インフレの壁を越えるために、私が意識している三つの方向
長く物語を書いていると、
どこかで「インフレの壁」にぶつかる気がしています。
主人公が強くなりすぎる。
世界観が広がりすぎる。
敵を作りにくくなる。
事件の規模が大きくなりすぎて、日常に戻れなくなる。
長編では、よく語られる悩みですよね。
そこで私は、
「強さを上げる」以外にも、物語を広げる方向があるのではないか
と考えるようになりました。
今のところ、自分の中では三つに整理しています。
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◆ ① 上に伸ばす(縦方向)
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今までの世界よりも、さらに高い概念や法則を描く方向です。
単純に敵を強くするというより、
「今まで見えていた世界は、その一部だった」
と読者の視界を上へ広げるイメージです。
例えば、
・魔法の頂点だと思われていた技術の、その先が存在する
・世界の法則のさらに外側に、新しい法則がある
・万能と思われた能力にも限界や前提条件がある
こうした形なら、
主人公の成長余地だけでなく、
世界そのものにも奥行きを与えられるかもしれません。
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◆ ② 横に広げる(横方向)
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主人公だけが特別ではなく、
同じような経験をした人物や文明、
別の地域の歴史へ視点を広げる方法です。
例えば、
・過去にも似た境地へ到達した人物がいた
・別文明では違う形で同じ現象が起きていた
・主人公の物語が、世界全体の歴史の一部として位置付けられる
主人公の価値を下げるというより、
世界全体を厚くする方向ですね。
群像劇とも相性が良いと思っています。
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◆ ③ 枠組みを変える(視点の変更)
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出来事そのものではなく、
「それをどう見るか」を変える方向です。
例えば、
主人公にとって世界を揺るがす事件でも、
別の存在から見れば当たり前の日常だったり、
逆に、小さな出来事が別の価値観では非常に重要だったりする。
出来事は同じでも、
評価軸を変えるだけで物語の意味が変わります。
私は、この方法が一番好きかもしれません。
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◆ 三つを組み合わせると
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自分の中では、
方向広がるもの
上世界の天井
横世界の厚み
枠組み世界の見え方
という整理になっています。
もちろん、
これだけでインフレを解決できるわけではありません。
でも、
「強さを上げるしかない」
という状態から抜け出すヒントにはなる気がしています。
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◆ まとめ
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これは理論というより、
私が長編を書き続ける中で整理している設計メモです。
インフレは悪いものではなく、
長く書けば自然に起きる現象だと思っています。
だからこそ、
「どう強くするか」だけではなく、
「どう広げるか」
という視点も持っておくと、
次の章へ進みやすくなるのではないか。
最近はそんなことを考えながら、
制作OSの一部として整理しています。
この整理は、「終わらせないための魔法」ではありません。
むしろ、どうしても終わらせたくないキャラクターを前にして、作者がうんうん唸るための地図です。
私も行き詰まるたびに、この三方向を見返して、
「まだ別の出口はないか」
と考えています。
※これは私自身の制作OSを整理した記録です。同じ方法がすべての創作に当てはまるとは思っていませんが、長編を書く中で役立っている考え方を少しずつ公開しています。




