いつも通りの登校
みじかめ
夏樹とミハルの二人と同時に付き合う事になってから初めての登校。
ミハルは朝の混み合う電車が苦手で早い時間に登校しているからいつも通り夏樹と二人で登校する事になった。
左手をニギニギされながら横に並んで歩く。
ニギニギ、モミモミ、ニギニギ。
僕の左手なんかで楽しそうにしてくれてなにより。
家から駅までなら大丈夫!近所にクラスメイトいないし、って押し切られたけど、クラスメイトの事をそこまで把握してるものか?
夏樹の大丈夫はたまにだけど大丈夫じゃない時があるから困る。
「ミーちゃんいなくて残念?」
「ん……まあ、ちょっと」
会いたい、一緒にいたい、声を聞きたい、会話したい、手を繋いで歩きたい、またキスしたい。
聞かれて意識するとそんな想いが込み上げてくる。
ほんのりと、浮気をしているような罪悪感。
いや、浮気じゃないけどね、むしろ3人で恋人になろうと言い出したのは夏樹だし、むしろ最後まで抵抗したのは僕だし。
「学校でも難しいよね」
「そう……だな……」
「下校は今まで通り3人でしようね」
「大丈夫なの?」
「大丈夫なようにするの」
「僕がキューピッド役だから、ってやつ?」
「うん、キューピッドもだけど、私が幼馴染も大切にしたいからとかクラスのみんなには話しておくから大丈夫」
「ありがとうな」
「えっ?……うん、今日はね、私とミハルが付き合う事になったってクラスのみんなに打ち明けようと思うの」
「絶対騒ぎになるよな、良い意味でだけと」
「雰囲気作って3人でいられるようにするよ、春斗も私達と付き合ってるのは秘密なままね」
「夏樹、そういうとこ凄いよな」
自分には出来ない事を出来る夏樹には尊敬の念を抱く。
「えへへ、もっとほめてほめて、あっ!頭なでて!」
カッコ良かったのにいきなり残念カワイイになった。
「いや無理だから、人通り増えてきたしさ」
「しょぼーん」
ささっと頭なでた。
(・ω・)良かったらブックマーク、評価くだちぃ。