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ゲームブック:死霊使いの洞窟 作者:いかぽん
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プロローグ/ゲームの説明

 空にはおどろおどろしい暗雲が立ち込め、やむことのない雷鳴が轟いている。

 旅の戦士であるキミは今、邪悪な死霊使い(ネクロマンサー)を退治するため、そのねぐらである洞窟の前まで辿り着いたところだ。

 キミは背負い袋を下ろして、その中から松明たいまつ火口箱ほくちばこを取り出す。
 そして、火口箱の中に収納されていた火打ちがねと火打ち石を打ち合わせ、その火花で、やはり火口箱の中から取り出したおが屑に火をつけると、発生した火を松明に移し取った。
 そうして松明に火をつけてから、火口箱を背負い袋に戻し、その冒険道具が詰まった袋も背負いなおす。

 左手に火がついた松明、右手に剣を構えたキミは、洞窟の中へと慎重に、かつ大胆に足を踏み入れてゆく。
 厚手の衣服の上に身に付けている鎖かたびら(チェインメイル)が、ちゃらちゃらと音を鳴らす──





 ようこそ、ゲームブックの世界へ!

 このテキストは、読者であるキミが、ファンタジー世界でキミの分身となる架空の人物を操ることで、その世界での冒険を疑似体験的に楽しむことができるよう、作られたものである。
 ゲームブックはコンピューターゲームのRPGロールプレイングゲームの前身となったゲームの一つで、今ではもはや前時代的な代物であるが、一方で、このようなゲームでしか味わえないような独特の妙味や醍醐味も存在する。

 このゲームを遊ぶために必要な道具は、このテキストのほかに、筆記用具と適当な紙、それにサイコロが二個だけである。
 これらの道具と、それにキミの想像力とがあれば、キミは剣と魔法のファンタジー世界へと旅立ち、冒険の旅を味わうことができるのだ!



●キャラクター作成

 さて、早速冒険を開始する前に、キミにはすべきことがある。
 ファンタジー世界でキミの分身となって動き回るキャラクターを、創造しなければならないのだ。

 ただし、キャラクターを創造するといっても、難しいことをする必要はない。
 ただキミは、以下のテキストで指示されるとおりにサイコロを振り、必要事項を紙に記入してゆくだけでよい。
 そしてそれだけの作業で、キミは、キミだけのオリジナルなキャラクターを創造することができるのである。



●ステータスの決定

 さて、まずはキミの分身となるキャラクターの、ステータスを決定しよう。
 キミのキャラクターの腕力が優れているか、はたまた劣っているか、あるいは敏捷であるか、鈍重であるかなどは、すべてこれからキミが振るサイコロの出目に懸かっている。

 ステータスには、STR、VIT、DEX、AGL、INT、WIL、LUKの7つがある。
 これらのステータスにはそれぞれ以下のような意味があるが、冒険中には、それ以外の側面で役に立つこともある。

 STR:力の強さを表すステータス。主に攻撃力に影響する。
 VIT:体力や生命力の強さを表すステータス。主に最大HPに影響する。
 DEX:手先の器用さ、武器の扱いの巧みさを表すステータス。主に命中力に影響する。
 AGL:運動神経の良さや、敏捷性の高さを表すステータス。主に回避力に影響する。
 INT:記憶力や論理的思考力の高さを表すステータス。主に魔法の威力に影響する。
 WIL:意志力や精神力の強さを表すステータス。主に最大MPに影響する。
 LUK:運の良さを表すステータス。主に最大FP(幸運点)に影響する。

 さて、キミはこれらのステータスのそれぞれについて、サイコロを2個振って、その出た目の合計値に[3]を加えることで、各ステータスの値を決定することができる。

 例えばキミが、STRを決定するためにサイコロを2個振り、出た目が[2]と[4]だったとする。
 この場合、サイコロの出目である[2]+[4]に、[3]を加えた[9]という値が、キミのキャラクターのSTRの数値となる。
 そして同じようにして、残りの6つのステータスも決定するのである。

 そうして決定したステータスの値は、用意してある適当な紙(これを「冒険記録紙」と呼ぼう)にメモしてゆく。
 この結果、すべてのステータスについてサイコロを振った後には、例えば、冒険記録紙に以下のようなメモが残されていることになるだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 STR:9
 VIT:11
 DEX:10
 AGL:8
 INT:9
 WIL:12
 LUK:9

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



●決定したステータスが気に入らなかった場合

 ひょっとしたらキミは、こうして決定したステータスに、不満を持つかもしれない。
 幸運の女神は、キミに対して常に微笑みかけてくれるとは限らないのである。

 もしキミが、こうしてサイコロを振って決定したステータスに不満を持った場合には、キミはあらためて最初から、ステータスを決定するサイコロを振り直してもよい。
 ただし、この振り直しには、二つの重要なルールがある。

 一つのルールは、ステータスのサイコロを振り直す場合に、特定の能力値だけを振り直してはならない、というものである。
 ステータスを決定し直す場合には、必ず7つのステータスすべてについて、振り直しを行なうこと。

 もう一つは、こうして行なうステータスの振り直しは、最大で9回までというルールである。
 つまりキミは、最大10人分までのステータスを振って、その中から最も気に入ったステータスの持ち主を選んで、キミの分身とすることができるのである。

 なお、こうしてステータスを振り直して10人分のステータスを作った場合でも、キミが選択した1人以外の9人分のステータスは、もはや使用することはないので、ただちに破棄してよい。
 必要であれば、冒険記録紙をもう1枚用意し、必要なデータのみを書き写して、先の記録紙はゴミ箱に投下すること。



●サイコロの振り方の表記について

 これから行なうゲームでは、サイコロを振るように指示されることが、テキスト中で頻繁に行なわれる。
 このとき、テキスト中にて、例えば[2D+3]などといった略号によって、サイコロの振り方を指示する場合がある。

 この[2D+3]という略号は、「サイコロを2個振って、出た目の合計に3を加える」ことを意味する。
 [D]はDice、すなわちサイコロを意味していて、その前の[2]という数字は、振るサイコロの数を表す。
 その後の[+3]は、文字通りだ。

 だから例えば、[1D+2]と表記されていれば、サイコロを1個振って出た目値に2を加えることを意味し、[1D]と表記されていれば、サイコロを1個振って出た目をそのまま参照することを意味している。

 なお、冒険中頻繁に行われる指示に、「[2D+○○修正値]を行なう」というものがある。
 これは、2Dの結果に、特性のステータスの修正値を加えた値を算出することを意味する。

 例えば「[2D+STR修正値]を行なう」と指示されていて、キミのSTR修正値が-1なのであれば、これは[2D-1]の値を出すことを意味することになる。
 ステータス修正値に関しては、次の項目を見てほしい。



●ステータス修正値

 キミの分身となるキャラクターのステータスが決定したら、その値を元に、ステータス修正値を記入しておこう。
 ステータス修正値は、冒険中に頻繁に使用される値で、実際の冒険ではステータスそのものよりも、こちらの値の方が重要になってくることが多い。

 各ステータスの修正値は、それぞれのステータスを以下の表に当てはめることによって導き出される。

 ステータス 修正値
   ~ 5   -2
   6~ 8   -1
   9~11   ±0
  12~14   +1
  15~    +2

 これら修正値は、ステータスの値10を標準値として、それよりも大幅に高ければ有利な修正を、大幅に低ければ不利な修正を受けることを意味している。

 ステータス修正値は、冒険記録紙のステータスの横に、括弧書きで記入しておくと良いだろう。
 これにより、冒険記録紙への記入内容は、例えば、以下のような感じになるはずだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 STR:9(±0)
 VIT:11(±0)
 DEX:10(±0)
 AGL:8(-1)
 INT:9(±0)
 WIL:12(+1)
 LUK:9(±0)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 これらのステータス修正値から分かるのは、このキャラクターのステータスは概ね平凡である(ほとんどのステータス修正値が±0)が、運動神経はあまり良くない(AGL修正値が-1)反面、意志力には優れる(WIL修正値が+1)ということである。



●サブステータスの算出

 冒険記録紙にステータス修正値を記入したら、次はサブステータスを記入しよう。
 サブステータスには、最大HP、最大MP、最大FP、命中力、回避力、攻撃力、防御力の7つがある。
 それぞれのサブステータスは、次の式によって算出される。

 最大HP=VIT
 最大MP=WIL
 最大FP=LUK修正値+3
 命中力=DEX修正値+3
 回避力=AGL修正値+9
 攻撃力=STR修正値+2
 防御力=3

 最大HPと最大MPの算出にはVITとWILの「ステータスそのもの」を使用するのに対し、最大FP・命中力・回避力・攻撃力には各ステータスの「修正値」を使うので、その点は間違えないように注意してほしい。

 算出されたサブステータスは、これも冒険記録紙に記入しておくこと。
 この結果、冒険記録紙の記載事項は、以下のようになるだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

▼ステータス
 STR:9(±0)
 VIT:11(±0)
 DEX:10(±0)
 AGL:8(-1)
 INT:9(±0)
 WIL:12(+1)
 LUK:9(±0)

▼サブステータス
 最大HP:11
 最大MP:12
 最大FP:3
 命中力:3
 回避力:8
 攻撃力:2
 防御力:3

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



●FPについて

 算出したサブステータスのうち、HP、MP、命中力、回避力、攻撃力、防御力の6つに関しては、それぞれがどんな意味を持つかは、だいたい予想がつくと思う。
 なのでここでは、FPに関する説明のみを行うことにする。

 FPはFortune Pointの略号で、キャラクターの英雄的な幸運がどれだけ残っているかを表す値である。
 すなわちFPは、「キャラクターの運命を操作する力」なのだ。

 キミは、冒険中に何らかのサイコロを振ったとき、FPを1点消費することにより、任意のサイコロの目を1つ、「ひっくり返す」ことができる。
 つまり、[1]の目ならば[6]に、[2]の目ならば[5]に、[3]の目ならば[4]に……というように、振った後のサイコロの目を、その出目を見た上で、変更することができるのである。

 FPの使用は、キミが振るどんなサイコロの目に対しても、有効である。
 サイコロを2個同時に振ったときに、FPを2点消費することで、両方のサイコロの出目を「ひっくり返す」ことも可能だ。

 また、モンスターの攻撃として振ったサイコロなどにも、キミのFPの使用は可能である──出た[6]の目を1つ、[1]に変えるなどして、キミの命を奪うはずだった一撃を、運よく空振りに終わらせたりすることができるのだ。

 ただし、FPはゲーム中、原則として回復することはない。
 そして当然、FPが0になったら、それ以上FPを使うことはできない。

 FPは非常に強力、かつ希少な消費リソースで、不運による理不尽な死を回避するための、唯一の命綱でもある。
 したがって、FPの使用は、本当に重要な局面でのみ行なうようにしたほうがよいだろう。



●冒険の開始

 ここまでの準備が整ったら、ページをめくり、キミの冒険の旅を開始しよう。
 モンスターとの戦闘の方法などは、冒険が始まってから折を見て解説を挟むので、今は気にしなくてよい。

 なお、もしキミが望むなら、キミの分身となるキャラクターの名前や容姿、年齢や性別などを、キミが好きなように設定して、想像を膨らませる一助としても構わない。

 ただし、こうして決めた設定は、ゲームの内容には関わらないものとする。
 例えば、キミのキャラクターが実は「魔王」であることにしたとしても、その設定によってキミのキャラクターのステータスが増えることはないし、冒険中に遭遇するモンスターがキミに服従することもないということだ。



●パラグラフについて

 このゲームブックは、普通の小説と異なり、最初から順番に読んでゆくようには書かれていない。
 各パラグラフの最後に、次にどのパラグラフを読んだらいいのかが指示されているので、次に読むべきパラグラフを確認したら、一旦目次に戻って、指定されたパラグラフをクリックして読んでほしい。

 これは、ゲームブックには「選択肢」が存在する関係上、こういった仕様になっている。
 『小説家になろう』はゲームブックを掲載することに最適化されたサイトではないため、目次と各パラグラフとを行ったり来たりしなければならず、読みにくさはあると思うが、そのあたりは平にご容赦願いたい。

 なお、ゲーム中で指示されていないパラグラフのテキストは、読むべきではない。
 特に、「この選択肢を選んだらどうなるんだろう?」と考えて、その選択肢を選んでもいないのに該当するパラグラフのテキストを読むことは、キミの冒険を台無しにする行為であり、絶対にしてはならない。
 もしどうしてもそれを読みたいなら、一度ゲームを最後まで遊び終わってからの楽しみにすることを、強く推奨しておく。



 それでは、キミの準備が完了したら、冒険を開始しよう!
 パラグラフ1へ進むこと。
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