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キョーハク少女  作者: ヒロセ
第一章 キョーハク少女
27/163

とっても勘違い

 火曜日。

 今日も一日頑張ろうと、気合を入れて校舎内に入った僕だったけれど、下駄箱でその気合がへし折られた。


「手紙が……入ってる……」


 この前もらった手紙と同じ封筒だ!

 手紙を持って慌ててトイレへ。

 うう……。ラブレターじゃないのが悲しい……。

 個室に入り手紙を開封。

 まあ、当然呪詛でございます。

 えっと、

『警告したはずです。有野さんに近づくなと』

 そんなの、自分勝手だよ。

 封筒の中身は手紙だけではなかった。


「……!」


 粉々に切り裂かれた僕のライトノベルだ。その破片が封筒の中に入れられていた。

 やっぱり前橋さんが切り裂いていたんだ……!


「……。どうしよう……」


 どうすれば前橋さんに許してもらえるんだろう。

 雛ちゃんに近づかなければ怒られないんだろうかれど、そんなのは嫌だ。雛ちゃんは高校初めての親友だもん。理不尽なお別れは絶対にしたくない。

 でも、どうしよう……。

 なんだかこのままでは命が危ない気がするよ……。

 いい考えが浮かばない僕は、とりあえず手紙をしまって教室へ行った。

 教室にたどり着き、扉に手をかけたところで僕は引き止められた。


「佐藤、佐藤っ」


 小声で僕を呼んでいる。誰だろう?

 辺りを見渡してみると、柱の影から誰かが僕に手招きをしているのが見えた。

 柱の影から覗いているというのはこの前の前橋さんを連想してしまうけれど、今度は男子みたいだから安心していいよね。

 近づいてみる。


「あ、小嶋君。おはよう」


「お、おう」


「どうしたの?」


 何か、秘密の話かな……。

 え。もしかして僕殴られるの?


「その、DVDは……」


「あ、うん。僕小嶋君が気に入りそうなアニ――」


「しーずかにしろぉ~……」


「え? うん……?」


 アニメっていうのが恥ずかしいのかな。


「よし、今渡せ」


 あたりをきょろきょろと見渡している小嶋君。そこまで警戒しなくてもいいと思うけど。


「うん。はい」


 僕はカバンの中からDVDを出して渡した。


「しょ、しょうがないから、見てやるんだからな。別に佐藤の為じゃねえんだからな」


「え、あ、うん」


 ツンデレだ。


「明日返す」


「え、明日?」


「あ? 明日は都合悪いとでもいうのか?」


「う、ううん。そんなことは無いけど……」


 結構長いから明日は無理だと思うけど……。まあ、いいや。


「うん。分かった。もしよければ、他のも持ってくるから」


「ん、ん? そうだなぁ? まあ、佐藤がどうしてもっていうんなら、見てやる」


「うん。どうしても」


「しょうがねえな。見てやる。見てやるから、持ってこいよ」


「うん」


 やった。またチャンスをくれるんだ。いい人だなぁ。


「じゃ、じゃあ、そういうことで」


 そそくさと教室に入って行った小嶋君。

 なんだか様子がおかしいけれど、見てくれるのはいいことだから問題はないよね。

 僕はいい気分で教室に入った。

 が、前橋さんと目が合って背筋に冷汗が流れる。

 目が合うだけで怖い……。


「よう、優大」


 ドアの前に突っ立っているところ、後ろから肩を叩かれた。


「あ、雛ちゃんおはよう」


「おはよう。どうしたんだこんなところで突っ立って」


「え、あ、なにも無いよ」


「……また何かに怯えてんな……。若菜か……」


 ほにゃんとした目を恐ろしい目に変えて教室を見渡す。


「あの、雛ちゃん」


「なに」


 う、そのままの目で僕を見ないで……。ちょっと、怖いです。


「その、僕が楠さんに何かをされているっていうの、勘違いだからね?」


「ああ、分かってる。私には全部分かってるから。そうだな、お前は何もされていない」


「本当だよ? 僕何もされてないよ?」


「何もされてないな。うん。そうだな」


「……本当に、分かってくれた?」


「もちろんだ。何もかも分かってる。お前が心配するようなことは、何もない」


「う、うん。なら、いいんだけど……」


 ……本当かな?


「有野さん! おはようございます!」


 突然僕を押しのけ前橋さんが雛ちゃんの前に立った。


「おはよう未穂。今日も楽しそうだな」


「はい! とっても楽しいです! ……ある人間がいなければ……」


 きらりと光を反射しているレンズ。きっとその下では僕を睨み付けているんだろう。


「ぼ、僕、自分の席に戻るね」


「え、ああ、私も行くわ」


「……佐藤……優大……」


 名前を呼ばれるだけで怖い!


「ななななんだか今日は眠たいからちょっと僕寝ようと思うんだ!? その、前橋さんも雛ちゃんと一緒にいたいみたいだし今日のところは僕一人にしてくれないかな?!」


「なんだ? 夜遅くまで勉強してたのか?」


「うん! そうなんだ! 僕バカだから、毎日たくさん勉強しないと大変なことになるからね!」


「ならしょうがねえな」


 雛ちゃんが前橋さんを引きつれて自分の席へ。


「……佐藤……優大……」


 もうやめてください……。

 なんだか最近学校で落ち着けないなぁ……。

 僕の平和な日々はどこへ行ったのだろう……。






 あっという間に時間が過ぎて、放課後になった。

 今日も委員長会議が開かれる。

 当然、前橋さんもいらっしゃる。


「……」


「……」


 空気が重い。

 雛ちゃんは怒っているし楠さんはムッとしているし前橋さんは雛ちゃんを見てうっとりしているし……。

 ……よし、ここは、僕が一つ、ガツンと気合を入れよう! 委員長会議はクラス皆の為に開かれているものなんだから、僕らの個人的な事情は置いておかなきゃね! それに勇気が必要だって教えてもらったんだし、ここでそれを実践しなくちゃ僕はダメになる! ビシッと言って、みんなを引き締めよう!


「あ、あ、あの……、みんな、その……話し合い、しよう?」


「……」


「……」


「はぁ、はぁ」


 う……、誰も答えてくれない……。

 強引にでも進めた方がいい気がする。


「昨日、楠さんが言っていたこと、その、僕、考えてきたよ」


「……ふーん。そう」


「ふーんそうって……。お前せっかく優大が考えてきたんだから、褒めるなりなんなりしろよ!」


「それはごめんなさい。代わりに有野さんが褒めてあげて」


「はぁ、はぁ、あ、鼻血……」


 前橋さん、自重して……。

 楠さんと雛ちゃんの関係、明らかに昨日よりもギスギスしている。

 ……はぁ……。

 実は、放課後にいたるまでに、この二人は何度も衝突しているのです……。

 雛ちゃんはずっと楠さんのことを睨んでいたし、楠さんも最初は我慢していたようだけど、さすがに限界が来たみたいで本当の楠さんがちらちらと顔を覗かせている。

 一触即発だよ。


「優大、よく考えてきたな」


 楠さんに言われたのでかどうかは分からないがにっこり笑顔で僕を褒めてくれた。


「考えることは小学生にもできるけどね。その内容が重要なのにそれも聞かずに褒めるなんて……」


「うるせえな。考えてきたことは偉いだろうが!」


「そうですね。偉い偉い」


「てめぇ……」


「そんなに怖い顔で睨まないでよ。私は女の子なんだから」


「私『は』ってなんだよ……。まるで私が女じゃねえみたいな言い方だな」


「そう捉えるということは自覚があるんじゃない?」


「……あはは。若菜は面白い奴だなぁ……!」


 雛ちゃんのこめかみに青筋が浮かんだ。

 こ、こここれはたた大変だぁぁぁぁ……!

 二人で会話をさせていたらとんでもないことになる! 間違いないよ!

 前橋さんは雛ちゃんを眺めることで精いっぱいだし、僕が何とかせねば……。


「あの、みんなは、何か、考えてきた、かな?」


 とりあえず会議を進めれば……!


「私は何も考えてないかな。ちょっとイライラしててね」


「奇遇だな。私もイライラして何も考えられなかったんだ」


「へぇ、そう。でも一緒にしないでほしいな。私は理由があるけど有野さんには理由がないでしょ?」


「あるに決まってんだろ。大切な友達に酷い事している人間がいるんだ。ムカつくだろう」


「それが私だって言いたいの? 言いがかりはやめてもらいたいね。私が何したっていうの?」


「……それは、何も聞いてねえけど……」


「へー。もしかして、私がその人に何かをしているっていうのも、有野さんの妄想なんじゃないの?」


「く……! でも、確かに若菜を見て怯えているんだ! 何もしてないっていうんなら、その理由はなんなんだよ!」


「さぁ? 怯えているのも気のせいじゃない? 妄想力豊かだねホント。全然羨ましくないけど」


「ぐぐぐ……! て、てんめぇ……!」


 くやしそうだ! 大変だよ! 机をひっくり返しそうな勢いで握りしめているよ!


「あ、あの、今は、会議だし、その、ね。喧嘩は、やめようよ!」


 僕が止めなきゃ……。

 だって、前橋さん雛ちゃんの横でトリップしているんだもの……。

 僕以外にいないよ……。


「……優大? お前、若菜に何かされてるよな? 何されてる?」


 雛ちゃんの優しい笑顔。

 でも内心穏やかじゃないね……。


「僕、何もされてないよ?」


 楠さんの目の前でばらせないよ。


「優大。安心しろ。お前は私が守る……!」


「雛ちゃん……」


「佐藤佐藤佐藤……!」


 前橋さんが雛ちゃんの後ろで修羅っていた。


「ひっ」


 怯えた僕を見て雛ちゃんが叫ぶ。


「あ! ほら見ろ! 優大が怯えてるじゃねえか!」


「それは有野さんに対して怯えているんでしょ。怖いもの」


「怖くねーよ! なぁ? 優大……?」


 とても怖い顔で同意を求められた。


「は、はい……怖くないです……」


「ほら見ろっ、怖くないってよ!」


「いやどう見ても脅していたでしょ」


 うう……ごめん雛ちゃん。少し怯えてしまいました……。

 今度は楠さんがにっこり笑顔で僕に聞いてきた。

 当然内心穏やかではない。


「私何もしてないよね、佐藤君? ……………………レイプ……」


「ななな何もされていませんよー?! まったく、何もされていませんよ!?」


「どう見ても怯えてるじゃねえか! あと若菜最後になんて言った? レイク? 湖?」


「え? ううん? プって言ったの。レイ――」


「そんなことよりもぉ! 会議をぉ! しようよー!」


 無駄にがたがた机を鳴らす僕。


「ちょっと佐藤君。暴れないでよ。うるさい」


「うるさくもなりますよ! その、ね! 僕考えてきたんだ!」


「それは凄い。ほら、褒めてあげてよ有野さん」


「褒めるよ! 偉いなー優大」


「ぐるるるるるる……」


 前橋さん! お願いだから僕を威嚇しないで!

 とにかく、発表しないことには始まらない!


「僕が考えてきたのは、和菓子喫茶? と言えばいいのかな……。喫茶店じゃなくて、茶店ちゃみせ、って言った方がいい気がする」


「茶店? 和菓子出すのか?」


 雛ちゃんが話に食い付いてくれた。


「うん。普通文化祭の喫茶店って言ったらケーキとか、ドーナツとか、洋菓子を振舞うと思うんだ。でも和菓子ならちょっと珍しいかもって思って」


「へぇ……。結構いいんじゃねえか? 未穂もそう思うよな?」


「え?!」


 突然振られて驚く前橋さん。

 ものすごく葛藤している。

 雛ちゃんと仲のいい僕を褒めることは死んでも嫌だけれど雛ちゃんを批判することも死んでも嫌だ、と。

 その結果。


「い、いいんじゃぁ、ない、でしょう、か……と、思い、ます……」


 苦悶の表情で雛ちゃんに同意した。地獄の苦しみを味わうことになったみたいだ。


「ふーん。佐藤君の割にはまともな意見だね」


「てめえ優大の割にってのはどういう意味だ! 優大は凄いだろうが!」


「具体的にどんなところが?」


「……そりゃ、優しいところとか……」


「他には?」


「……可愛いところとか……」


「他には?」


「……」


「え? 他には?」


「……」


「なになに? 他には?」


「……っ」


「まさか、もう打ち止め? 有野さんの言う優大(笑)のすごいところってそれだけなんだ。それは凄いねー」


 ちょっと待って? なんで今僕の名前に(笑)がついたの?


「う、うるさい! 優大は言葉じゃ言い表せないくらいすごいんだ!」


 とっても恥ずかしいけど、嬉しいね。でも、嬉しいんだけど、前橋さんのいないところで褒めてほしかったかな! 多分僕無事に家に帰れないんじゃないかな!?


「まあ、冗談は置いといて、(笑)君の意見いいと思うよ」


 (笑)をとるんじゃなくて僕の名前をとるんだ。


「あ、ありがとう。でも、これを思いついたのは楠さんのおかげなんだ」


「私のおかげ?」


「……なんでだよ優大……。てめえ、どういうことだよ……!」


 ななななんでこんなに睨まれているの?!


「はぁ、はぁ……。あ……貧血気味……」


 前橋さん……。お願いだから、床の掃除は自分でしてね……。


「あのときに食べさせてもらったおはぎがとってもおいしかったから、みんなも食べたらいいのになぁーって思って」


「ああ、あの時の手作りおはぎ……。……なるほどね……」


 納得の表情の楠さんと驚きにあふれている表情の雛ちゃん。


「ゆ、ゆうた?! なんで、若菜の手作りおはぎなんて食べたんだ?! いつ?!」


「え? えーっと、この前楠さんが僕の部屋に来た時に……」


 あれ? これって言ってもいいのかな? 僕が連れ込んだってことになってたんだっけ?


「な、なな、な……!」


 愕然としている雛ちゃん。まあ、確かに僕の部屋なんかに楠さんが来るなんて考えられないよね。衝撃受けても仕方ないよ。


「どーしてわかながゆーたのへやにいってるの?!」


「え、えっと、その……」


 窓の外に立っていたからなんて言えないよ……。信じてくれないし……。

 ここで楠さんの助け舟。


「そう言う仲だから、ね? 佐藤君?」


「え?」


 そう言う関係って、主従関係の事かな? それなら僕の部屋に来てもおかしくないよね。頷いても問題ないよね?


「う、うん。そうなんだ」


 頷いてみた。

 失敗だったのかもしれない。


「…………あ、がががががががががが……」


 雛ちゃんが壊れた。


「ごめんね、有野さん。黙ってようと思ってたんだけど……。ばれたら仕方ないね。私たち、そういう関係なの。くふ」


 なんで最後に笑ったの?


「………………う、う……」


「え?! ひ、雛ちゃん?! なんで泣くの?!」


「ぐす……」


「間違いなく絶対に百パーセント雛ちゃん勘違いしていると思うよ?!」


「か、勘違い……。そ、そう……。……私、勘違いしてたみたいだ……。優大も私の事気になってるのかと思ってた……」


「え?! 雛ちゃんのことは好きだよ?!」


「うう……もう、いい……。嘘はいいよ……優大……」


「う、嘘じゃないよ!」


 どこからどう見ても勘違いされているよねこれ! どういう勘違いかわからないけど!


「うるせぇ!」


 突然怒られた! 泣いている雛ちゃんに怒られた!


「てめえら……! 覚えてやがれ!?」


 カバンを掴んで涙を散らしながら教室を飛び出した。


「ま、待ってください……有野さん……私、貧血で……」


 前橋さんもよろよろとその後を追って教室を出て言った。

 残された僕と楠さん。

 今日も、楽しくない会議の終わり方だった……。

 後で謝ろう……。


「……。怒らせちゃったね佐藤君」


「う、うん。でもなんで怒ったのか僕には分からない……」


「……ぷっ」


「わ、笑わないで……」


「これは、面白い。有野さん、いい気味だね」


「そんな……。なんで雛ちゃんをそんなに目の敵にするの」


「それは有野さんに言ってあげて。私は敵対心なんて持ってなかったんだから」


「……そういえば、雛ちゃんは前から楠さんに突っかかってた、ね……」


 僕の言葉に楠さんが微妙な顔をする。


「……なんだかその勘違いは有野さんが可哀そうだから訂正しておいてあげよう」


「え?」


「有野さんが私に文句を言いに来ていたのは、周りの人が有野さんにそれを期待するからなんだよ。しょうがなく、有野さんは私に文句を言っていたんだよ」


「え? どういうこと?」


「有野さんは、私に嫉妬している人のガス抜きの役割を担ってくれていたの。嫉妬している人の代わりに有野さんが私に言うことで、その人のストレスを定期的に発散させていたっていうこと。溜まって溜まって大変なことにならないように、私の為を想ってやってくれていたことなの。それを知っていたから私は別に有野さんのことを嫌っていなかったし、うるさいとか思っていなかった。昨日まではね」


「そうだったんだ……」


「でも昨日からなんだか普通に突っかかってくるようになってね。しかもどうやらそれは君が私のことをばらしたからみたいだね……。どういうつもり?」


「え、ぼ、僕ばらしてないよ?!」


 まだ。


「……まあ、さっき有野さんもそう言っていたし、そうなんだろうけど。でもだとしたらなんでばれたの? 私は完璧だったはず……。君もいつも通りに見えた。原因は何?」


「えっと、その、多分勘違い……」


「勘違い?」


 昨日あったことを話す。

 雛ちゃんが楠さんと僕の関係がおかしいと違和感を持ったこと。そしてその時にたまたまいた前橋さんを見て僕が怯えたこと。それを雛ちゃんが、僕が楠さんに対して怯えているだと勘違いしたこと。僕が言いそうになったこともちゃんと言ったよ。


「……ふーん。なるほどね……。でもそれが間違いじゃないっていうのが勘違いだと一概に言えないところだね……。まあ、もはやどうでもいいけど。また明日から睨み付けられる生活が始まる。いえ、もっとすごいことになりそうだけど」


「勘違いだよって、教えてあげれば解決するよね」


「無理だね。私たちの脅し脅されの関係を言わない限り納得しないと思うよ。思い込み強いでしょ、有野さん」


「え、う、うーん? そういうところも、あるかな……?」


 あるね。


「そう言うわけで、有野さんはさらに勘違いしてしまっているのでした」


「さらに勘違いって、いったいどういう勘違い?」


「本当に鈍いね。でもどうしようもないからそのままで生きていくしかないと思うけど。じゃあ私は帰る。あ、明日君の和菓子喫茶、みんなの前で発表するから。佐藤君が考えましたって。いいでしょ?」


「え、う、ん。もちろんだよ」


 却下されなかった。よかった。


「それじゃあね。ばいばい。優大(笑)くん」


「それやめてよ……」


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