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グレムとポロネ

★グレム、ポロネ★Side

あたりにプチプチの死骸しがいが複数転がる森の奥。


二人の冒険者が黒く光沢こうたくを放つ大きめの魔物と対峙たいじしていた。



「ポロネ、お前見たことあるか? こいつ」



トカゲを思わせる鱗に顔の一部を覆われた男が、ひたいの汗をぬぐいもせずに後ろへひかえる杖を持った女に声をかけた。


上下の少しだけゆるめに着こなした白の服をひるがえし、光らせた杖を男へ向ける。



「知らない。見たことどころか聞いたこともない。目や口も見たところ無さそう。2本の手と4本の足が確認できるけど……」


「どうする? 攻撃的ではないみたいだが……一度撤退するか?」


「そうね。どんな攻撃をしてくるかわからない。刺激しないように撤退。その後冒険者ギルドへ報告して応援を連れてくるべき。知ってる人がいるかもしれないし」


「お前より物知りがこんな場所に居るとは思えないが……まあ、近くの街のギルドに報告するか」



黒い魔物から少しずつ距離を取り始める。


二人とも少しの魔物の動きも見逃さないように、まばたきすらほとんどしていない。



「チッ……戦闘型じゃねぇんだよ。俺たちは。不気味なプレッシャーだな、神経削るぜこりゃ」


「グレムが冒険者やってる限り仕方ないこと」



男のボヤキに女が反応するが、やはり視線は黒い魔物から離さない。



「ここなら大丈夫。【逃走の煙】を使うよ」



女が手に持った球状の何かを叩きつけると、あたりは白い煙に包まれた。


ただの煙幕えんまくではあるが、肉眼にくがん嗅覚きゅうかくでしか獲物えもの捕捉ほそくしない敵からのがれる場合にはかなりの有効性をほこる。


広がる煙は次第に薄くなり、男と女の姿はそこにはなくなっていた。

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