表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑音ステップ 〜ALONE〜  作者: 白井 雲
73/140

崩壊16

シキはイラついているのだろう。



頭を揺らしながら、肩を震えさせながら前を歩いている。



泡食いそうなほど慌ててしまう私とは正反対な程に、彼はそんな事は気にも留めないといった様子で話しかけてくる。



「実は君の戦い方、しっかり見ていたんだ。昨日は本当に色々試していたんだろう?力を発揮出来る機会があまりないと思って」



「あ、うん」



「大切にするといい」



「大切に……?」



「うん。力は使い方だよ。ユイにはそれを伝えたい」



「無理だよ。この力、どこまで行ってもみんなを不幸にし続けてるもん……私だって、みんなと同じように、シキくんのように、しっかり修行して、普通の力を身に付けて、みんなを守りたかった」



「物心ついた時から故郷の人達にはひどい事ばかり言われるし。煙たがられるし、私のことを庇ってくれたジャンヌは何処かにいなくなっちゃったし」



「だから必死にあの街を守ったの。ナイトメアブレーキを追い払えるのは私だけだって言うから。だけどいつの間にか街は滅んでいたみたい。きっと私の力が原因なの、なんとなくわかるんだよ。なんでこんな力が私にあるの?他にいるの?私のような人やナイトメアが……」



あれ……



「すごく、辛かった……」



なんで私、こんな年下の子に愚痴を……?



「……うん、知っているさ」



「えっ?」



「こんな話を知ってる?まだ邪悪な心がみんなの中に存在しない頃、開けてはならないとされていた一つの箱があった。だけど一人の男が箱を開けてしまった。中から出たのは、あらゆる邪悪な心。嫉妬、ねたみ、独占、破壊、支配、だけど、箱の奥に一粒の光が残っていた…」



「光……?」



「それがユイだとしたらどう?」



「君は世界に残された最後の一粒。「希望」という名の一粒の光だよ」



「大袈裟な……」



「僕はそう信じてる。この世界は戦いに満ちてるけど、結局の所、誰かがそういう箱を開けてしまったんだ」



「なんで、そんなに私の事を……」



「僕は君に会う為にここまで来たんだよ。言ってしまえばオルレアンに向かうのはついでなんだ」



彼は太陽みたいに笑った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ