表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/23

魔法って実は、世界と人間をつなぐ を コンピュータと人間をつなぐに置き換えた瞬間、すべてがかみ合った件

## ■ イントロダクション:魔法は「祈り」ではなく「翻訳」だった


ファンタジーにおける魔法は、だいたいこう描かれる。


才能だとか、血筋だとか、感情の爆発だとか。

あるいは「なんとなくすごい力」。


でも、長いことエンジニアとして「人間とコンピュータの間」に立って仕事をしているうちに、ある違和感に気づいた。


――あれ?

これ、やってること同じじゃないか?


人間のあいまいな意思を、

機械が理解できる形に変換する。


その変換器のことを、我々は「言語」と呼ぶ。


だったら魔法も同じじゃないか?


> 魔法とは、「世界」と「人間」の間にあるインターフェースである


この前提に立った瞬間、ファンタジーの構造が一気に“コンパイル”され始めた。


***


## ■ 第一章:魔法は「Magic OS」の上で動いている


世界はただの箱庭ではなく、ひとつの巨大な実行環境だと仮定する。


その上に存在するのが、いわば **Magic OS(魔法OS)**。


人間はそのOSに対して直接何かを起こすことはできない。

代わりに「言語」を使って命令を送る必要がある。


そしてその言語の種類によって、魔法の性質は大きく変わる。


***


### ● 自然言語詠唱:インタプリタ型魔法


「炎よ、敵を焼き尽くせ!」


こういう詠唱型魔法は、一見もっともポピュラーに見える。


だが構造としては完全にこれだ。


> Python / JavaScript 的なインタプリタ言語


* 書いたその場で動く

* 柔軟で応用が効く

* ただし実行コストが高く、遅い


詠唱が長いほど強力、という設定はつまり、


> 「実行時に頑張って解釈してます」


というだけの話になる。


***


### ● 呪符・陰陽術:コンパイル済み魔法


紙に描かれた術式、事前に仕込まれた魔法。


これらはエンジニア目線ではかなりはっきりしている。


> これは“コンパイル済みコード”だ


* 事前に構文を固定する

* 実行時は即発動

* 高速で安定している


つまり護符とは、


> 「紙というストレージに書かれた実行ファイル」


である。


破れると壊れるのも、だいぶ納得がいく。


***


### ● 古代言語:アセンブリ直叩き


禁呪とか、神代文字とか、そういうやつ。


あれは何なのか。


> OSのAPIを無視して、ハードウェアを直接叩いている


* 圧倒的な性能

* 代わりに安全機構なし

* 1ミスで即クラッシュ(=存在消滅)


つまり古代魔法は、


> メモリに直接アクセスして世界を書き換える行為


である。


これが「神の言語」と呼ばれる理由も、だいぶ現実的になる。


***


### ● 魔道具:ブラックボックス化された実行バイナリ


剣を振れば炎が出る。

指輪を嵌めれば時間が止まる。


その中身が理解できなくても、結果だけは出る。


> 完全に .exe ファイル


* ソースは不明ロストテクノロジー

* 実行だけ可能

* 効率は異常に高い


つまり魔道具とは、


> 「もう誰も保守できないが、なぜか動く本番環境」


である。


***


## ■ 第二章:なぜ“魔力量”という概念が存在するのか


ここまで来ると、次の疑問が自然に出てくる。


なぜ魔法には「MP」や「魔力量」が必要なのか?


これもエンジニア視点だとかなりシンプルだ。


> それは単なる「演算リソース」である


CPU、メモリ、キャッシュ。


複雑な処理ほどコストがかかる。


魔法も同じで、


* 演算量が大きいほど消費が増える

* 高度な術ほどリソースを食う

* リソースが尽きると処理不能


つまり魔力とは、


> 人間がMagic OSにアクセスするための“計算予算”


に過ぎない。


***


## ■ 結論:魔法が「わかる」と世界は書ける


この視点に立つと何が起こるか。


ファンタジーがただの「雰囲気」ではなくなる。


* なぜ詠唱が必要か説明できる

* なぜ魔道具が貴重か説明できる

* なぜ禁呪が危険か説明できる


つまり、


> 世界に“整合性”が宿る


そして何より重要なのはここだ。


魔法を「超常現象」ではなく

「インターフェース」として捉えた瞬間、


> あらゆる魔法体系を設計できるようになる


これは創作者にとって、かなり強い武器になる。


***


## ■ おまけ:この考えに至った理由


ここまで読んで「何言ってんだコイツ」と思った人もいると思う。


正しい。自分でもそう思う。


ただ、長いこと


* 人間の曖昧な要求を仕様に落とし

* コンピュータに実装させる


という仕事をしていると、だんだん境界が曖昧になってくる。


「願い」と「命令」の境目が。


そしてある日ふと思う。


> 魔法って、これと同じなんじゃないか?


そこから先は早かった。


というか、気づいたら全部繋がっていた。


***


## ■ 終わりに


もしあなたがファンタジーを書く人なら、一度試してほしい。


「魔法 = インターフェース」


として世界を設計することを。


たぶん、いままで作れなかった種類の物語が、

すっと手の中に降りてくる。


***



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ