5 全て焼きつくせ そして時期はずれのあれは叩き割ってしまえ!
これで完結です。上手く出来てなくてすいません。
定刻になりましたので、これより山が丘三丁目町内会の定例会を始めます。役員と班長さんが月一度、町内会館にて一同に介する日です。
「議題1は、毎年恒例秋のBBQ大会についてです。お手持ちの、BBQ大会と書いてある資料をご覧ください」
私が集まっている班長に向かって言いました。
「会長、資料が足りません」
数名の班長さんが手を上げました。資料のコピー枚数を数えていたら、ドアの近くに座っていた太郎さんが、言いました。
「では、私が5部程、焼きつくしてしまいましょう」
太郎さんはすっと立ち上がり、どこかへ消えました。周りがざわつきました。焼かれたらどうしようと、言う声も聞こえます。
「あれ、そういえば、コピーって焼くともいうよね」
とある班長さんが言いました。
しばらくすると、資料をコピーした太郎さんが戻ってきました。
BBQ大会当日。この前掃除した公園ではなく、電車に乗って町内会管轄外のBBQができる大きな公園に来ています。
「フフフフフ、肉よ。火ぃつけるぞ。そしてすべてを焼きつくせ」
太郎さんがかまどの用意をしています。班長さんもそれぞれの役割で動きます。
「あの〜。太郎さん、焼き過ぎです。まだ皆さんそんなに食べていないから」
同じかまどの役割の、野村さんが言いました。
「これは焼き過ぎだ、これで滅亡だ」
太郎さんは焼き過ぎた肉を、トングでつまみゴミ袋に入れました。
BBQ大会は和やかに過ぎて行きました。野村さんが家に余っているスイカを持ってきたので、スイカ割りをしましょうと提案しました。
「え、今スイカ、時期はずれじゃない」
そんな声もありましたが、希望者はスイカを棒で叩き割る事になりました。
スイカにトドメを入れたのは太郎さん、割れてもなお、スイカを叩き割ろうとしていたのを止めました。
「まだ、火をつけるもの、ありますよ。明るいけれど、やってしまいましょう」
と野村さんが太郎さんに花火を見せました。
「火ぃつけるぞ」
太郎さんが燃えています。
とんでもない人が引っ越してきたと思いきや、案外街に馴染みそうです。悪野って事は異世界では悪人だったのかな。
読んでくださって、ありがとうございました。次は魔法も転生もない話を書いてみたいです。