初戦闘
豹悟は遠く離れたところにいるモンスターを身をかがめながら見つめた。
数はこちらと同じ4体。
緑の肌
大きい目
鋭い爪と牙
小柄だが筋肉質な体躯
初めて見る異形に顕人達は慄いた。
昴を除いて。
いや、正確には昴も慄いていないわけではなかった。
人一倍憎しみを持ってここへきた昴は、このダンジョンというものが一体なんなのか、本当に我々に害をなしているのかどうかイマイチ実感を持てずに苛立ちを感じていた。
しかし明確な人間の敵であるあのモンスターを見て昴の恐怖を怒りが食い尽くした。
「うおっ!おおおおおお!」
気合と共に昴が駆け出した。
「あっ、馬鹿っ!」
豹悟が止めようとしたがもはや駆け出した昴には届かず豹悟も覚悟を決めた。
「岩手に続くぞっ」
「うん!」
「ああ!」
楓と顕人もハッとしたように豹悟に続いた。
昴の掛け声に気づいたモンスターがこちらを振り向き向かってくる。
「おおおお!おらぁっ!」
力に任せた昴の剣は速く、モンスターをの腹を横に薙いだ。
胴を両断されたモンスターは生き絶えたが残りが一斉に昴に襲いかかってきた。
「岩手!伏せろっ!」
顕人の怒声が響き昴は身をかがめた。
「はっ!」
顕人は魔力のコントロールに長けている。
放出する魔力を横長の面にして弾き出した。
見えない衝撃が残りの三体を吹き飛ばす。
「いまだっ!」
豹悟の掛け声のもと
豹悟、昴、楓が突進し起き上がる暇もあたえず剣を振り下ろした。
顕人達がはじめての戦闘に勝利した瞬間であった。




