学園祭(奇妙な一面)
……ある時は宣伝。そしてある時は店番。という休みなしで働いている俺は、店番をしていた。
「いらっしゃいませェ!」
「ど、どうも」
「女性のお客様にはサービスで俺のメアドをお教えいたします」
「はぁ……どうも」
「いえいえ」
よっしゃー! 今日は最悪な日かと思ってたのに最高の日だ! メアドゲッツ!!
さて、次のお客様は……
「……いらっしゃいませー。男性の方はサービスで入場料500円です」
「わかりました。……えぇ!? 何そのサービス! ぼったくりじゃね?」
「500円です」
「いや、だから……」
「500円です」
「……帰ります」
「キャンセル料500円です」
「…………うわぁぁぁあぁあぁぁん!!!」
「ありがとうございました」
500円儲けた儲けた。
「……ハーちゃん」
声が聞こえた方を向くと、麻由美が呆れた顔で俺を見ていた。
「頑張ってるって聞いたから少しは手伝おうかなぁと思ってたんだけどね……」
「おう! じゃあ奥で一杯どうだい?」
「……やめたよ。じゃっ、またね」
「え? 少しだけでいいから二人だけの時間を!」
麻由美の方に手を伸ばすも、前を通ろうとしていたであろう客の男の尻に当たる。
「ィヤンッ!!」
……泣いた。号泣した。野郎なんかの尻を触ってしまった。触るなら美少女の尻がよかった。
しかもなんか気持ち悪い声出すし。
「もうぉ、大胆な人! でも……嫌いじゃないよ?」
「ォエェェェエエェエ!!!」
「リアル!? ちょっ、こいつリアルで吐きやがった!」
「ボロロロロロロロォ!!」
首を振りながら、口から出た異物を撒き散らす。……その異物を見て「オエェ!」と知らないオッサンが異物を廊下にビタビタと貰いゲロ。さらに貰いゲロ。そのさらに貰いゲロ。貰いゲロの連鎖が辺りを一面モザイクで埋める。
最後には訳がわからないまま皆スッキリした顔で握手をしていた。ところどころでは「お前のやつ。なかなかやるな」「ふっ、お前のやつこそ」「「……俺達、友達になれそうだな」」と変なきっかけで友情が芽生えていた。
……もちろん。俺達は後片付けをした。……オェオェ、異物を吐きながら。
「一向に終わる気配がしない。ゥウエェ!」
??? SIDE
奇妙な物体で埋めつくされた廊下で皆が掃除をしているのを、口を手で抑え、階段から見守る。
「立ち去っててよかった」
ひとまず第一声がこれ。
でも焦ったよ。私がハーちゃんと別れてすぐだから。「え? 私のせい?」って最初に思ったからね。
「……気分転換に外に出ますか! じゃあ、ハーちゃん。チャオ」
……今古いと思った人、私のチョップをくらえ! 人のマイブームに口を出すもんじゃない! これ私の家訓。
「あっ! 忘れるトコだった」
私は奇妙な廊下へとハーちゃんに見つからない様に後ろから突入して、ハーちゃんがさっき男の人から取った500円を……
「チャリンッと!」
私のサイフの中にgoing to !!
感想等お待ちしております!
(≧∇≦)




