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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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228.「何か予定が入ったら連絡しますから」

 テンションが妙に上がってしまったので珈琲を煎れてからソファーでテレビを観る。

 特に大事件とかは起きてないみたいでニュースも新年がどうとかの話ばっかりだった。

 矢代映像何とかの話は出なかった。

 大した話題ではないらしい。

 でも裏では色々動いているんだろうな。

 まあ僕には関係ないか。

 ちょっと早いけど朝食にする。

 誰かが用意してくれたらしくて食材は豊富にあった。

 比和さんがいたら食事を作りたがるだろうけど宝神に泊まったみたいだからね。

 この雪では帰って来られるかどうか。

 珈琲を啜りながらスマホを見るとメッセージが入っていた。

 まず比和さんからは朝食を用意出来ないことのお詫びと、いつ帰れるか判らないという連絡。

 忙しいらしい。

 信楽さんの方は帰れないという連絡と、食事はどうするのか、という質問だ。

 僕が望むのならメイドさんを手配してくれるらしい。

 この雪の中を来て貰うのは気が引ける。

 僕はメイドさんは不要なので気にしないように、それと寒いから体調に気をつけてと返信した。

 もちろん比和さんにも。

 その他のメールは不自然なくらい何もなかった。

 転生アイドルとか矢代映像とか色々あるからみんな逃げているんだろうな。

 黒岩くんたちからも何も来ないけど、多分東京の本社に詰めていると見た。

 変につつくと藪から何か出てきそうだし、ここは僕もスルーしておこう。

 スマホをテーブルに置いてキッチンに行く。

 自分の分だけを作るのは久しぶりだったりして。

 食パンがあったのでアメリカンプレックファーストと行くか。

 ベーコンはないけど目玉焼きだけで十分。

 サラダもない。

 まあいいけど。

 その代わりにパンを大目にして朝食にする。

 食べ終わってソファーで寛いでいたら何か物凄くリラックス出来ていた。

 やっぱり窓から見える雪がいいよね。

 ただ庭が雪景色なだけじゃなくて、今だにどんどん降っているんだよ。

 これは積もるかも。

 テレビで天気予報(ウェザーニュース)を見てみたら、関東どころか日本全体を雲が覆っていて、しかも寒波が北から押し寄せて来ているらしい。

 雪は当分降り続くそうだ。

 既に交通に支障が出始めていて、雪かきなども始まっているとか。

 良かった昨日のうちに帰ってきていて。

 チャイムが鳴った。

 いきなりだったので飛び上がってしまった。

 慌ててインターホンの所に行くと液晶画面に知っている顔が映っていた。

「神楽さん!

 何ですか?」

『失礼しました。

 矢代大地様ですか?』

 このインターホンはこっちからは来客の顔が見えるけど向こうは判らないんだよね。

 神楽さんはお堅い口調だった。

 やっぱり納屋くんの所で蕎麦を食べたときの態度は演技だったらしい。

 あの時は態度もあって女子高生に見えたんだけど今は完全にキャリアウーマンというか、むしろ傭兵みたいだ。

 アラサー?

(言うな)

 判ってるよ!

「僕ですが。

 何か?」

『朝早くから申し訳ありません。

 出来ましたら本日のご予定を伺いたいのですが』

 そうか。

 護衛任務についているとしたら僕の行動が判らないのは困るよね。

「雪ですし、一日中籠もっていようかと。

 もちろん予定なので呼び出されたら出掛けることになりますけど」

『了解しました』

 それでいいのか。

 つまり神楽さんとしては僕がどうしようが勝手でどうなろうが護衛として動くわけね。

 しかしこの雪なのに大丈夫なんだろうか。

 外で待機してるとか?

「神楽さんやお仲間の人たちはどうするんですか?

 まさかずっと外にいるとか」

 だったら矢代家(うち)に入って貰っても、と言う前に神楽さんが言った。

『ご心配をおかけして申し訳ありません。

 ですが大丈夫です。

 場所は申し上げられませんがこの近所に待機場(セーフハウス)を用意してあります』

 そうなの。

 それはそうだよ。

 僕だけならともかく本来矢代家(この家)には信楽さんや比和さんといったVIPが住んでいる。

 護衛チームも複数いるはずだし、そんな大人数が道を彷徨(うろつ)いていたらヤバいでしょう。

 拠点は絶対に必要だ。

 まあいいか。

 僕は思いついて言った。

「何か予定が入ったら連絡しますから」

『ありがとうございます。

 よろしくお願い致します』

 インターホンの液晶画面から神楽さんが消えた。

 最後まで硬かった。

 あれが専門家(プロ)というか職業人の矜持という奴なんだろうね。

 比和さんがメイドというお仕事については一切手を抜かないのと同じで。

 リビングに戻ってスマホを確認する。

 神楽さんに渡された携帯の番号は登録してあったので電話してみた。

「もしもし」

『……矢代社長、ですか?』

 神楽さんが慌てていた。

 そんなに意外?

「矢代大地です。

 確認だけですので。

 何かあったらこの番号でいいんですよね?」

『はい。

 ありがとうございます』

「では」

 それだけ言って電話を切る。

 よし。

 でも忘れそうだから信楽さんに頼んでおくべきかなあ。

 まあ、僕は自分の意志では基本的に動かないからいいか。

 多分矢代興業からの呼び出しがある時は自動的に神楽さん(護衛)にも連絡が行くと思う。

 そもそも矢代家(うち)からどっかに行こうとしたら車を出すしかないもんね。

 その車は護衛チームが手配するわけで。

 考えてみたけど他にはやらなきゃいけないことって特に思いつかない。

 だったらのんびりするだけだ。

 今日は一日、雪でも見て過ごすか。

 珈琲を煎れ直しているとチャイムが鳴った。

 また?

 インターホンの液晶画面を見ても誰も映っていない。

 ピンポンダッシュか?

 この大雪の中で?

 と思ったら玄関のドアが開く音がして、すぐに比和さんがリビングに飛び込んで来た。

「ダイチ様!

 お久しぶりです!」

 いや昨日も一緒だったでしょ?

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