番外編 その20.特別編「熊本への思いを込めて」
4月14日から続く熊本地震。
強い余震がいまなお続いています。
不安な生活を強いられておられる九州・熊本のみなさまに、お見舞い申し上げます。
みなさまのご無事を心よりお祈りいたします。
月並みな言葉となりますが、負けないで頑張ってください。
そして、どうか、ご無理をなさらないように。
一日も早く揺れが収まり、平穏な日々に戻ることができますように。
今回は特別編として、熊本への思いを込めたパン紹介です。
スーパーの棚に見えたくまモンの笑顔。
その周りには褐色の牛たちが戯れております。
ああ、熊本ゆかりのパン…手にとって購入いたしました。
熊本の思い出。
平成9年。当時はまだ、くまモンもいませんでした。
学生最後の年だった当方は、友人と車で九州一周を敢行しました。
旅の記憶を辿ると…湯布院方面から、やまなみハイウェイを経て熊本・阿蘇山へと向かいました。
両サイドにススキの波が延々と続く道
広大な草千里ケ浜、草を食む放牧馬たち
灰色と茶色が支配する、戦場のようなコンクリートの退避壕が印象的だった噴火口
まさに自然の美しさと厳しさを感じた地でした。
もう一つの思い出はビール。
実は、すでに撤退しているのですが…「銀河高原ビール」の工場が阿蘇にありました。
その工場に併設されたレストランで飲んだ、キメ細やかでフルーティーな銀河高原ビールの味わいが思い出されます。
その施設は車でしか行けないような立地だった記憶があります。
我々もマイカーで行って、そして、ビールをたらふく頂きました。
…って、安心してください。吐いてませんから。
じゃなくで、安心してください。運転してませんから。
実は飲んだ後、友人ともどもレストラン近くの空き地で野宿したからです。学生の頃はこんなことばかりしていました。あんまり安心じゃないですね…
さてさて、ヤマザキさんの「牛乳パン 阿蘇小国ジャージー牛乳入りミルククリーム」です。
今回のパンに使われているジャージー牛乳とは…
ご当地のJA阿蘇小国中央支所さんのHPで、勉強いたしました。
ジャージーというのは乳牛の種類です。
乳牛と聞いて真っ先に思いつくのは、白と黒の模様が特徴のホルスタイン種ですね。
農林水産省の資料(畜産をめぐる情勢「基本的な事項編<全体版>」)によりますと、国内で飼育されている乳用牛の99%以上がホルスタイン種とのこと。
ホルスタイン種の牛乳が超スタンダードなので、敢えて「ホルスタイン牛乳」とは言わないようですね。
では、ジャージー種とホルスタイン種、その違いは?
特徴を比較してみます。
【ジャージー種 jersey】
体重400キロ▽乳量5600キロ▽乳脂肪率4.94%▽乳タンパク質3.8%
【ホルスタイン種 holstein】
体重600キロ▽乳量8200キロ▽乳脂肪率3.70%▽乳タンパク質3.1%
※JA阿蘇小国中央支所さんのHPから。すべて平均。乳量は1年(305日換算)
ジャージー種の方が小型の牛なのですね。
乳量が少ないのも、恐らくその体格の違いを反映しているのでしょう。
一方で、乳脂肪率やタンパク質などの栄養価は高いことが分かります。
製品の成分でも通常の牛乳は200mlあたり135キロカロリーですが、ジャージー牛乳は160キロカロリーとハイカロリーです。
乳量は少ないけれど、採れるお乳はリッチで濃厚というところでしょうか。
さて、この小国地方(HPでは小国郷と表記)は、阿蘇山の北に位置する熊本県小国町と南小国のエリアとなります。
昭和32年。地域の農家の収入源にとジャージー種が導入されました。
オーストラリアから98頭がやってきたそうです。
その2年後には地元の学校給食への提供をスタート。
流通・販売ルートを徐々に拡大させ、現在、年間生産量4400トン。
小国地方はジャージー牛乳で全国2位の生産地となっています。
では、「牛乳パン」開封いたします。
ふむふむ。
これはコッペパンの香りですね。
懐かしさが漂っています。
体重104グラム、347キロカロリー。
身長は20.5センチ、幅7センチで厚みは4センチ。
パン生地は上下に切り分けられており、その間に真っ白なクリームがはさまれています。
原材料名には「牛乳フラワーペースト(阿蘇小国ジャージー牛乳6%)」と記載されています。
ジャージー牛乳は牛乳パン本体ではなく、クリームに使われているのですね。
さっそく、いただきます。
柔らかくモフモフした口当たりの牛乳パン。
少し甘めです。口どけも悪くありません。
そして、ジャージ牛乳入りのクリーム。
むほっ。これは甘~いです。
でも、甘さだけでなく牛乳のコクと香りをカナリ感じます。
濃厚。「まるで練乳のよう」と思ったら、材料に加糖練乳とありました…むむう。
牛乳パンの素朴な風味。
それを支えて、広げるジャージー牛乳入りクリームの力強い味。
その2つが相まって、とても優しい味わいに。
遠い阿蘇の地に思いをはせながら、頂きました。
今回の熊本地震に関して、先述のJA阿蘇小国中央支所さんのHPによりますと、
「現在、牛乳処理工場・乳製品加工場・ヨーグルト工場・肉類加工場など通常とかわらず稼働しております。」(4月15日現在)
とのことでした。
少し安心いたしましたが、今度は雨の心配が持ち上がっているようです。
熊本地方を中心にいまだ強い余震が続いております。繰り返しとなりますが、一日も早い日常の回復をお祈りいたしております。
みなさまが、くまモンのような笑顔を取り戻す日が来ることを信じて。
パン大好き