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門の前では

明らかに様子のおかしな集団が街に続く門へ向かい歩いている。


特に怪我けがをしているようには見えないが、そのうち二人は赤く染っているので何かの血液が付いたことは想像することができる。


そして赤く染まっていない連中は全員地面を見て歩いていた。



「アカ! うまいな! こんな料理見たことねぇぜ!」



全身鎧の男が焼く肉の臭いが辺りに広がり、様子のおかしな集団にも声とともに臭いも届いた。



「お、おえええ……」



肉の臭いとなにかが連想されたのか、大きな男が地面に膝を付いて吐き始めた。


赤く染まった2人は大男に微塵みじんも気にした様子を見せずに門へと歩みを進める。



「こ、これはグレム様ポロネ様」



門兵もんへいは目の前まで歩いてきた赤い2人が誰であるか直ぐにわかったようだが、顔は血の臭いとその尋常じんじょうでない様相ようそうからかなり引きつってしまっている。



「俺たちがなぜ外にいるかお前は聞いているか」


「は、はい」


「なら、だいたいわかるな。あれはどうにもならん。もし動いたら街がほろぶ」


「あ……え?」



それだけ言うと通行許可のやり取りを行って門の中へ入っていった。



「確かこの街は……トップはキングだったかポロネ」


「ええ、私の情報が新しければ3人いるはずね」


「ちっ! 1人でも面倒なのに3人かよ。ギルドマスターにも話を通して……はぁ、なんだってんだ。これが厄日やくびか?」


「グレムが冒険者をやってる限り――」


「仕方ねぇってんだろ? わかってるよ!」



やることを口に出して整理した事で2人とも幾分いくぶんか表情が柔らかくなっていく。


き散らす血の臭いで人垣ひとがきが割れていく道を進み、2人の姿は街の中心へと消えていった。

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