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顔に傷のある少女  作者: AuThor
7/7

恋のゆくえ

優人が告白してから、朱里は優人と会うたびドキドキした。


「朱里」

優人の声が聴こえた。


告白後に優人は学校内でも朱里の名前を呼ぶようになった。


今までは学校外だけでしか名前では呼ばなかったが、告白後にそうするようになった。


優人はあれから朱里のもとへ来て、もう一度改めて告白するからその時に返事がほしいと言った。


朱里はどうしようと迷った。本当に迷った。


今まで恋愛をあきらめて頑張っていたのに、恋愛してしまったら、これまでエマーのように生きてきた自分はどうなるかと葛藤する。


これから自分はどのように生きていけばいいのかと、わけのわからない状態に陥った。


一方、真也は優人と朱里の変化に何かあったと感づいて焦っていた。


積極的なアプローチを朱里に頻繁にかけるようになり、そのたびに朱里も意味がわからずにドキドキした。


真也は、そろそろ、いたずらやからかいのようなドキドキさせる、自分を男として意識させるだけのアプローチはやめ、自分の想いを伝えようと考えていた。


その真也の行動を見て、察した依子はテーマパークのチケットが2枚手に入ったと、朱里に土曜日、テーマパークに一緒に行こうと誘い、朱里は誘いに乗ったので、依子は自分のチケットを真也に渡した。


依子から事情を聞き、チケットをもらった真也は依子をしばらく見つめ、笑顔で「依子ちゃん、ありがとう」と言った。


そして、真也は依子の頭をなでた。


依子は赤面する。


しかし依子の計画はその後崩れてしまう。


朱里と依子の話を偶然耳にした詠美が自分も行くと言ったのだ。


そして、詠美は蓮を誘った。


詠美は蓮にアプローチをしていたが、全く自分になびかず、朱里に気があるのではないかとうすうす感じており、朱里と優人の関係の変化も感づいていたので、蓮に朱里をあきらめさせるために、朱里をだしにしてテーマパークに蓮を誘う。


蓮は朱里が行くということを聞き、テーマパークに行くことにする。


そして、詠美は優人にもテーマパークに行くことを伝え、優人も参加することになる。


さらに、詠美は真也も朱里のことが好きだとわかっているので、真也が朱里を落としてくれる可能性も考え、真也を誘う。


そのようになってしまったので、当初の計画がまったく無意味になり、男女の数合わせのため、依子も行かざるを得なくなった。


真也は依子の計画は結局失敗したが、気持ちはうれしかったよと依子に言った。



そして朱里、依子、詠美、優人、真也、蓮は6人で遊園地に向かうために電車に乗っている。


6人は電車から降り、テーマパークの最寄り駅の構内を歩いていたが、ながらスマホをしていた人が、一瞬後ろを振り返っていた優人とぶつかり、優人が手に持っていたスマホが地面に落ちそうになる。


そのスマホを近くにいた詠美が咄嗟にキャッチするが、その不安定な体勢でヒールをはいていたので、詠美は足をひねる。


優人は詠美が自分の不注意もあって、足をひねったことに責任を感じる。


そして一行はテーマパークに着く。


優人は、詠美の足が不調状態であることを動きからわかっていたので、配慮する行動をとる。

朱里はその優人の姿を見て、誠実さを感じる。


5人は詠美の足に配慮し、ゆったりとテーマパークを楽しむ方向で動く。


6人でテーマパーク内の喫茶で食事をしているときも、イケメン3人がテーブルにいるので、周りの目を自然と集める。


そして朱里と依子の顔は平凡で、詠美は飛びぬけて美人なので、周りの人からはイケメン3人の狙いは詠美だと思われる。


その雰囲気を感じ取って、おもしろくないと思った真也は、周りの人に見せびらかすように朱里にスキンシップを含めたアプローチのしぐさをおこなう。


そして、それを優人と蓮が止め、朱里から引きはがす。


「秋瀬はともかく、おい武藤、俺おまえの先輩なんだけど?」

真也は蓮を見る。


「先輩かどうかは自分で決めるんで」


「九条、俺もおまえの先輩なんだけど、なんで呼び捨て?」

優人は真也に笑いかける。


6人は新しくできたアトラクションに行く。


そのアトラクションは迷路であり、1人か2人同時に迷路の中に入るものであった。


優人は朱里と一緒がよかったが、詠美の足の不調が自分の不注意ということもあって、責任を感じ、詠美とペアを組む。


そして、待ってましたとばかりに、真也は朱里とペアを組む。


朱里は依子が一人で迷路に入ることになるのではないかと懸念を覚え、依子と組むと言いかけた時、依子の隣に蓮が立ち、「嫌じゃなければ、俺と組むか?」と蓮は言う。


「あ・・・じゃあ、お願いします」

依子は内心びくびくして言う。


依子は蓮に対して、雰囲気から少し緊張して、苦手意識がある。


余った他の女子への蓮の配慮ある行動を朱里は見て、蓮に好印象を持つ。


詠美は、蓮と依子が組むのを見て、不機嫌な顔になる。


優人は詠美の表情に気づき、

「悪かったな。今、気づいた。蓮と組めるように俺が動くべきだったな」と優人は詠美に言う。


詠美はため息をつきつつも、

「別にいいです。こっちこそ悪かったです。私が足さえくじかなければ、朱里と組めたのに」と詠美は優人に言う。


ペアを交換できない列まで6人はきていたので、そのペアのまま迷路に入る。


朱里は優人と詠美がそろっているのを見て、端正な顔立ち同士でお似合いだと感じる。


優人と詠美が一緒にいるところを周りの人が見て、美男美女のカップルだと言う声も朱里は聞く。


もし、秋瀬先輩と私が付き合えたとしても、秋瀬先輩は私なんかでいいのかなと朱里は思う。


朱里は真也と一緒にいろいろな仕掛けやゲームのある迷路を回る。


その中で、朱里は真也と過ごすのは、一番フレンドリーに過ごせると思った。


真也は楽しんでいたが、内心で焦っていた。


テーマパークで優人と朱里が時折見せる、お互いをかなり意識している場面をたびたび見たからだ。


朱里と真也は迷路内に時々出現する、テーマパークのお城の頂上への招待券をゲームに勝てばゲットできる場所に入る。

そのゲームは頭脳を駆使するゲームだったので、真也は楽々と手に入れる。

1回のゲームにつき、チケットは1枚しか手に入らないので、朱里と自分のぶんの2枚が欲しかったので、あと1回その場所が現れないかと真也は思う。


しかし、その後の朱里との会話の中で、「誰かに告白されたりしてたりして」という真也の質問に朱里は顔を赤くし、明確な返答をしなかったので、真也は優人が告白したことに気づき、動揺する。


返事を保留しているような感じの朱里の返答に、真也はこのままでは優人に朱里をとられると思い、「俺は朱里ちゃんのことを愛してる。恋人にしてほしい」と真也は朱里に告白する。


真也に告白された朱里は予想外のことで驚く。


朱里は赤面し、ドキドキして考えがまとまらない。


真也は朱里が迷っていると気づき、半ば強引に迫れば、勢いでいけると考え、「朱里ちゃん、好きだ」と押し倒す形で迫る。


真也が朱里に迫ろうとしていた時に偶然、蓮と依子のペアも朱里と真也が見えない背後の位置にちょうど居合わせて、その様子を目撃し、蓮は真也の行動を止めようと朱里のもとへ向かっていく。


朱里は真也が迫ってきた時、優人が下駄箱で優しくしてくれた場面、告白の場面などが脳裏をよぎり、「ごめんなさい」と両腕を交差したばってんのような形で真也が迫るのを拒む。


真也はその朱里の完全な拒否の行為に、自分の行動を止める。


蓮も朱里の言葉で動きを止める。


真也は迫っていた体勢を改め、「好きな男でもいる?」と朱里に聞く。


朱里はうなずく。


「それは誰?」


「秋瀬先輩です」


真也はその言葉を聞き、「あーあ、振られちゃったな」と笑って言う。


蓮も真也が迫ることをやめたのを見届け、朱里と真也に気づかれる前にその場を立ち去る。


依子も真也が振られるところを見ていた。


真也は朱里に半ば強引に迫ったことを謝る。


朱里も泣きながら、自分が断ったことを謝る。


その朱里の姿を見て、朱里のことがやっぱり好きだなと真也は思う。


今まで通り友達みたいに接してくれればうれしいと真也は言い、朱里も泣きながらうなずく。


真也は朱里に笑いかけ、その後、朱里に背を向け、斜め上を見上げて涙ぐむ。


迷路から6人全員が、それぞれのペアごとに出て、合流する。


最後に優人と詠美のペアが迷路から出てきて、詠美はお城の頂上行きのチケットがもらえるゲームがあったらしいよと他の人が挑戦しているのを見たと言う。


「それなら俺たちはゲットしたよ」

真也は1枚のチケットを見せる。


すると、依子が自分たちも、蓮が1枚チケットを手に入れたと言う。


真也が朱里に告白する前に、蓮と依子のペアがその場所に入り、運動神経が必要なゲームだったので、蓮が難なくクリアして、チケットを1枚手に入れていた。


蓮と真也は目を見合わせる。


蓮は朱里にチケットを譲る。


朱里はいいよと断るが、「俺が手に入れたチケットだからどう使おうと俺の勝手だ」と蓮は言う。


そして、真也は優人にチケットを譲る。


優人は真也の行動に驚く。


真也は朱里には聞こえないように、「もし朱里ちゃんを悲しませたら、俺が奪っちゃうからね」と優人に言う。


「絶対に悲しませないよ」と優人は言い、チケットを受け取る。


そして、朱里と優人はお城へ行く。


それを見送る4人。


真也が振られているところを見た依子は、座っている真也に言葉をかけづらく、立ったまま真也を見る。


自分を見ていた依子に気づいた真也は笑って、「依子ちゃん、どこか回る?」と言い、

「はい!お願いします」と依子は即座に言う。

依子をつれて、真也は夜のテーマパークを回りに行こうとする。


蓮は立ったまま、お城を見上げていて、詠美はベンチに座っている。


真也は依子と一緒に行きながら、振り返り「誰かさんは、もう一人の女の子をちゃんと空気読んでエスコートしなよね」と言い、依子と一緒に夜のパレードが行われている中へ消えていく。


蓮は詠美を見て、「どっか回りたいとこあるか?」と聞く。


詠美は「うん!回りたい」と赤面しながら言う。



朱里と優人はお城の頂上に行く。


お城の頂上で2人きりの時間、スペースとなる。


優人は朱里に自分の想いについて話し始める。


歓迎会のとき、下駄箱でのこと、映画館での会話、朱里と接していく中で、

本当に朱里のことを好きになっていたことを優人は話す。


そして、お城の頂上で優人は朱里に告白する。


朱里は泣きながら、優人の恋人になりたいと言う。


優人は喜びでいっぱいの表情になる。


朱里と優人は付き合うことになる。



テーマパークでの出来事が終わり、いつもの日常がもどってきた。


陸上部では短距離で優人が練習し、長距離で朱里と蓮が練習する。


真也は陸上部の練習をグランドでは見なくなったが、朱里には友達のように親しく話しかける。


朱里、優人、真也、蓮、依子、詠美の6人は楽しそうに歩く。


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