第二十四話 初めての……
二週間程経ち、初めてミュンと魔物を狩りに行くことになった。
みなが寝静まった21時くらいだろうか、そっと家を抜け出す。
俺はまだ自分の実剣を持っていないので武器はナイフとスリングショットだけだ。だが、魔法もあるし、ミュンもいるので恐ろしさは感じなかった。ミュンは最初だから弱い魔物がいる所に連れて行ってくれるそうだ。
村を流れる川を川沿いに1時間ほど上流まで行き、東の森に入るとそのまま30分ほど進む。すると、森が薄くなり林の中に石がごろごろとしている辺りまで来た。ミュンが言うにはここらには数十cm程度のナメクジのような魔物が出るらしい。あまり動きも速くなく、毒を持つなど危険なことも無いそうだ。考えてみれば長さ1mのナメクジだとしても、所詮はナメクジだ。何匹にもたかられて押しつぶされなければ確かに問題はないだろう。また、このナメクジは木の上にいてその下を動物が通りかかると落ちてきて噛み付いて血を吸うらしい。なんだ、ナメクジじゃなくて蛭か?
とにかく用心深く林の木の枝を見てみる。暗くて良く判らないので鑑定を使ってみた。すると、いるわいるわ、あちこちの枝に蛭がいることが判った。一匹鑑定してみよう。
【 】
【両性/29/5/7433・ラージリーチ】
【状態:良好】
【年齢:1歳】
【レベル:1】
【HP:11(11) MP:1(1)】
【筋力:1】
【俊敏:0】
【器用:0】
【耐久:4】
【特殊技能:吸血(Lv.1)】
なんだ、こいつ、大したこと無いな。因みに、今の俺はこんな感じだ。
【アレイン・グリード/5/3/7429 】
【男性/14/2/7428・普人族・グリード士爵家次男】
【状態:良好】
【年齢:6歳】
【レベル:2】
【HP:24(24) MP:4164(5379) 】
【筋力:4】
【俊敏:4】
【器用:3】
【耐久:3】
【固有技能:鑑定(MAX)】
【固有技能:天稟の才】
【特殊技能:地魔法(Lv.5)】
【特殊技能:水魔法(Lv.5)】
【特殊技能:火魔法(Lv.5)】
【特殊技能:風魔法(Lv.5)】
【特殊技能:無魔法(Lv.7)】
【経験:2849(6000)】
持っているナイフは
【ナイフ】
【鉄】
【状態:良好】
【加工日:3/9/7431】
【価値:960】
【耐久:100】
【性能:10-40】
【効果:無し】
ナイフで思い切り攻撃すればほぼ一撃で死ぬような感じがする。俺もこのナイフだと一撃で死ぬような気もするが。と、言うか、ナイフで思い切り攻撃されて一撃で死なない6歳児なんて居るわけも無いか。
さて、木の上に蛭が沢山いることはわかった。同時に蛭がたいした敵ではないことも理解した。あとは何一つ罪のない蛭達を狩り殺すだけだ。だが、どうやって?
「ミュン、木の上に沢山いるぞ、だが、どうやって落とすんだ?」
「見ていてください。最初に私がやります」
ミュンはそう言うと手近な木に駆け寄り、すぐに飛び退った。ミュンめがけて数匹の蛭が落ちてきた。落ちてきた蛭はうねうねともがくようにしていたが獲物が近くにいないことにすぐに気がついたようで、うぞうぞしながら木に戻ろうとし始めた。ミュンはすかさず一番近くにいる蛭に対して攻撃する。ミュンの武器は木の棒だ。棒の長さを生かして少し離れたところから蛭を叩く。数回も叩くと蛭は潰れて動かなくなった。
「うーん、あんまり効率は良くなさそうだな。ミュン、ちょっと俺の後ろに居てくれ」
出来るかどうか。今までやったことのない魔法を使ってみる。風魔法で大量に風を生み出し、無魔法で吹き荒れさせてみる。MPを10ばかり使ってみたが、一匹も落ちてこない。そりゃそうか。嵐のときに蛭が沢山落ちてくるなんて話は聞いたことないし、確か蛭には吸盤があったはずだ。
ならばどうするか、簡単だ。前世から蛭にかまれたらタバコの火を押し付けるとかライターでちょっと炙るとか言われてた。今度は風魔法に加えて火魔法で温度の高い風を作り出してみる。火を出して山火事にでもしたら大変なので百度くらいでいいのかな?
今度は上手く行ったようだ。ぼとぼととものすごく沢山の蛭が落ちてきた。俺の前方20mくらいに風を生み出したが、範囲内の蛭は全て落ちてきたんじゃなかろうか。落ちてきた蛭は風の熱さから丸くなっている。ミュンを振り返ると感心したように俺のことを褒めてくれた。さて、あとはミュンを真似て俺も遠くから安全に棒で叩き潰そう。
最初の1匹を叩き潰してから俺を鑑定してみると経験値が13も増えていた。ふざけんな。こんな簡単に6~7日分の修行を上回る成果を出せていいのかよ。だが、そんな不満なぞすぐにどうでも良くなった。どんどん叩き潰していく。経験値もどんどん増えていく。まさにウハウハだわ。
と、自分を鑑定しながら次々に蛭を叩き潰していると、あることに気がついた。蛭のHPはだいたい10前後なのだが、経験値はそのHPに2を足した数だけ入手できているようだ。だが、ある程度潰すとHPに4を加えた数の経験値が入手出来るようになった。鑑定ウインドウでは変わったところは……あった。固有技能の天稟の才のレベルが今まで表記がなかったのにLv.1になっている。あわててサブウインドウを開いてみる(今まではサブウインドウを開けなかったのだ)。
【固有技能:天稟の才;レベルに応じて入手経験値が増加する。レベル当り20%の増加。小数点以下切捨て】
なにぃぃぃぃ。
なんじゃそら。
今まで一度に5以上の経験を稼いだことがなかったから解らなかったのか。
だから天稟の才の技能のレベルも上がらなかったってことか。
ちっくしょ。
まぁ、いい。
まぁいいよ。
これから狩りを続ければおのずと技能のレベルも上がるだろうし。
しかし、これ、無茶苦茶だな。
鑑定の技能と同じく最高レベルが9だとしたら200%アップか。
普通の人の3倍の効率で成長できるとか、イカサマだ。
レベルアップ時の能力の増加も3倍。
合計9倍の成長速度かよ。
ああ、まさに天稟か。
やばい、興奮しすぎて何の罪も無い蛭を叩き潰すのを忘れてた。
この日は40匹あまりの蛭を叩き潰して天稟の才はLv.3になった。
経験値も600以上入った。
ミュンに「あまり殺しすぎると蛭がいなくなってしまいます」と言われるまでニヤニヤしながら狂ったように蛭を叩き潰していた。狂人かっつーの。
蛭を殺した後始末のほうが嫌だった。ぐちゃぐちゃになった蛭の死体から吐き気を抑えつつ魔石を採り、一つに結合する。その死体を一箇所に纏めると、ミュンの腕輪の力で水に変える。気がついたら真夜中になっていた。
ミュンが言うには、あの蛭の場所には数百匹の蛭がいるらしいのでそうそう絶滅はしないだろうが、蛭は生まれてから1年ほど経たないと成長しきらない(多分レベル1にならないという事だろうか)のであまり殺しすぎるのは良くないそうだ。
確かに蛭を殺しつくすのはまずいな。今日のようなペースで狩り続けたら2~3週間で絶滅だろう。たった一晩で蛭の全人口(?)の数%も殺したら蛭界の大事件だ。一晩でバークッド村の人口が40人も死んでしまったらということを考えるとわかりやすいな。いくらでかくて気持ち悪いとはいえほぼ無抵抗に近い相手に安全に経験を稼げるとは思わないほうが良さそうだ。
・・・・・・・・・
あれから数週間が経ちその間何度もコリサルペレットを流しに行った。まだミュンへの連絡員の接触は無いようだ。だが、そんなある日、定期的にやってくる隊商の護衛に見知らぬ男が混じっていた。これあるを予期してあれから狩りには行っていない。腕輪の魔力を使わないようにするためだ。ミュンに確認するとやはり連絡員だろうとのことだ。通常、隊商は村で2泊するはずなので、接触があるとすれば今晩か明日の夜だろうと踏んでいた。
思惑通り、翌日の昼にミュンに接触があったらしい。洗濯をしているミュンに近づいた男は「今晩の真夜中に村の南の川が合流する地点で待つ」と話しかけてきたらしい。俺は男の鑑定をして能力を確かめていたが、レベルは12でそれなりに強いようだった。しかし、魔法で一気にカタをつけられると思っていたので、ミュンに今晩は俺が予め出向いて待ち伏せをし、有無を言わさず始末することを告げた。
ミュンは危険だと反対したが、死体の始末のために真夜中過ぎに待ち合わせ場所に遅れて来ることを指示し、目覚ましの小魔法を久々に使って確実に目が覚めるようにしてから晩飯を食うとさっさと眠った。
少し早めに待ち合わせ場所に着くと、俺は少し離れた場所に生えている木に登って連絡員が現れるのを待つ。ちょっと落ち着かない気分になったが程なく連絡員が現れた。彼は松明を持っていたので遠くからでも近づいてくるのが良く見えた。鑑定をして間違いなく連絡員であることを確認すると用心深く彼がこちらに背を向けるのを待つ。
しかし、連絡員は河原に丁度いい石を見つけるとその石にこちら向きに座ってしまった。姿勢を変える様子もなく、ただ座り込んでいる。まずいな。これだと不意打ちが難しい。仕方ないので無魔法を使って適当な石を川の中に投げ込んでみようか。いやいや、松明はまだ消えていないので石が飛ぶところが丸見えになる恐れがある。
どうしようか。
このまま時間が経過すれば後始末のためにミュンが来てしまう。木になんか登らなければ良かったな。正面から仕掛けてみようかとも思うが彼我の距離は100m程だ。上手くいけばいいが、失敗したりかわされたりしたら10秒あまりでこちらに来てしまうだろう。その間に木から降りて迎撃、は難しそうだな。やはり一度は視線の方向を変えないとだめだろう。
地魔法でちょっとした土の塊を飛ばしてみようか。これならいくら松明があっても気づかれにくいのではないだろうか。よし、やってみるか。レベル2くらいのどんぶり一杯程度の土を生み出すと無魔法の誘導を使ってそれを男の後ろを流れる川に投げ込む。予想通り『ドボン』という音がして男が振り返るのが見えた。今だ!
俺はミュンを捕縛するときのように大量の土を生み出すとドーナツ状に変形させて男へと飛ばす。ミュンのときよりも大量に無魔法に魔力をつぎ込み、あっという間に男の頭上に土を運ぶと一気に押し固めた。よし、何とか成功したな。
滑らないように気をつけて木から降りると誰かに悪態をついている男の背後からゆっくりと近づき、またミュンの時のように男の頭の周りに土壁を作る。そして後ろから声をかけた。
「さて、こんな時間にこんな所で何をしていたんだ?」
「だ、誰だ!」
「誰でもいい。質問に答えろよ」
そう言うと水魔法で男の頭上にバケツ一杯くらいの水を生み出した。生成された水は当然男に降り注ぎ、表面を滑らかに固めた土壁によって流出を阻まれる。男と土の間のわずかな隙間から微妙に漏れているだろうが、その程度はいい。お椀のようになった土壁の底に水が溜まると水面は男のあごくらいまでになっている。
「質問に答えないと、もう一発水を出すぞ」
「ひっ、わ、わかった。何でも言う。何を言えばいいんだ?」
「だから、こんな所で何をしていたのか、と言うことだよ」
連絡員はびびりながらも俺の科白でそろそろミュンが来ることを思い出したのだろう、多少強気に答えた。
「俺は、一人じゃないぞ、仲間が居るんだ、だか「はい、水」
今度はどんぶりくらいの水を出す。
「仲間を待っていたんだ。ここで落ち合うことになっている」
「最初から言えよ。で、仲間って?」
「この村の住人だ」
「ほう、お前は昨日来た隊商の護衛をやっていたよな。なんでその仲間が村の住人なんだ?」
「昔からの知り合いなんだ。話でもしようと思って……」
またどんぶりくらいの水を出す。
「嘘じゃない、本当だ、もうすぐここに来るはずだ」
「そうか、で、なぜこんな時間なんだ?」
「そ、それは……」
「ああ、人に見られたくないんだよな、何しろ貴重な情報かもしれないしな」
「!!……。な、なぜ……」
よし、確証も取れたな。どうせ背後関係なども喋らないだろうし、もう始末するしかないかな。
「捕まった間者がどうなるかは知っているよな? 喋らないならもういいや」
「ま、待ってくれ、何が知りたいんだ? 何でも言う」
「そうか、だが、大したことは知らないんだろう?」
「くっ、だ、だが、俺を殺したらその調査でもっと調査員が来るぞ」
「来てどうする? お前の死んだ原因を調べて、それが俺に殺されたと判ったとして、どうなる? お前の仇でも取ってくれるのか? 俺に襲撃でも掛けるのか? たかが間者の連絡員の為にわざわざそんなことをする奴がいるとは思えんな」
「な、どこまで……」
「間者とはどうやって連絡を取った?」
「そこまでは判らん。俺は間者が連絡を取りたがっているから接触しろ、と指示を受けたに過ぎん」
うーん、まぁ嘘じゃないだろ。嘘だったとしても別にどうでもいいし。
「その指示は誰から受けた?」
「ベグルの旦那からだ」
ベグル? 誰だそりゃ。
「そいつは普段何をしているんだ?」
「だ、旦那は普段はキールに居るらしい。何をしているのかまでは知らねぇ。たまにここらまで来て合図が無いか確認しているらしいが、どんな合図なのかまでは俺は知らないんだ、本当だ!」
「ベグルにはどうしたら会える?」
「俺からは連絡が取れない。何かあったら向こうが俺のところに来るんだ。それで指示をする。今回はバークッドまで行ってミュネリン・トーバスという女に会って情報を受け取れと言われたんだ」
ふーん、そうなっているのか。じゃあ、問題はそのベグルという奴を騙せるかどうかだな。だとするとこいつをここで始末するのは都合が悪いか? そこまで考えたとき、運悪くミュンが現れてしまった。連絡員は新たに現れた人影がミュンだと判ると少し安心したのか、ニヤリと笑みを浮かべる。しかし、その直後にミュンが
「アル様。首尾よく拘束できたようですね。情報は取れましたか?」
と言うのを聞いて、自分が絶体絶命の窮地にあることを再認識したらしい。また、ミュンに嵌められたと理解もしたのだろう。ミュンを罵り出した。
ああ、ミュン。出てくるの早いよ。ってか俺が死体の始末の為に遅れて来いって言ったんだっけ。なら俺のせいだな。
「ああ、今締め上げていたところだが、大した情報はなかったな。じゃあ処分するか」
仕方ない。生かして帰し、ミュンが死んだと偽装しようと思ったが、それは失敗だ。今更誤魔化すことは無理だ。ここで始末するよりないな。こいつも護衛中に隊商を離れるのにはそれなりの理由を付けて出てきているはずだし、死体を消してしまえば俺達が処分したことはばれる事はないだろう。
こいつには何の恨みもないが、間者の一味として動いていたことは間違いがないだろうし、先日のミュンの話から、間者は見つけ次第殺すのが常識らしい。特に目的も無いのに殺しもせずに見逃す方がおかしいだろう。水で溺死させるのは見ているほうが嫌だし、本人も苦しかろう。
「ま、待ってくれ! 殺さないでくれ。何でもする!!」
「間者には死あるのみだろ」
残酷だがこの男とミュンは代えられない。俺はナイフを抜き男の首筋に当てる。
「頼む、殺さないでくれ!! もう間者はやらねぇ!! なぁ、頼むよ!!」
命乞いをする相手にナイフを突き立てるのはよほどの決心が要るのだな、と思う。だが、ミュンが生きていることを知られ、ついでに俺の名前も知られた。調べればグリード家の次男だと簡単に判ってしまうだろう。もう生きて帰すことは諦めるしかないだろう。
俺は更に水を出し、男の口元まで水位が上がったことを確認する。首からの返り血を受けないようにするためだ。命乞いをする男の首筋に当てたナイフに力を込めると同時に思い切って引いた。
血が噴き出しているようだが、水を張ってあるため俺にかかることはなかった。更に水魔法で水を出し、血の混じった水で汚れた手を洗う。確実に男が死んだことを確認する。ここまでは機械的に行うことが出来た。だが、ミュンに「この男の魔石はどうしますか」と聞かれて我に返る。こいつの体を切り裂いて魔石を取るのか? 人間にも魔石ってあるのかよ?
黙りこんだ俺に気を使ったのだろう。ミュンは腕輪の力を使い、死体を水に変える。ああ、そうだ。さっさと片付けて帰らなきゃな。無魔法を使い、男の埋まっていた穴を広げる。服や財布が出てきた。
財布には銀貨と銀朱、銅貨などが入っていた。今は金に興味は無いのでミュンに渡す。服なども穴を掘って埋めてしまおう。とっくに火の消えた松明は川に流してしまえ。ん? これは剣か。男が腰に吊っていた剣がある。
【ブロードソード】
【鉄】
【状態:良好】
【加工日:3/9/7428】
【価値:97500】
【耐久:500】
【性能:100-150】
【効果:無し】
剣を手に持ってミュンを見上げる。
「それはいただきましょう。今後の狩でも役に立つはずです。どこかに隠しておけばそうそう見つかることはないでしょう」
そんなことを聞きたかったんじゃないんだがな……。
俺達は粛々と男の遺品を拾い上げ、現金と剣以外は処分したほうが良さそうだったので穴を掘って埋めるのではなく、火魔法で焼き尽くし、灰は水魔法で流して処分した。
全ての処分が終わった頃には俺はすっかり落ち着いており、この男から連絡がなかったベグルがどう出てくるのか考え始めていた。
二人とも黙ったまま、家に帰る。家に帰った後、MPを使い切ろうとして気がついた。なんとレベルが上がっていた。
【アレイン・グリード/5/3/7429 】
【男性/14/2/7428・普人族・グリード士爵家次男】
【状態:良好】
【年齢:6歳】
【レベル:3】
【HP:30(30) MP:5242(5380) 】
【筋力:5】
【俊敏:5】
【器用:4】
【耐久:4】
【固有技能:鑑定(MAX)】
【固有技能:天稟の才(Lv.3)】
【特殊技能:地魔法(Lv.5)】
【特殊技能:水魔法(Lv.5)】
【特殊技能:火魔法(Lv.5)】
【特殊技能:風魔法(Lv.5)】
【特殊技能:無魔法(Lv.7)】
【経験:6098(10000)】
なんと、2600くらいの経験が入っている。あの連絡員ってそんなに強かったのか? 確かレベルは12でHPは120ちょっとだったような気がする。天稟の才Lv.3で経験値は80%増しのはずだ。それを差し引けば1400あまり。あの男の本来の経験値は1400ちょっとというところだろう。
とにかく、今度のレベルアップでは全部の能力が上がった。ひょっとして戦闘で魔法は使ったが、直接ダメージを与えるような使い方はしていないし、結局自分の手で殺したからだろうか? よくわからん。
そういえばゴムの発表会からそろそろ2ヶ月が経とうとしている。
耐久性のテストは順調だ。
あとは親父の許しが得られれば量産に入れるな。