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異世界でゴブリンさんとご対面。

2話目ですよろしくお願いします。

 …ゆ。


「勇者なんてやりたく無いんじゃーーー!」

「グギャ!?」


 目が覚めると視界に、身体が子供位の鼻が異常に伸びてる緑色のおっちゃんが私を見てる。

 なんかビックリしてるみたい。

 まあ、私が大きな声を出したからね。


 私は周りを見渡すと城じゃなくて森の中に居るみたいだった。

 それと可笑しな事に家に居る時は、夜だったのに今は昼間のように明るかった。


 他に変わった事は無いか、よーく周りを見て見ると…おっちゃんの後ろに大きな生物が通って出来たみたいな穴がある。

 穴はそれほど深くなさそうだけど……足を引っ掛けて、転んだらケガしそうだなぁ。


 うーん、森の中か……ここはやっぱり勇者なんだから、お城に召還するべきだと思うのよ。

 そして、「ようこそお越しくださいました勇者様。」と私を豪華に向かえるべき展開だよね?

 なんでいきなり、魔物っぽいおっちゃんとエンカウントしてんのよ?


 と、とりあえず、おっちゃんと会話してみるかなぁ?

 このおっちゃん、こう見えて実は話せる人だったりしたら良いなぁ…。

 私は顔に笑顔を浮かべて、おっちゃんに話しかけてみる。

 お母さん譲りのこの顔で、声を掛ければ男ならイチコロの筈!


「初めましてぇ、私の名前はマリーって言います♡よろしくお願いします♪」

「グギャ?グア♪グギ♪」


 おっちゃんの反応は悪くないみたい。

 けれど、反応良すぎて跳ねてるから……腰巻からチラチラと何かが見えてるけど私は気にしないよぉ!

 それともちろん、名乗った名前は偽名だよ。

 昔使っていた、オンラインゲームの名前を名乗ってみた。


「んふふ、そうなんですか♪私も~、そんな気がしたんですよ。所でご出身はどこですか?」

「グー…。グギ!グバ!ギャギャ♪」


 おっちゃんは、ゲラゲラ笑っている。

 言葉は違うけど、私の想いが伝わっているんだね!

 私は、おっちゃんの言葉が全然分からないけどね。

 うん、適当に話してる感じだね。


 それにしても、どんどんおっちゃんが私の方に近づいて来るけど……友好の握手したいのかなぁ?

 そうだよね?握手するんだよね?ねっ?

 ね、念のために逃げる準備しておこうかな…。

 ちょっ!?おっちゃん、近い近い!そんなにがっつく男は、私嫌いかな!


「そんな遠い所から、来たんですね!すごいです!……じゃあ、私は用事があるのでぇ。」

「ギャギャ!……グアッ!!」

「ぐふっ!?」


 私の反応が遅すぎて、おっちゃんから腹に良いパンチを貰った。

 こ、これが腹パン!

 異世界に来て、実際に腹パンを体験するとは思わなかったわぁ。

 やっぱりおっちゃんは、魔物だったのかぁ…。

 見た目がゴブリンっぽいけど、話して見たら何とかなると思ったんだけどね。


 ううっ、お腹がほんの少し痛いよぉ…もう、日本に帰りたい。

 お腹撫でたら、痛みが治まるかな…。

 はぁ、戦わないと死んじゃうのかな私?


 チラっとゴブリンを見ると、私を見逃す気が無いみたいだ。

 相変わらず、腰巻からアレをチラチラさせている。


 武器も持ってないし、どうやってゴブリンから逃げようかな?

 とりあえず、使えそうな物はっと。

 そうだ…アレが合ったじゃないか。


「グギャ!」

「けふっ…良いパンチだわぁ。ふふっ、久しぶりに…私の奥義を見せる時が来たみたいよぉ。」


 私はゴブリンより背が高いので、相手を見下ろす感じで相手の目をじっと見つめる。

 さっきのパンチが効いてない風に見せるとなお良い。

 ゴブリンは態度を一変した私からただならぬオーラを感じたのか、一歩恐れるように後ろに下がった。

 そして、もう一歩堂々と私はゴブリンの前へ進む。

 やっぱりゴブリンも、一歩下がる。

 

 一歩進むと、ゴブリンも後ろに下がる。

 その繰り返しをして……。

 ついに私の奥義がゴブリンに炸裂する。


「グ、グギャ!?」

「ふふ、怯えているようね…。見せて上げる…私の奥義を…。」

「グギギッ……。」

「ひっさーーーーつ!!」

「グギャアア!?」


 さらに私はゴブリンの近くへ、もう勢い良く一歩進む。

 まるで手から何かが出ますよー出るんですよーっと思わせるために、思いっきり手を前に出す!

 その時に、ゴブリンをまるで下等生物を見るような余裕の表情を忘れない。

 ゴブリンは私の手から何かが出ていると、勘違いをしているのか…私の手から逃れるために後ろに飛んだ。

 そして…穴に落ちた。

 

「グッ、グギャアアアアアアアアアッ!グギッ…。」

「やったぁ!ゴブリンが穴に落ちたぁ!い、今の内に逃げないと!へへっ、私に腹パンしたんだから当然の報いだよね!おまけにコレもあげる!」

「ガッ……。」


 さっき見つけた穴に、ゴブリンを落としただけ。

 たったそれだけのために、私は大きな態度をゴブリンに取ったのだ。

 ゴブリンは穴の中で、後頭部を強打したみたいで目を回していた。

 追い討ちで足元に落ちていた野球ボール並みの大きさの石を思いっきり投げて、ゴブリンの急所に当てた。ゴブリンは一度跳ねて、静かになった。


 うっ!?ゴブリンが口から泡吹いて死んでる。

 男性のアソコを殴打すると、死ぬほど痛いって聞いた事があるから試して見たんだけど…。

 本当に死んじゃったよぉ!?ほどじゃなくて本当に死ぬからコレ!

 ゴブリンもプラプラさせて無いで、ちゃんと何かで防御しないとダメだよねぇ……。

 もう、ゴブリンは死んじゃってるから注意出来ないけどね。


 それはそれとして、初めて魔物を殺したんだけど……この先、こんな事ばっかりなのかなぁ。

 ゴブリンなんかで、苦戦してたら……何時になったら、日本に帰れるの?

 勇者の力って本当に私にあるの?

 ううっ、いろいろ疑問が浮かんでも誰も応えてくれない。


 ねえ、お母さん?

 日本に帰してよぉ…。

 勇者したくないから、帰してよぉ。


 日本に帰りたい。


 それで、ただいまーって言って、家に帰ってゲームしたい。

 家に帰って、ゲームしたいよぉ…。

 お母さんとお父さんとお姉ちゃんが居る家の中で、ゆっくりくつろいでゲームがしたいなぁ…。

 お母さんがゲームばっかりする私をしかってぇ、お父さんがそれを見て慌ててるの。

 お姉ちゃんはショボンとする私を慰めてくれて、後でこっそり私にお菓子をくれるの。

 ……。


「ふぅ…ホームシックになっちゃたのかな私……んっ?ゴブリンの死体が発光してる?」


 ぽんっ。


 ゴブリンの死体が発光して消えたと思ったら、コンビニのオニギリが出てきた。

 私も何言ってるのか分からないけど、本当の事なのでしょうがない。

 もしかして、RPGで言う……ドロップアイテムなのかな?

 穴の中から、オニギリを取ってみた。


「わぁ…オニギリが出来たてみたいに、暖かい。……あちっ。」


 ビニールに包まれたオニギリは、手で取ってみると今作りましたって言うぐらいに暖かかった。

 緊張で冷え切った手で、オニギリを触ると気持ち良い。


ゴブリンに会心の一撃!


とくに戦闘してない2話でした。



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