オリエンテーション
調査隊詰所の門をくぐると、簡易的な事務受付を行い本人確認の後別室に通された。
今回の募集の倍率は予想に反して多かったらしく、幸か不幸か当選した人間が今日方々から集まってくる。
顕人が別室に入るとそこには既に同じように通された人々が待機していた。
ざっと見たところ20人くらいか。
用意された席に腰掛け一息つく。
「あのー…」
隣に座っていた人が声を潜めて話しかけてきた。
「ボク永崎 楓って言います。
同じ調査団として、どうぞよろしくしてください。」
小柄で整った顔立ちの青年だった。
「あ、どうも山縣 顕人っていいます。
こっちこそよろしく。」
「よかった、仕方ないですけど皆んな殺気立っててちょっと怖くて。
山縣さんはなんだか落ち着いてそうですね。」
「いや、そんなことないですよ。
俺もかなり緊張してたから話しかけてくれて助かりました。」
「じゃあお互い様ですね。」
楓は小さく微笑んだ。
そこへ入口のドアが開き軍服を着た人間が3人入ってきて1人が登壇した。
「みなさん、おはようございます。
私は統合幕僚長、京谷です。」
太く威厳ある声で京谷は続ける。
「本来であれば我々で対処すべき問題にお力添え頂き感謝します。
早速ですが皆さんにはこの後我々が通称〝ダンジョン〟より持ち帰った情報を共有していただき早速出発していただきます。
なるべくなら可能な限りの準備をして、慎重に事を進めたいところなのですが、いかんせん今後のダンジョンによる影響が未知数の為危険ではありますが事を急ぐことになります。」
そして、と京谷は一息入れ
「皆さんの任務は3つ。
ダンジョンの調査を進め深部を目指す事。
希少物を発見した場合それを地上へ持ち帰る事。
ダンジョン内のモンスターを少しでも多く倒し脅威を排除する事です。
今回の調査は未知の部分が多く、我々の常識が通用する保証は全くありません。
なのでルールは多くは設けませんが、最低限遵守してほしいものだけ後ほど情報を共有する際に合わせて把握いただきたいです。
しかし、その前に大事な事を…」
少しの溜めの後京谷は言う。
「皆さんには効率、機動性を考慮し4人1組のチームを組んでいただきます。
そして、その組み合わせは勝手ながらこちらで既に決定してありますのでこれからはその4人で行動していただきます。」
そして京谷によりチーム編成が発表された。




