↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
47/78

第46話:後輩の【気に入らない】家庭事情。


 うさこが連れていかれた路地の手前で一旦停止し、そっと覗き込んでみる。


「やめてっ! 痛い!」


 うさこの腕を黒いスーツにサングラスの男が掴んでいる。

 かなり力を入れているのかうさこが痛がっていた。


 他には……同じような服装の男がもう一人、それと帽子で顔は見えないがジーンズにTシャツというラフな格好の男が一人。


 全部で三人か……。

 それならうさこさえ取り返せばどうにでもなる。


 私は路地に入る前に塀によじ登り、一気に距離を詰めて上空から黒服の顔面目掛けて飛び蹴りを入れた。


「ぐあっ!」


 完璧に顎に入った。こいつはしばらく立てないだろう。


「なんだ貴様!?」

「お、おねーさま!?」


「すぐ終わる。下がってろ」


 うさこを左手で制しつつ、「邪魔をするなら……!」とこちらに掴みかかろうとしてきた男の腕を内側から右腕で払いのけ、そのまま袖を掴んで引っ張る。


 バランスを崩して前のめりになった男の顔面に膝蹴りを……。


「おねーさまやめて!」

「姐さんストォォップ!!」


 膝蹴り……を……って、え?


「し、死ぬかと、思った……」


 私が膝蹴りを寸止めした男は、地面にへたり込んでガクガクと震えだした。


 こいつ、素人か……?


「うさこ、これはどういう……」


「姐さん! こんな所で会うなんて奇遇っすね!」


 ……えーっ??


「お前、ジョージか? 待て、私には状況がさっぱり分からん。うさこでもジョージでもいいから詳しく教えてくれ」


 ジーンズにTシャツの男は私の知ってる奴だった。


 なんだこれ。マジでどういう状況……?


「あ、あの……おねーさま、もしかして……助けに来てくれたんですの?」


「ん? あ、あぁ……そのつもりだったんだが……余計なお世話だったみたいだな」


「そんな事ありませんの!」


 うさこは目を潤ませて私の腕に絡みついてきた。


「お、おい……」


「本当におねーさまはいつもいつも……私のピンチを救ってくれるヒーローですの」


「いつもって……今回以外になんかあったか……?」


 まるで記憶にないけど。


「……覚えて……いらっしゃらなかったんですのね。それも、そうですね。気にしないで下さい」


 そう言って笑ったうさこの笑顔は、なんだかとても寂しそうに見えた。


「おいうさこ、その話詳しく……」


「姐さん! 姐さん姐さん! 久しぶりっす!」


「あーもううるせぇなぁジョージ! てめぇはなんでこんな所にうさこと一緒に居たんだよ。この黒服どもはなんだ?」


 ジョージは「あー、えーっとっすね……というか翔子と知り合いなんすか?」と質問の答えにならない言葉を返してきた。


「おねーさま、こいつは私のお兄ちゃんですの」


「……へっ?」


「えっと、子兎翔子の兄、子兎譲司、ですハイ」


 ……なんだって?


「ジョージ、お前子兎なんて苗字だったのか? 今まで全然そんな事……」


「だ、だって恥ずかしいじゃないすか子兎っすよ!?」


 ……うーん、確かにこいつの素行を考えると自分の苗字が子兎っていうのは恥ずかしいかもしれないなぁ。


「それより翔子とはどういう関係で……って、もしかして学校一緒なんすか?」


「ああ、私はこいつの先輩……」


「私はおねーさまの愛人ですの!」


 ちょっ、こいついきなりなんて爆弾ぶっ込んでんだ!


「私はそれを承諾した覚えは……」


「おねーさまの彼女公認ですのっ!」


「あ、姐さん……? 姐さんが全然男に興味なかったのってそういう……?」


 ジョージが引きつった笑顔を向けてくるのがやたら腹立つ。


「おい、それ以上詮索したら命は無いと思え」


「へいっ! 姐さんの言う事には従いますっ!」



「だったらとりあえずお前とこの黒服が何してたのか教えろよ……てっきり私のお……私の友達を連れ去ろうとしてるのかと」


「今私の女って言おうとしましたの!?」


「ち、ちが……」


 またやってしまった……。私の頭も奈那に影響され過ぎている。気を付けないとまずい。どんどんそっちの道から抜け出せなくなってしまいそうだ……。


「とにかく! さっさと教えろ。今すぐ教えろ。断ったらこいつらの指一本ずつ折ってくぞ」


 私の言葉に意識を取り戻した黒服と、へたり込んでた黒服がゴキブリのようにサカサカと距離を取った。


「……翔子、話してもいいか?」


「……仕方ありませんの」


 ……? お互い一瞬目を合わせて、俯いてしまった。

 もしかして家庭の事情ってやつだろうか?


 それならあまり首を突っ込まない方がいいか……?


「おい、言い辛い事なら……」


「こいつドットラビットの跡取りなんすよ」



「ドットラビット……って、聞いた事あるな。確か御伽グループの……ん? 跡取り? こいつが?」


 御伽って言ったら日本有数の大企業じゃないか。

 そこのグループ会社の跡取り?


「だったら本来ジョージが跡取りじゃないのか?」


「腹違いなんす。俺は母親の連れ子で、翔子は母親と親父の子供っす」


 ……シングルマザー状態のジョージの母親が、再婚して出来た子供がうさこって事か?


「自分の血を引いてるうさこを跡取りにしたいって訳か……将来は女社長?」


「……それ、が……」


「こいつずっと見合いから逃げてるんっす」


「……今なんつった?」


 見合い? この年の女の子が、次期社長を迎える為に見合いだって?


 他人の家の事情に口を挟むのは間違ってると思いつつも、心中は穏やかではいられなかった。


いい家の生まれというのもいろいろ柵が多い物なのかもしれませんね。


応援よろしくお願いします♪ 下の方にある☆をぽちっと黒くして頂けるとありがたいです♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者代表作 完結済み!
↓クリックで作品へ↓
sample
300万PV突破のTSファンタジー☆
全600話以上、130万字超え☆

ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=835350990&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。