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異世界チキンな人造人間(サイボーグ)  作者: 筈佳 椎名
第一章 始まりの歯車
1/10

第一機 そして歯車は回り出す

頭の中でいきなり、

「こんなの書きたい!」

ってなって書いた奴です。あまり期待はせずに……

ヨロシクです。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□



 ◎この世界で暮らすのが嫌になった貴方へ by神サマ


こんにちは。

突然ですが質問です。

この腐った世界にうんざりしていませんか?


毎日の生活が厳しい。学校や仕事先での人間関係は上手くいかない。国会ではオヤジ達が日々口喧嘩を続けている。偽りが常に空を飛び交い、昼か夜かさえも曖昧なクソな世界。


【もうこんな世界はこりごりだ】

【存在意義なんてあるのだろうか】

【消えてしまえばいい】


そんなことを考えた事はありませんか?


もし…

あなたが世界を捨てても良いと言うのなら……

未練はないと言うのなら……


是非 『こちら』 をクリックしてみてください。


ここで迷う人は速やかに退室してください。

ここにいるのは全て覚悟を持った人達です。



きっと貴方には新たな世界が拓けることでしょう。


きっと………



□■□■□■□■□■□■□■□■□■□




   ○●○●○●○●○



 俺は、いじめられていた。



 いじめられていたと言うよりは、やり返すのが面倒臭かっただけ。合気道をやってるのでそこらの高校生のパンチやキックなんか痛くもなかった。

 そんなやってもやり返してこない俺を見て、「俺たちは強い!」と勘違いしている馬鹿共を見るのが俺は好きだった。


 そんな俺を見て、周りは俺を「チキン」と呼ぶ。

 ボコられても笑っている俺は周りの人には気持ち悪く見えるらしく、友達なんか出来なかった。毎日ネットの波に乗り、ブログを叩いてはFPSで相手を蜂の巣にする毎日。

 正直、つまらなかった。


 だがそんな俺にもネット以外に好きなことのひとつ位はある。

 それは「ロボット」。まとめて言うと「機械類全般」。

 ロボットは人を裏切らない。コンピューターで操作すれば、必ずその通りに動いてくれる。俺にとって唯一信用出来るものの中の1つだ。いつかロボットを作る人になってみたいと考えながら、俺は毎日泥のような生活を送っていった。



   ○●○●○●○●○



 年末のクリスマス。

 多くのリア充達が尻尾を振り、外を駆け回るこの日も、俺は家の二階、自分の部屋でサイトをいじくっていた。


「魔法石が無料で手に入る……嘘だな、どんだけ目立ちたいんだよこのアマ!もっとましな嘘をつけ!次は……うげっ!エロサイト入っちゃった。今は女には興味ねぇの!!」


 ……本当に興味ないからな?

 と、


龍介(りゅうすけ)ー!!ご飯だから早く降りてらっしゃい!!」


 一階から母親のディナーコールがかかった。ちなみに、龍介(りゅうすけ)は俺の名前だ。


「へーいへい……うるせぇクソババァ」

「何か言ったー?場合によっては殺すわよ!!」

「な、何も言ってねぇよ!!」


 母親がすごい地獄耳なのを思い出した。怖い怖い。



 「今日の夕飯はねぇ、クリスマスってことで鶏肉フルコースにしてみました!!」

 …確かに鶏肉ばかりだ。何とか原型をとどめているが。

 母親は自信満々にいつも料理を作るのだが、どれもこれも元(素材)が何なのかわからないくらいカオスなものを作る。だが意外と美味いので何とも言えないのだ。今日はまだ鶏と分かるのでいい方だが、見た目がアレなのは変わらない。何だか共感してしまう。「チキン」だけに。


「あ~……うん、鶏肉だね」

「何それ、反応悪いわね!嫌なら食べなくてよろしい!」

「はいはい食べるから、落ち着けいい加減」


 今日は父親の帰りが遅いので夕食は母と二人きりだ。俺はなるべく鶏肉達を見ないように目を瞑りながら食事をとった。




 食事を終え、(意外と美味かった)食器を片付けた俺は二階の自室に一人こもった。


「さてと!続きをやりますか……ん?何で?」


 おもむろにパソコンを開きネットに入った時、俺はその異変に気づいた。よく見たらメール欄の所に新着メールが一件届いているのだ。

 俺には友達は居ないし、商品の宣伝は受け付けないように設定しているためメールは一切こないはずだ。俺はメールボックスを開き問題の一件を読む。


 まず目を疑ったのは、タイトルだ。


「えっと?『この世界で暮らすのが嫌になった貴方へ』…もしかして俺のこと言ってるのか?」


 おそらく俺のことだろう。

 次に俺は送り主の名前に驚いた。


「送り主・by神サマ…なんだこいつ?」


 神サマと言うユーザー名は聞いた事がない。そのまま俺は本文に目を通した。そのメールには大体次のようなことが書いてあった。



・この世界にうんざりしていないか心に聞いてみろ


・もしこの世界とあなたの全てを捨てても良いのなら、『こちら』をクリックしろ


・迷っているなら押さなくて良い。覚悟があるならの話


・そうすれば貴方には新しい世界が拓ける



 要するに、『自分の世界が嫌なやつ、こっち来て楽しくやろうぜ!』ということらしい。

 なんだか嘘臭いが、こんなので新しい世界が拓けるのなら美味しい話だ。俺はメールに従い、今までの腐った自分の人生を振り返ってみた。


 学校に行く度に校舎裏に呼び出されボコられる日々。

 部屋にひきこもってはネットの波に溺れFPSに浸る生活。

 そして、機械しか信じられなくなってしまった愚かな自分。


「よっぽど新しい世界の方が面白そうじゃないか?」


 その事実に気づいた時には、俺はすでに『こちら』の部分をクリックしていた。


「上等だ!神サマだか何だか知らないが、拓けるものなら拓いてみろ!」


 興奮してパソコンに向かって挑発する俺。

 変化は、その時起きた。

 一瞬耳鳴りがしたと思ったら、体の中から急激に熱いものが込み上げてくるような感覚に陥る。全身が熱く、ドロドロと溶けるような感覚。段々と視界もぼやけてきて、もはや立っているのもやっとだ。


「うぅっ……な、んだ……これは……?」


 気持ち悪い感覚が体の中を暴れまわる。耐えきれなくなり、ついに俺は床に崩れてしまった。


『おめでとうございます。間もなく貴方の第2の世界が拓かれます。とりあえず、まずは私の空間に招待します。それでは、これからよろしくお願いします!』


 不意に綺麗な声が頭の中に響いた。。それを合図に俺は意識を失い。


 世界は、暗転した。




こんなもので少しでも皆さんが楽しめたら幸いです。

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