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次の目標!

所持金に金貨が1枚増えた。


初めての金貨だ。もう一度手のひらに取り出して眺める。


これは銀貨5枚分の価値を持つ素晴らしいものだ。


小銀貨では25枚、銅貨にいたっては125枚分。銅貨4枚の今の宿なら31日も泊まることが可能になる魔法のような硬貨だ。


この金貨で何をしようか。貯金するべきか。商業ギルドにせっかく入ったし露店を探すか。


そこそこでいいから金を稼ぐ手段を探さなくては。


そんなことを思いながら歩いていると、噴水広場まで来ていた。


噴水広場には最初に来たときと同じで、小さな子どもが走り回っていたり、車輪の付いた移動式露店、屋台型の店がいくつかいる。


お店にお客さんは全然いない。


せっかくだから覗いてみようか。



「はいどうも〜、お兄さん? でいいのかな?」


「あ、ああ。ちょっと見せてもらうぞ」



元気過ぎる声に、プレッシャーを感じてしまった。


店主は、全身をトカゲかヘビの鱗に覆われた若そうな男だ。鱗系の人は年寄りなのか若いのか凄く分かりづらい。


店に並ぶものは、びた鉄くず、こぶしぐらいの木の破片、そのあたりに落ちてる石、穴だらけのクツだったもの、カブルことができないほど破れた帽子。


…………いやいや、誰が買うんだ、これは。


骨董市こっとういち的なものならわかるが、これはゴミとしか言いようがない。


だが、こちらの世界では価値がある何かなのかもしれん。


俺は石を手に取った。



「この、これは……いくらだ」


「そいつは小銅貨で3枚だ」



意味がわからん。


じっくり見てみる。……石だ。どこを切り取っても泥が固まった泥岩でいがんか砂岩にしか見えない。


マナー違反かもしれないが、アナライズを小さく唱える。



○石

レア度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

名称 砂岩さがん

期限 −

重量 15g

備考 なんの変哲へんてつもない普通の石。長年かけて石英せきえい等の砂がお互いに癒着ゆちゃくしたことによって生成された岩石。石としての強度は高くない。熱に強く1000度程度では変化することはない。砂のため表面はザラザラとしていて少しの水を吸収する性質をもつ。



何の変哲へんてつもない。ただの石だった。


これを小銅貨3枚で売ろうとするのはなかなか根性がある。



「そうか。ちなみにこっちのこれは?」



俺は鉄くずを指さした。



「それは銅貨1枚だな」



はー。それはすごい。


それは客がいないのも理解できる。


商業ギルドの支払いはどうしてるんだろうか。確か銀貨1枚で許可証とか言われたはずだが。


屋台の上に許可証らしきものはちゃんとぶら下がっている。


ただ本物を見たことがないのであれが本物かなんとも言えないが。


石を元に戻して店を離れる。後ろで店主が安くするとかなんとか言っているが、無視した。鉄貨一枚でもいらん。


他の露店を回る。


四角い木製ブロック、手のひらサイズの木の板、緑色の宝石のような石の原石、何に使うかわからない歯車、まくら、多分魔物の皮やら牙やら爪。


さっきの店よりか品揃しなぞろえは豊富ほうふにあるようだ。


俺は原石を指さした。



「これはいくらになる」



身軽な格好をした身長の低い純人族に見える女に声をかける。



「金貨3枚」



高いな。さっきから高い。


可能性は3つある。


本当に高い、値切る前提ぜんていの価格設定、俺が太ってるから貴族と間違われてふっかけられてる。


……多分最後なのではないだろうか。


そもそも買うつもりもなかったが、だんだん見る気も無くなってきた。


本当にあの値段設定なら食べる物の露店に比べて客がいないのもうなずける。


まあ、客がいないから元を取ろうとして価格を上げざるを得ないだけかもしれないが。


だが、だからこそ俺が店を出したら勝てる。


周りの店が人気ないのだからライバルにはなりえないのだ。


よしよし。いい収穫を得た。


店を出すことを目標として頑張ろう!

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