コズマ=ボンノーの伝説 2章
「どうしたって無理よ。自然相手なんだから昨日今日頑張って直ぐリカバーなんて無理!
待ってて頂戴。急いで下手打って捕まったらアンタ達だって危なくなるんだからね!」
製品を作る工場にはガサ入れ。原料を作っている畑の近辺を嗅ぎ回る正体不明の輩も増えている。
そんな中で『農家』は最大のお得意様とあって大打撃を喰らいながらも商品をかき集めてここに来ている。
「こういう事態に際しての対応方法は何度も協議した筈だよ、契約した時に!
いざという時は最優先で商品を回す事になっている。他の誰より何処より!」
『行商人』は『農家』の契約に大枚をはたいている。将来性を見出して最新の『作物』への援助もして、それを市井にひっそりと流して広め作り上げた財産でコネクションを作り、取引を広げていった。
「もうこれ以上商品は無いの!存在しない物は売れないでしょ⁉」
「売れって言ってるんだよ!他に回してる奴もな!」
「そんなことしたら消されちゃうでしょ⁉」
「同じなんだよ!こっちもな!」
言葉が増える毎に言葉に理性が無くなっていく。
徐々に徐々に怒号が強くなり、倉庫の空気を、転がった木箱を、割れたガラス瓶を、何かの石像を、埃をかぶった机を、天井から吊られている灯りを、揺らしていく。
ここは街外れの倉庫。ここまで感情を露わに、荒々しく、社会正義を踏み躙る商談を交わしても誰も気付きはしない。だから……
「ここまで言っても分からないヒトは……」
「分からせてやる。力づくで!」
『農家』が、指をパチンと鳴らす。すると、それに応えるように倉庫の固い石造りの床が割れ、隆起して、三つの人影を作り出す。
『行商人』が右手を静かに上げる。すると、それを合図に彼の背景…石像や木箱、割れたガラス瓶に倉庫の壁といった風景がぐにゃりと混ざるように歪み、三つの人影が現れた。
互いに一人を装っているものの、当然そんな訳がない。両者共に裏社会で二つ名を轟かせている組織の頭目。『一端の』と言うには過ぎた悪党だ。
当然、その思考は外道邪道のごった煮の中で磨かれ研がれている。
都合の悪いもの、邪魔なもの、気に入らないもの、排除すべきものは力づくで消し去る。何時だってその準備は万端だ。
そう、どこまで行っても悪党は悪党なのだ。
「やっちゃってー。ただ、誰だか分かる様に少しだけでいいから無事な部分は残しておいて。」
「殺して構わない。殺れ!」
頭目二人の号砲と共に3人の手下と3人の手下が刃を交わし、魔法を交わし、誰にも知られることがなく終わる殺戮が始まる。そう、本来ならば。
遂にこの瞬間が来ました。
本作を投稿して約三年。遂に、遂にブックマークが1000人を超えました!(2022/05/05現在)
多過ぎて杉になりそうです。嬉しいです。ここまで応援して下さる方が居る事、誇らしいです。
有難う御座います。これからも続けていきますので、また今度、2000や3000人を突破した時まで、また応援をお願い致します。




