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タイム!!  作者: 音無奏
38/48

彼女は何でも知っている。

「うーん…倉田、どこに行ったんやろか。」



 集の教室を見渡した後、佐野はつぶやいた。



「佐野くん?…あっ、やっぱりそうだ。」



 突然後ろから声がした。

 振り返ると、葵がこちらを見上げている。



「えっと…葵、ちゃん?」


「うん。佐野くんどうしたの?」


「倉田探してんねやけど、知らへん?」



 佐野がすぐさま答える。 葵はうーんと考えるしぐさを見せた。


「えー、倉田くんかぁ。…確か、二年の教室で見かけたって聞いたかな。」


「ほんまに!?ありがとう!」



 そう言って、佐野は駆け出す。

 が、すぐに戻ってきた。

 そして、真剣な顔で問いかけてきた。



「二年の教室て、どこにあるん!?」



 葵は、教室の場所を教えた。

 そして、走り去る佐野の背中に微笑みを向ける。






「あっ、葵ちゃん!」


「なんだよ、葵か。」


「…将人くん、侑希?」


 佐野を見送ってすぐ、葵のもとに将人と侑希がやって来た。



「葵、ナオどこにいるか知らねぇ?」


「え、佐野くん!?」



 驚く葵を、もどかしそうに侑希が見つめる。



「佐野くんなら…たった今二年の教室に行ったよ。」


「ぅえっ!?」


「なっ、何でっ!?」



 当然のことながら驚く侑希たち。



「わ、私が教えたの。…倉田くんの場所聞かれたから…。」


「…なっ、なんて事してくれたんだよ!!」



 怒鳴る侑希に、葵はただ戸惑った。



「えっ、何でって…」


「今、ナオが行ったらマズいんだよ!!」



 そう言い捨てて、侑希は走り出す。



「おっ、おい侑希!!」



 将人の声も侑希には届かない。



「……どうしよう。…私、とんでもないことしたんじゃ。」



 今にも泣き出しそうな顔で葵がつぶやいた。


 将人は何も言えずにいた。

 あんな、あんな顔の侑希を見たのは久しぶりだったのだ。



「…だっ…大丈夫だって!葵ちゃんは知らなかったんだから。」



 将人が言っても葵の表情は変わらない。



「…じゃあ、俺あいつら探すから…。」



 いたたまれなくなった将人は、侑希の後を追いかける。


 その後ろ姿を、葵はしばらくぼんやりと見つめた。

 そして、一度息を吐いてから将人とは逆方向に走り出した。

葵ちゃんの情報源は、一体どこなんでしょうか…? そして侑希!ダメでしょ、女の子泣かしちゃ!!  侑希          「泣かしてないし!それに、葵なら別にいーだろ。」何なんだその、葵ちゃんは特別☆発言は!?    侑希          「違っ!!それはっ…幼なじみだから…。」    またそれですか…。葵ちゃん、かわいそうに。こんな横暴な幼なじみがいるなんて…。         侑希          「横暴じゃないだろ!それより、集は…」     ということで、次回はやっと集が登場します。

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