グレストル帰還
自前のアーティファクトの野営テントを使用して一夜を明かした俺は、明るくなってから街への道をマップを見ながら戻っていく。
カカカの実も適度に手に入れ、依頼は問題ないだろう。
鎧をガシャガシャ鳴らしながら走り、門兵へ通行証を見せてさっさと中へ入る。
ギルドに近づくにつれ、人が多くなっていく。
「なんだ、この人だかりは……」
まだギルドの入口も見えないというのに、すでに人が密集し過ぎて前に進めない。
と、そこで近くに背伸びをして前を見ようとしているゲドル3人組を発見した。
ざわざわしているので声が届くように、悪いと思いつつ人を押しながら真後ろまで近づく。
鎧の太った男に押されるので途中、かなりにらまれた。
「ゲドル」
「うわぁ! ビックリした!」
前に注意がいっているところに後ろから突然声をかけてしまったので驚かせてしまったようだ。
「なんだこの人だかりは」
「それが4級の冒険者だかなんだかが街に来てさ、強い魔物が出たとか何とか言ったらしくて迷惑してるんだよ。俺たちも依頼受けなきゃいけないのにさぁ。朝から並んでんだぜ、ここに」
だいぶイライラしているのだろう。一気にそこまでしゃべるとため息をついた。
俺も金が欲しいから早く達成報告を行いたいんだが、少なくとも今は無理だな。
しかし、やっぱ強い魔物とか出るんだな。倒せば良いものは落とすんだろうか。あー、気になる。
出直す、とだけゲドルに伝えて人の山から離れた。
後ろが騒がしくなったから見ると、イライラを爆発させた者どうしで乱闘が始まったようだ。俺は知らん。
さて、こうなるとやることがなくなる。
突然、腹がすごい音を立てて鳴った。
そういえば昨日、飯を食ってない。腹が減った。飯でも食おう。




