表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

第四話 初めての猫召喚

すみません、最近ちょっと仕事が忙しくて、更新が遅くなっています。もう少し余裕ができたら、更新ペースも上げていきたいと思います!

木の家の外に出て、地面に降りると、キアラはさっそく俺に能力の使い方を教え始めた。


「まず、地球人みんな、それぞれ自分の職業がある。これは、雅人もう知ってるね」


「そして、私たちの世界では、あなたたちのことを『職業者』と呼んでいる」


「『職業者』は、自分の能力を感じることができる。ご飯を食べることや、眠ることと同じくらい簡単。誰かに教えてもらわなくても、自然に使えるようになる」


「そうなのか? キアラ先生」


「そうだよ」


「でも、俺には何も感じられないんだけど」


「雅人、考えること多すぎる。心を落ち着ければ、できるよ」


心を落ち着ける……か。


どうすればいいんだ?


自分の能力を使うにはどうすればいいのか考えていると――


突然、頭の中に、自分のものではない大量の記憶が流れ込んできた。


こ、これは……?


猫召喚士という職業の使い方だ!


なんて便利なんだ。


欲しかった知識が、そのまま頭の中に出てくる!


使い方は、本当に簡単だった。


ただ集中して、「猫召喚」と唱えるだけ。


よし、やってみよう。


「猫召喚!」


子どもの頃、アニメのキャラクターと一緒になって、技の名前を叫んでいたような気分になる。


俺の目の前の空間に、いくつもの光の粒が現れた。


そして、その光の粒が地面の上へと集まり、どこか見覚えのある、可愛らしい形を作っていく。


次の瞬間――


光が一気に散り、一匹の三毛猫が姿を現した。


日本ならどこにでもいるような、普通の三毛猫だ。


おお、出てきた!


でも……これ、本物の猫なのか?


確かめるために、俺は恐る恐る手を伸ばした。


俺の手の存在を感じたのか、猫は自分から頭を寄せてきて、すりすりと擦りつけてくる。


本当に可愛い子猫だ。


この温かさ。


そして、このふわふわした毛の感触。


間違いない。


これは本物の猫だ!


ん?


子猫の頭の上で、何かが光っている。


これは……ステータス画面?


ゲームのウィンドウみたいなものが、子猫の頭上に浮かんでいる。


よく見ると、そこにはこの子猫に関する情報が表示されていた。


名前:なし

種族:猫

レベル:1

年齢:1

能力:なし


召喚されたのは、ただの普通の子猫か。


これじゃあ、ハズレ職だと言われるのも仕方ないな。


でも――


目の前のこいつ、本当に可愛いな。


突然異世界に現れたというのに、人間みたいに自分の未来を心配することもない。


……ん?


ふと気づくと、キアラがさっきからずっと子猫を見つめている。


まあ、こう言うと失礼かもしれないけど……。


キアラは子猫を見つめながら、息を荒くしていた。


「や、雅人! ほ、本当に猫ってこんなに可愛いんだ!」


「え? 初めて見たのか?」


「うん、私たちの世界には、猫、いない!」


「母さんが初めてぬいぐるみを見せたときなんて、神様だと思って拝んでた人もいたんだよ!」


「ずっと、想像の中にしかいない可愛い動物だと思ってた。でも、本当に存在するんだ……!」


「雅人、わ、私も……触っていい?」


見ればわかる。


キアラも子猫を触りたくて仕方がないらしい。


「どうぞ」


キアラはしゃがみ込み、少し震える手で子猫の体に触れた。


「にゃ、にゃあ」


子猫が突然、鳴き声を上げた。


「おおおおおおおおおおおお!!!」


「な、鳴いた! 雅人、わ、私、何か悪いことした!?」


「何もしてないよ、キアラ。ただ、猫がお前に甘えてるだけだ」


「そ、そうなの?」


キアラは恐る恐る猫の体を撫でている。


時々、尻尾にも触れてみたりしている。


「私、夢を見てるのかな……?」


「こんなに可愛い動物に触れることができるなんて……」


「母さん。キアラ、今、とっても幸せ」


「そうだ、雅人。この猫、名前ある?」


確かに、名前はつけてやったほうがいいよな。


三毛猫だから……三ちゃん、なんてどうだろう?


「三ちゃん」


俺が子猫につけた名前を聞くと、キアラの顔いっぱいに幸せそうな笑顔が広がった。


……お?


変わった!


俺がこの子猫に名前をつけた瞬間、頭上に浮かんでいたステータス画面が変化している。


名前の欄が、


「なし」


から、


「三ちゃん」


へと変わっていた。


その後も、俺はキアラと三ちゃんと一緒に、楽しい時間を過ごした。


猫って、幸せそうだな。


三ちゃんは後ろ足で体を掻いたかと思うと、遊び疲れたのか、そのまま気持ちよさそうに眠り始めた。


しばらくして、キアラが俺に向かって頭を下げた。


「雅人、ごめん。雅人の職業能力、練習するためだったのに……私、三ちゃんと遊ぶことばかりになっちゃった」


「いいよ。ちゃんと俺の職業能力を使えるようになっただろ?」


「それに、俺が召喚した猫がキアラをこんなに喜ばせられたなら――それが、この職業の意味なのかもしれないし」


「えへへ……じゃあ、私、ご飯作ってくるね」


「うん、頼むよ」


ところが、数歩歩いたところで、キアラが立ち止まって振り返った。


「あ、そうだ。忘れるところだった」


「雅人みたいな職業者は、ダンジョンに行ってみたほうがいいよ」


「明日、私も一緒に行く」


「ダンジョン?」


「そう。みんな、ダンジョンで自分の能力を鍛えるの」


「雅人も、行かないとね」


「わかった」


ダンジョン、か。


俺は、さっきキアラから聞いた話を思い返していた。


三ちゃんの名前が変わったということは――


もしかして、他の項目も変化するんじゃないか?


特に気になるのは、「能力」という項目だ。


おそらく――


猫召喚士という職業の可能性は、俺が思っていたよりずっと大きい。


明日、ダンジョンへ行ってみよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ