80/140
崩壊23
「僕はユイに会いに行こうとしたんだ。だけど、シキくんがユイを連れてきてくれた。嬉しかったよ。すごく遠くにいるって思ってたのに……」
苦しみに歪まされる顔。
それでも彼は大事な事を伝えようとしていた。
「ユウゼン……あんたは……」
「ユイ、僕の教えた力はどう使ってくれても僕は構わない。その能力の中にいるヒトはすごいじゃじゃ馬でね。今まで生きてきて迷惑をかけてきたかもしれない。だけどこれで安定して生きていけるはずだ。それだけで僕の願いは叶っている」
嘘つきがあんなに優しく穏やかな顔できるか?
ジャンヌの教えてくれた、どんなに辛い人生でも、頑なにまっすぐ歩いていれば、誰かが助けてくれる事、本当だった。




