鍛冶かじ屋に無理言って作ってもらったやつだろう?」



タワーシールドか。物によっては体をすっぽりおおうほどに大きいシールドだ。


大体が縦に長く、地面に刺して使うために地面に接地する部分がとがっているタイプもある。


持っているアーティファクトを渡すわけにもいかないから、この依頼を受けるなら作る必要があるな。


鍛冶かじスキルはある。一番の問題は鍛冶場かじばだ。素材は鉄か何かをどこかで手に入れればいい。



「受けても構わないが、鍛冶場かじばをそちらで用意したら作ってやる」


「え? あなた手先も器用そうだしドワーフだったかしら。だとしたらずいぶん大きいわね」


「ドワーフではない。純人族だ」


「珍しいな。ドワーフ以外で鍛冶ができるのは」



珍しいのか。でもいないわけではない、ということだな。



「どうするんだ? 鍛冶場は用意できるか?」


「まさか作ってもらえるとは思ってなかったわ。わかった、こちらで鍛冶場の用意ができるか確認するわ」


「鍛冶場が用意できるようなら受けてやる。明日もここで店を出しているから依頼するなら明日来てくれ。……今日はもう店じまいだ!」



いつか言ってみたかったセリフの一つ「今日はもう店じまいだ」を達成した。


別に閉店時間でもないが、唐突とうとつに店主が用事がありそうな感じで言うセリフだ。


そろそろ腹が減ってきたから丁度いいな。


サクサクと片付けをすまして、アイテムバッグへと収納していく。あー忙しい忙しい。


さて、今日は何を食おうか……まだ居たのかコイツら。


何やら話し合っているようだ。このまま俺は無視して飯を食いに行こうか。


俺の手の中には金貨が2枚と鉄貨1枚。今日の売上だ。


……店で食おうかとも思ったが、節約しよう。


今日も自分で作るために俺は門の外を目指して歩き始めた。

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