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第22話

「なかなか、狙ってんのは出えへんなあ……」


 煉獄中層のボス、デーモンアポカリプスの死体から神器素材であるネメシスブラッドを引っこ抜きながら、宏がうんざりした感じでぼやく。


 もうそろそろ下層に至ろうかという現在、宏達はいまだに神衣の試練と物欲センサーを相手に苦戦を強いられていた。


「これ、こっち来た頃に手に入っとったらまだよかったんやけどなあ……」


「それ、何なのよ?」


「ネメシスブラッドや」


「あ~……」


 ネメシスブラッドと聞き、心底納得してしまう真琴。微妙にうんざりした表情が浮かんでいるのも、ある面では仕方があるまい。


 ネメシスブラッドは大剣の神器、神剛剣ユピテルのコア素材である。こちらに飛ばされる直前のころ、真琴が必死になって探し求めていた素材でもあった。だが、もはやその真琴が己の獲物を完全に刀に切り替え、さらに虚神刀というゲーム時代に存在しなかった神器を得た今、完膚なきまでに無用の長物となってしまっている。


「別に作ってもかまへんっちゅうたらかまへんねんけどなあ……」


「あたしを取り合って神器と神器の仁義なき争いが勃発とか、シャレにならないから絶対いやよ?」


「真琴さん、それ上手い事言うたつもりか?」


「……ごめん」


 ジト目で宏に突っ込まれ、思わず真っ赤になって謝る真琴。思い付きで口にしたものの、自分でも寒すぎたかと思っていたところだったりする。


「でもまあ、ありえないとは言い切れないんだよな、実際」


「そうだよね。さっきまでのドロップ武器に対する反応見てると、むしろそうなると思ったほうが安全かも」


「せやねんなあ。この辺で手に入るドロップ装備粉砕するぐらいやったらええけど、さすがに虚神刀とユピテルが頂上決戦とかやり始めたら、尋常やない被害が出おるからなあ」


 ここまでにあったことを思い出し、げんなりした様子でそんな事を言い合う宏達。どうやら神器達は非常に独占欲が強いようで、まだ完全に持ち主と認めていない達也の神杖ジャスフィニアですら、達也が拾った杖をさりげなく原子分解していた。


 それでもこれまでつなぎとして使ってきた装備には一応の敬意を払っているようで、一番強い独占欲を見せる虚神刀ですら、真琴が今まで使った刀を手に型練習や素振りなどをしていても怒らない。また、他にも完全に用途が違う手斧や鉈、包丁、ナイフなどには一切興味がないらしく、それらを手に取ったときは一切反応を見せない。


 逆に言えば、自分たちと用途が被る新参者に対しては非常に厳しい訳で、今後神器はおろか今まで使ってきた装備ですら過剰すぎて使えないような状況において、非常に困ったことになりそうではある。


「この場合、真琴も厄介だがヒロも結構問題があるんじゃねえか?」


「っちゅうと?」


「お前さん、鈍器の神器も作るんだろう? レグルスと喧嘩にならねえか?」


「そこは考えへんかったなあ。ちょい、レグルスに聞いてみるわ」


「聞いてみるって、そんなことできるのかよ?」


「大雑把なイメージが伝わってくる、ちゅう程度やけどな」


 そう言って、レグルスをじっと見つめる宏。十秒ほどで何やら一つうなずくと、結論を口にする。


「好ましくはないけど、武器としてのタイプが結構違うから、そこは譲るんやと」


「武器としてのタイプってのは、この場合何を指してるんだ?」


「いわゆるダメージ特性、っちゅうたらええんかな? 長柄の大型武器や、っちゅうところは同じでも、一応斬撃の要素があるレグルスと、完全に打撃オンリーの鈍器系とでは得意分野が違うからな。さすがにそこまで手ぇ伸ばす気はあらへんけど、鎌とかナイフとかも多分許可は下りると思うで」


「なるほどな。だったら、澪もそんなに問題にはならないか」


「弓と短剣やったら、飛び道具としての性質も用途もほとんどかぶらんから、多分大丈夫やろう」


 神器同士が共存できる具体例を示され、納得してうなずく達也たち。そうなってくると、ダメージ特性も間合いも大きくかぶる虚神刀とユピテルは、どう考えても共存できない。


 厳密にいえば刀と西洋剣では、武器としての扱い方は全くの別物だ。それは、フェアクロにおいてスキルカテゴリーが別系統になっていることからもわかる。故に、せいぜい例外的にサーベルがどちらのカテゴリーでもある程度使えるぐらいで、基本的にお互い相手の系統に含まれる攻撃スキルは一切使えない。


 だが、大雑把な分類となると、大剣と刀、それも太刀とは間合いも用途もダメージ特性もほとんど違いがなくなる。ユピテルか虚神刀かのどちらかが斬馬刀サイズであるならまだしも、どちらもサイズは一般的な大きさである。虚神刀は小太刀、脇差、太刀の三形態を持ってはいるが、ユピテルより用途が広いことにはなっても、大雑把な分類が被る点は変わらない。


 もともとが手に入る刀の性能に限界を感じ、近い扱い方ができる大剣に武器を切り替えた、というのが真琴が大剣使いだった理由なので、ほかのメンバーと違いサブウェポンの特性が被っているのは仕方がないところである。


「まあ、そこら辺は置いとくとして、弓とレイピアの素材は、なかなか出てけえへんなあ……」


「もういっそ、シリウスハートでどうにかしたらどうだ?」


「あれ、完全に物理特化の軽戦士仕様やから、いまいち春菜さんには合わんねんなあ」


「なるほどなあ。っつうか、レイピアは二種類あるのか?」


「ぶっちゃけると、大型小型各一種ぐらいしかない斧とか鈍器とかと違うて、刀剣類と槍はものすごい種類あるんよ。せやから、妥協せんと自分に合うやつ作ったほうがええねんわ」


「刀剣類と槍だけ、えらく優遇されてるんだな」


「そら、地球の神話かて、伝説の武器とかは大半が剣か槍やねんから、こっちでもそうなるわな」


 神器について、微妙に世知辛くしょっぱい事実を口にする宏。斧や大型鈍器のような重量武器の場合、その性質上基本的に運用方法はほぼ固定されるため、別段種類が少なくても大した問題にはならない。だが、それでもここまで明確に差別されていると、なんとなく寂しいものはある。


 もっとも、では種類が多ければいいのか、と言われるとそうでもない。中には罠みたいな妙な性能を持っているものもしれっと仕込まれているし、何より武器の名前もやけに適当なものがゴロゴロある。


 宏がシリウスハートで春菜の武器を作らないのも、性能がいまいち春菜にマッチしていないことだけでなく、作る武器の名前が「ソードウルフ」などという極めて適当な、とても神器とは思えない名前の剣が出来上がるという理由もあったりするのだ。


 漢字に直すとバーストがパロッた某作品を彷彿とさせる名前になるため、それはそれで何となく微妙な気分になってしまう。それらの理由を考えると、おそらくシリウスハートで神剣を作ることはないだろう。


「で、狙ってるのはなんだ?」


「神剣シューティングスターのほうやな。素材としてはメテオアイっちゅうボス属性持ちの悪魔系から取れるもんやから、さっきのデーモンアポカリプスも十分条件は満たしとったんやけど……」


「まあ、しばらくはボス狩りするしかねえだろうさ。今までの感覚からすると、もうしばらくは油断しなけりゃどうとでもなるだろうしな」


「せやなあ」


 達也の言葉にうなずく宏。正直な意見を言うなら、宏と春菜だけで潜ればおそらく安全に最深部のボスまで到達できる。だが、神器に振り回され気味な達也たちの訓練を考えるなら、神である二人だけで煉獄をクリアするのはいろいろ勿体ない。


 達也たちが邪神との戦いに参加せず、神の城で留守番をしているだけなら、神器の扱いを練習する必要はない。だが、最後まで戦場に居座るかどうかはともかく、ここまで来て全く関わらずにおとなしくしているつもりが達也たちには一切ない以上、せめて開幕に一撃入れて逃げ切れるぐらいには、神器の扱いに慣熟していなければいけない。


 ゆえに、安全マージンを取りながら時間をかけて煉獄を攻略しているのである。


 とはいえ、主観時間はともかく、実時間であまり長引かせるつもりはない宏達。手間がかかりそうと分かった時点で、春菜の時間制御によりダンジョン内の時間の流れを外部とは切り離している。


 そのため、宏達は中で過ごした時間がすでに二日目に入っているが、外はまだ入った日の夕飯時だ。今から探索を切り上げて帰還すれば、ちょうど目を覚ましたであろう冬華と夕食を一緒に食べられる感じである。


「っちゅうたかてまあ、ネメシスブラッドがこの階層ぐらいやし、他の神器素材取った時のボス考えたら、春菜さん用のメテオアイも澪用のメビウスシードも、そない奥まで行かんでも手に入るはずや。っちゅうか、そうでないとバランスとれん」


「そうだね。さっきのデーモンアポカリプスも、シリウスハート手に入れた巨大オオカミと強さ的にはそんなに極端な違いはなかったし」


「後は、物欲センサーがどんぐらい仕事するか、やな……」


「そうだよね……」


 ゲーマーにとって最大の敵、物欲センサー。俗にいう妖怪「いちたりない」と並ぶ、世の中の理不尽を象徴する存在だ。その脅威については、ある種の剛運の持ち主である春菜ですら無縁ではなかったようで、どう考えても全力で物欲センサーが仕事をしているであろう現状については不安が大きいようだ。


 わざわざ説明しなくても名前で大体は察しが付くであろうが、念のために物欲センサーについて、知らない人のために補足しておく。物欲センサーとは、欲しいと思ったものほど手に入らず、必要がないものや余っているものほど大量にドロップし、必要がなくなったころにあっさり手に入るという、物欲が悪いほうに仕事をしているとしか思えない状況を指した言葉である。


 恐らくゲーマー、それもネットゲームやソーシャルゲームにはまっている人間ほどよく遭遇する状況であろうが、全くゲームに関係のない日常生活においても、物欲センサーが仕事をしているとしか思えない状況は多々見かける。そう考えると、割と普遍的な存在だといえるだろう。


 ついでに妖怪「いちたりない」についても説明しておくと、こちらは計算間違いや運の悪さ、イレギュラーな事態などで求めていたものに対して何かが一つだけ足りなくなる、という現象を妖怪のせいにしたものである。ゲームだと素材やスキルポイントが足りないケースが多く、日常生活でも点数が一点足りなくて合格ラインに届かなかったり、ポイントシールが一枚足りなくて景品がもらえなかったりと、物欲センサーに負けず劣らず広く活躍している妖怪である。


「てかさ、春菜。あんたの能力で確率操作して、物欲センサーを抑えたりとかできないの?」


「残念ながら、私まだ確率周りは派手に状況が荒れる方向にしか制御できないんだ。正直、我が体質ながら私の因果律かく乱体質、ものすごくタチが悪くて……」


「……まあ、アルフェミナ様ですら振り回されるぐらいだし、制御できないほうが普通かもしれないわねえ……」


「しかも、神衣の試練はまだ継続中みたいだし……」


 春菜の言葉に、思わず遠い目をしてしまう真琴。本当に、いろんな意味で前途は多難そうだ。


「とりあえず、そろそろお昼にしようよ」


「そうだな。もっとも、ここはほかのダンジョンと比べても、飯を食うには向いてない環境ではあるが……」


「煉獄、って名前にふさわしい光景だものねえ……」


「達兄、真琴姉。感じから言ってここには長居することになりそうだから、諦めて慣れるしかない」


「だろうなあ……」


「さすがに、繊維ダンジョンのようにはいかないわよねえ……」


 澪の言葉にうんざりしながら賛成し、コテージに入っていく達也たち。神の城に戻ることもできるのだが、現在かなりの時差が出ていて時差ボケが致命傷になりかねないため、結局コテージを使って寝泊まりと食事をしているのだ。


「しかし、いつ素材集めが終わるのやら……」


「なんかこう、いっぺんはここのラスボス倒さなあかんのちゃうか、っちゅう気がしてならんで」


「私も……」


 神器の、それも神衣の試練の面倒くささもあって、いろいろうんざりした気分を隠せない達也に対し、諦めの言葉を告げる宏と春菜。クレストケイブの鉱山ダンジョン以来久しぶりにダンジョン攻略が長期化する、そんな気配を感じさせる煉獄の攻略であった。








「ふむ。お主らもここを出るのか」


 神の城は日帰り温泉施設。その食堂にて、アンジェリカはシームリットとカカシを相手に食事をしていた。二人とも、神の城がマルクトに入ったころからここに常駐しており、ファムたちを指導しながら避難民のための農具を作ったり、マルクト兵の装備を製造・修理したりと、目立たないところでかなりたくさんの仕事をしていたのである。


 なお、この二人が城内の食堂ではなく日帰り温泉施設で食事をしている理由は単純で、そこまでの特別扱いは遠慮したからだ。なので、彼らは作業場以外、城内に出入りすることはできない。


 余談ながら、日帰り温泉施設はまだ館内全部が稼働していないが、食堂と普通の風呂、それから仮眠室は利用可能な状態で解放されている。そのため、敷地内に避難してきている隠れ里の村人や、負傷の後遺症が残ってリハビリ中のマルクト兵などが割と日常的に利用している。


 出てくる料理はリセットとローリエが調整したオートマタが作っているものだが、ベースとなっているデータが春菜のものであるためか、オリジナルからかなり劣化してなお、そこらの宮廷料理人が作る料理よりおいしいものが出てくる。スキル的にはともかく、味の面では残念ながら、テレスはここのオートマタにかなわない。


「ああ。ここは使える素材がどれもこれも極上で、機材もオレらが知ってるものとは比べ物にならねえほどいいもの、その上飯も酒も美味いっつう天国みたいな環境だが、唯一の鍛冶屋としてはいつまでも村を空ける訳にもいかねえからな」


「そうっすね。それに、ここにいると、おいらの腕がどんなもんかが分かんなくなってくるんっすよね」


「そうそう、それもあるんだよな。何っつうか、素材も機材もよすぎて、いいものが出来てもオレの腕なのか環境に下駄履かせてもらってんのかが分かんねえんだよな。しかも、一般的な鍛冶屋ってのがいねえから、基準がなあ」


「年長の二人どころかちびっ子たちですら鉄製なら一級品を作るとか、ここは本気でヤバいっすよね」


「さすがにまだまだ追いつかれちゃいねえが、あの姉ちゃんたちにはすげえ追い上げ食らってるしなあ、実際」


 そこまで言って、己の現状に思わずため息が出るシームリットとカカシ。指導者や環境が規格外なのだから、こちらの世界での一番弟子であるファム達が規格外の技量を持ち合わせているのも、ある意味で当然ではある。だが、頭ではそれが分かっていても、今まで生きてきた年月の大半を注ぎ込んで築き上げてきた技をどんどん盗まれると、どうしても己の腕に対する自信がぐらついてくる。


 もとより、シームリットもカカシも自分たちの腕が一番いい、などという思い上がった考え方とは無縁であり、宏ほど頭抜けた存在には素直に負けを認めるだけの柔軟さと謙虚さぐらいは持ち合わせていた。直弟子で常に一緒に行動しては指導を受けている澪に負けるのも、そんなものかと特に悔しがったり自信を喪失したりすることもなく受け入れていた。


 だが、それがファムたちのような子供で、しかも鍛冶用ハンマーを持ち始めて一年経つか経たないか、という存在にまで追いつかれそうだとなると、話は別である。


 宏のせいでいろんな意味で突然変異種となったファム達。その存在は実に罪作りなようだ。


「職人の世界は門外漢故に何とも言えんが、我にはお主らが嘆くほど腕が悪いようには到底思えんぞ?」


「ここにいるとなあ、その辺の感覚が曖昧になるっつうか、自信とか常識とかどんどんなくなっていくっつうか……」


「でもまあ、得るものも十分にあったから、自信と常識をすり減らした甲斐があったとは思うっすよ」


「そうだな。カカシにーさんとの試行錯誤の日々は、新しい技もインスピレーションも山ほどゲットできて、今までの職人人生で一番有意義だったと思うぜ」


「おいらもっす。あの技術にあんな使い道があるとか、いろいろ勉強になったっすよ」


 アンジェリカにそう言われ、ここにいた間のことをしみじみと語り合うカカシとシームリット。実際、来る前と今とでは、二人ともその腕に大きな差がある。


 空き時間に宏からアドバイスをもらったことやファム達に指導をしたことに加え、同年代で総合的に見て同程度の腕を持つ、全く傾向や得意分野の違う鍛冶師との交流。それは、まだまだ若いカカシとシームリットにとって、大いにプラスに働いていた。


 特に腕はいいが魔力に劣り発想の柔軟さに欠けるカカシと、歳や経験からすれば腕がいい程度だが魔力の運用と発想に長けるシームリットの組み合わせは、お互いに足りないところに対するインスピレーションを与え合う、という意味では最高の組み合わせであった。ついでにちょこちょこと役に立ちそうなほかの分野も学んだ結果、今や二人とも自力で魔鉄やミスリルを加工でき、魔力さえ補ってやればオリハルコン製品すら五分五分の確率で生産できるようになっている。


 はっきり言って、クレストケイブ在住のカカシはともかく、シームリットは辺境の集落に過ぎないオルガ村にいるような腕ではなくなっている。


「ま、そういうわけで、オレとカカシにーさんは明日にでも地元に戻ることにしたわけだ」


「ふむ。ここも寂しくなるの」


「まあ、地元に戻るっつってもここに来ようと思えば来れるんだし、それにアンジェリカのねーさんとこも、年内には隠れ里に戻るんだろ?」


「うむ。ウォルディスの脅威が去った今、避難を続ける必要もないからの。もっとも、ウォルディスとの国境から避難してきておる者たちは、もうしばらく隠れ里で暮らすことになりそうだが」


「だったら、やっぱりオレらがここにいる理由はなくなるよな」


「そうっすね。ねーさんだけだったらヒロシ師匠の仕事っす」


 各々が神の城に来た、もしくは連れてこられた最大の理由である、マルクトとウォルディスの戦争。それが終わった以上、いつまでも居座るような恐れ多い真似はできない。


 本音を言えば、おそらく誰もが許されればここにそのまま暮らしていたいだろう。だが、ここにいる誰もが外に残してきたものがあり、外での役割がある。あまりだらだらと居座ってしまうと、戻った時に暮らしの落差に耐え切れなくなりかねない。


 特にシームリットは、オルガ村唯一の鍛冶屋だ。オクトガル達の協力により、ある程度は村の仕事もカバーしてきたが、それもそろそろ限界になりつつある。故郷に大迷惑をかけた分、必死になって働いて穴埋めしなければならない。


 何より、シームリットはこの場にいるメンバーで唯一の妻帯者だ。いくら住まいが快適であろうが、いくら飯や酒が美味かろうが、嫁のいない場所では魅力も半減である。


「ここにリハビリに来てる連中も慰霊式典までには全員復帰するらしいし、年内にはアズマ工房のメンバーとかねーさんとか以外はいなくなるっぽいよな」


「うむ、そうなるの」


「本気で、ここは一気に人がいなくなるっすね」


「実に寂しくなる」


 様々な別れが同時に訪れようとしていることを悟り、なんとなくしんみりした空気が漂う食堂内。そんな空気を読まず、オートマタが酒とモツの味噌煮を運んでくる。


「ま、しんみりすんのも柄じゃねえし、食いおさめ、飲みおさめっつうことで」


「そうっすね。クレストケイブじゃ食えねえっすし」


 運ばれてきた酒と料理に、あっという間に酒飲みの本性をあらわにするカカシとシームリット。ひょろりとしたドワーフらしからぬ容姿のカカシではあるが、やはりドワーフはドワーフのようだ。飲み食いは普通のドワーフと全く変わらないらしい。


「……むう」


「あ、そーいやねーさんは味噌が苦手だったか?」


「好みではないが、じー様がウルスではまったらしくての。帰ってくるたびに味噌の匂いをまとってくるゆえに、最近ではずいぶん慣れてきたわ」


「そうか。でも、慣れたっつっても食えるほどじゃねえんだよな?」


「最近は匂いに我慢すれば食えなくもなくなってきた。じー様がどうしても好みを共有したいらしくてのう。味自体は嫌いではないから、匂いさえ克服すれば何とかなりそうではあるのじゃが、これがなかなかのう……」


「ヴァンパイアは結構嗅覚が鋭いからなあ……」


 そのまま、完全に話題が味噌煮をはじめとしたあれこれに移り変わる。


「ふむ、スジ肉の旨煮か。これは我も好物よ」


「醤油はいけるんだな」


「うむ。ゆえに、モツ煮も醤油のものは普通に食うぞ?」


「なるほど。ってことは、ねーさん的には完全に味噌の匂いだけがネックって訳か」


「まあ、得手不得手は人それぞれっす。人生経験が豊富だからって、なんでも食える必要はないっすよ」


 スジ肉の旨煮をご相伴にあずかりながら、そんなことを言い合うシームリットとカカシ。最後だからと張り切ったからか、今日は二人して普段の倍は食っている。アンジェリカも幼女形態のまま、ボトル何本という単位で酒を空けて酒豪ぶりをアピールしてのける。


 その後も素材を考えるといろいろ恐れ多い酒の肴が次々と運ばれ、三人だけの最後の宴会は割と遅くまで続くのであった。








「……屋敷を奪われたころから、規模以外何ら変わってない、か」


 アンジェリカたちが酒盛りをしているその頃、現在無人となっているヘンドリック達の隠れ里に一人の来客が訪れていた。


「しかし、いくら規模が小さくなったとはいえ、結界すら張っておらんとはな。やはり、真祖のヴァンパイアなどといったところで、生ある存在ごときではこれが限界か……」


「それでも、アンデッドになるよりははるかにマシじゃがのう」


 隠れ里の様子を勝手なことを言いながら観察していた男に対し、ヘンドリックが後ろから声をかける。


「久しいのう、アルベルト。どうやら元気ではやっておらんようじゃが、ウォルディスが滅んだ今頃になって派手に動いたのはまた、どういうつもりじゃ?」


「知れたことよ。マルクトとウォルディスがぶつかり合っている時期に動けば、人間どもが全力で潰しにかかってくる。逆に、戦が終わった今なら、戦後処理に手を取られてこちらに割ける戦力などたかが知れている」


「人間を見下した物言いをしておる割には、考えがせこいというか臆病じゃのう」


「下等であると見下すことと、雑魚と見くびることとはまた別問題だ。ヴァンパイア以外の人間種族なんぞ評価に値せん下劣な下等種族だが、数集まれば戦闘能力だけは我らを脅かすものも現れる。それぐらい、長なら分かっておろう?」


 傲慢に言い切ったアルベルトに、ヘンドリックが寂しそうな表情を浮かべる。青白い肌と明らかに負のエネルギーを発散する生体オーラから、間違いなくアンデッドのヴァンパイアになっているのは分かっていた。だが、それを理解していても、かつて目をかけ可愛がっていた人物の口からそういった言葉は聞きたくなかったのだ。


「どういう形で死んだのかは知らん。だがな、アルベルト。アンデッドなんぞになって生き永らえたところで、先などありはせんぞ?」


「ふん、長ともあろうものが世迷言を。アンデッドに先がない、だと? では、この寂れ果てて滅びを待つばかりとなった里はどうだ? 時間とともに減っていき、もはや滅びを待つばかりとなった真祖をどう見る? 勢力を簡単に増やせる分、アンデッドになったほうがまだ先があろう?」


「実のところ、そうでもなくなってはおるがの。どうせ、今のお主に言うたところで意味はあるまい」


 アンデッド化したヴァンパイアのイメージそのままに、実に傲慢に振舞うアルベルト。己の無能と無力を弾劾するようなその姿に、内心で血の涙を流しながら表面だけは飄然とした態度を取り繕うヘンドリック。反省や後悔など、終わってからすればいい。


「さて。確かに儂は無能で無力な爺じゃが、お主にそれを笑えるだけの力があるのかの? 先に言うておくが、お主が手下にしたスレイブやレッサーは、お主がアンデッドらしくもない中途半端な感慨にふけっている間に掃除しておいたからの。数の勝負ではなく、純粋にお主自身の力で示さねば、儂より上だと認めるわけにはいかんよ」


「ふん、たかがスレイブやレッサーを駆逐した程度でいい気になるなど、本当に老いたようだな。ならば、言葉通り一撃で貴様を滅ぼして期待に応えてやろう」


 あえてヘンドリックの挑発に乗り、持てる最大火力の闇属性魔法を準備するアルベルト。それを邪魔するでもなく、悠然と待ち構えるヘンドリック。


 妙な緊張感のためか、数分以上にも感じられる十数秒の後、アルベルトが準備していた魔法を発動させる。


「数千年生きた長であることに敬意を表し、私のとっておきであの世に送ってやろう。アビスゲート!」


「やはり、そんなところじゃろうなあ……」


 アルベルトの渾身の一撃。クレストケイブダンジョンの現在のボスである若いベヒモスぐらいなら、当たり所がよく、かつクリティカルヒットが出れば一撃で落とせるかもしれない必殺の魔法。それを鼻で笑ってキャンセルするヘンドリック。


 年季の違いに加え、最近はアズマ工房ウルス本部や神の城にちょくちょく出入りし、これでもかというぐらい濃度が濃い高位エネルギーを蓄え続けてきたヘンドリックにとって、年月により力こそ強くなれど、死人ゆえに学習能力が極端に落ちているアルベルトの雑な攻撃など、無力化するのに大した苦労はないのだ。


「な、なぜだ!?」


「その魔法を教えたのは儂じゃ。それを儂が教えたころと大差ない精度で扱って、防げんとでも思うたか、この愚か者」


 何事もなかったかのようにあっさりと無力化され、愕然とするアルベルト。そんなアルベルトの様子に、冷たい表情を浮かべて当たり前の理屈を突きつけるヘンドリック。


 ヘンドリックが碌に外を出歩けなかったことを差し引いても、今までの何千年かは完全に消息をくらませていたアルベルト。アンデッド化してなおそれができるはずの人物の、あまりにもお粗末な技と行動に、内心でいろんなことに対する不信感が募るヘンドリック。


 だが、この分では、アルベルトはその答えを知らないだろう。そして、答えとなりそうな心当たりは先の戦争の時に、宏達との直接戦闘かオクトガルによる空爆のどちらかによって消滅している。おそらく、ヘンドリック自身がその真相にたどり着くことはないだろう。


「さて、もう話すこともなかろうが、最後に一つ。共に里を出たアルガスとオーレリィはどうした?」


「知らん。連中と分かれたのは、ここを出て十年もしない頃だからな。生きていたとして、おそらく私と変わらんだろうよ」


「なるほどな。では、ついでだから聞いておくが、里を出たほかの同胞についてはどうじゃ?」


「二人はこの手で殺したが、あとは知らん。殺した二人も損傷が激しすぎて、私の同胞にはなりえないと分かっていたから、復活せんよう燃やした」


「ふむ……。どうやら嘘はついておらんようじゃな。まあ、この期に及んで嘘をついたところで、何の意味もないが」


「当たり前だ」


 そのアルベルトの台詞を最後に、お互いに言うべき言葉をなくして沈黙する。ふた呼吸ほどの沈黙の後、ヘンドリックが手向けの言葉を口にする。


「さて、もはや語る言葉もないようじゃし、お主をその永遠の牢獄から解放してやろう。我が無能の侘びとして、お主はまともな方法で浄化するから、安心せよ」


「待て。それはどういう意味だ!?」


「何、知らぬほうが幸せじゃよ。いずれそちらに行くから、向こうで待っていてくれ」


 アルベルトの問いかけを無視し、一方的に話を切り上げて完全なる世界を発動するヘンドリック。アンデッド化した時点で不完全極まりなくなるため、たとえノーライフキングまで進化しても習得不能となる真祖のヴァンパイア固有奥義。その圧倒的な浄化能力により、アルベルトはアンデッド化という呪いから解放され、昇天する。


「……今後のアンデッドがどんな目に合わされるかなんぞ、本当に知らぬが花じゃよ、アルベルト」


 アルベルトより先に始末した、かつてフィリップとつるんでいたヴァンパイアのアンデッド二人。その始末方法を思い浮かべながら、寂しそうにつぶやくヘンドリック。


 さすがにこのシリアスな状況で、増幅状態で録音された般若心経ゴスペルや中サイズの聖職者系ポメで浄化されたアンデッドのヴァンパイアについてなど、引導を渡されようとしている本人には到底教えられるものではない。


「神の城でたっぷり栄養を蓄えたポメはともかく、いかな女神の声とはいえ、録音した歌で抵抗もできんほど完膚なきまでに高位のアンデッドが浄化されるなんぞ、本当に聞かん方がええ情報じゃて……」


 時代が変わったものじゃ、などとつぶやきながら、結界を張りなおして聖職者系ポメをばらまき、アンデッドと戦った痕跡を完全に消し去るヘンドリック。


 その後、神の城に戻った際に幼女形態のまま豪快な酒盛りをしている孫娘を見て、本当に時代が変わったものだと情けなさに目頭を押さえる羽目になるヘンドリックであった。








「それで、連中は今、どういう状況であるか?」


「あと五層ほどで煉獄の最下層エリアですね。そこまで執念深く粘ったためか、ようやく宏殿と春菜殿以外の神衣も矛を収めようとしています」


「ふむ、ようやくであるか」


 神々の集会所。いまだに宏達の動向を確認していた神々が、アルフェミナの報告にため息を漏らし、ねぎらいの視線を向ける。


 宏が春菜の染料で染めた服を神衣に加工しなおしたあたりから、時空系の権能をかけらも持ち合わせていない神々ですら分かるほど、因果律や時空間が乱れていた。それを必死になって調律し、次々発生する因果律の狂いを潰し、致命的な結果を招かぬよう維持していたアルフェミナの獅子奮迅の活躍は、基本相手をからかうことしか考えず余計なことしか言わないダルジャンですら、無条件で認めねぎらってしまう程のものであった。


「ですが、やはり春菜殿の体質が頑張っていますね。おそらく、もう一周してもメテオアイは厳しいのではないかと思います」


「まあ、そうであろうなあ。吾輩にも分かるほど乱れておるとなると、確率なんぞ全く無意味であろう」


「本に、ここまでとなると正真正銘、それが宿命だとしか思えんのう」


 言いたい放題言ってくれるイグレオスとダルジャンに対し、思わず内心で同意してしまうアルフェミナ。ここまで圧倒的な力の差を見せつけられると、抵抗する気もうせてくる。


「アルフェミナ、少々よろしいですか?」


「なんですか、レーフィア?」


「こうなってしまえばもはや、彼らが自力で何とかするのを待っていても負担が増えるだけではないでしょうか?」


「それは分かっていますが、かといってこちらから干渉して確実にメテオアイを手に入れられるように調整したところで、せいぜいなにがしかの神器素材を彼らの手にわたらせられる程度にしかなりませんよ?」


「分かっています、それぐらい。そうではなくて、いっそアルフェミナ自身が自らの手で素材となるものを用意して、巫女を通すか直接降臨するかして確実に手渡した方がいいのではないでしょうか?」


 いろいろ振り回されて疲労困憊しているアルフェミナに、レーフィアが妙に建設的な意見を述べる。どうにもポンコツ臭が漂い、宏達に対してはやることなすこと微妙に裏目に出ている感がある海洋神ではあるが、それでも一応は五大神の一角らしい。


 意外にも、他人事であればちゃんとした判断ができるのだ。


「……そうですね。少々禁を破ることになりそうですが、破ったところで今より悪くなることはないでしょうし……」


「いや、そもそも、現状は既にある種の緊急事態だ。向こうに返すにしろこちらに居座らせるにしろ、いや、神の城を新たな世界として完成させるケースも視野に入れたとしても、早急に春菜の体質をある程度落ち着かせねば不味い。そのために派手に介入しても、禁を破ったことにはならん」


「だといいのですが……」


 アランウェンの言葉に不安そうにそう返しながらも、本来宏達の元にドロップするはずであった神器素材を、因果律の乱れをつぶしながら適当に回収し合成していくアルフェミナ。そんなアルフェミナを補助すべく、因果律に干渉できる権能を持つ神が総出でフォローする。先ほどまではあまりのすさまじさにアルフェミナ以外は手出しできなかったが、今ならばどうにかできるのだ。


「……さて、こんなところですね。降臨するタイミングは、そうですね。煉獄最下層のボスを倒してから、ぐらいが丁度いいでしょうか」


「そんなところだろうな」


「おそらく、この素材を渡せば宏殿がいいようにしてくださるでしょう」


 無事に神器素材を作り終え、小さくため息をつくアルフェミナ。まだまだ予断を許さないところではあるが、それでも今までよりはましになるだろう。


 そもそもよくよく考えてみれば、神が己の力を補助するための神具を持っていることなど、珍しくもなんともない。というより、生き物から神化したコントロールしづらい権能を持つ神は、大体先輩から神具をもらっている。春菜ほど制御を受け付けない権能の持ち主ならば、むしろ何らかの形で神具を与えなければいけなかったのだ。


 ここで放置しておくと、おそらく数万年はあちらこちらで因果律を狂わせまくる。それも、直接縁があった世界だけとは限らない、というよりむしろ、無関係なところにバタフライ効果で余計な影響を与えかねない。


 そのきっかけを作ってしまった、などとちくちく責められては、そうでなくてもいろいろパンクしそうなのに、仕事が追い付かなくなって破たんしかねない。


「やはり、春菜殿に神化に関する説明をしたときに、一緒になにがしかの神具を渡しておくべきでしたね……」


「さすがにあの時にそれをやっていると、間違いなく禁に触れてましたよ」


 ため息混じりにそうぼやくアルフェミナを、エルザが窘める。神々の間には、人間には分かりづらい禁忌が結構ある。今ならともかく、あの時点での春菜はまだ人間であった。神具を渡してとかそのあたりが許されるようになったのは、達也たちを蘇生した反動を乗り越えてからである。


「それにしても、ザナフェルは当然として、ソレスも来ていませんか……」


「少し前に一度、邪神本体が活性化しましたよね?」


「ええ。……やはり、あの影響が出ていますか……」


「ザナフェルほど深刻ではありませんが、やはりかなり不安定にはなっているようです。まだ日食の時期が遠いのが救いですが……」


 窘めるついでにエルザが持ち出してきた話題に、アルフェミナが把握している現状を告げる。とある事情から太陽神ソレスは月との関係が深い。それゆえ、直接邪神の破片が食い込んだザナフェルほどではないにしろ、現在存在が不安定化している。


 もっとも、消滅寸前まで追い込まれたザナフェルと違い、ソレスは存在の定義を強化するためにむしろ仕事に没頭しているほうがいい。なので、アルフェミナとはまた違う形で、常に忙しく働いているのだ。


「ソレスに関しても、結局邪神を排除するしか方法がありません。ですので、宏殿には早く春菜殿の権能を制御できるよう頑張っていただきたいのですが……」


「その権能自身が邪魔をしているからな」


「ええ。かといって、さすがに、今の宏殿に素材なしであれだけの権能を制御できる神具を作れ、などというのは無茶にもほどがありますし……」


「なに。そろそろ連中も動き出す。いかに煉獄が人間にとって致命的な強さを誇るモンスターの巣窟だといったところで、神が二柱もいて脅威になるような場所でもない。仮に春菜の権能が悪さをしてとんでもないものが出現したところで、ジオカタストロフで沈まぬようなものは出現できん。というより、そんなものが出現したら、煉獄からの連鎖崩壊でこの世界が滅ぶ」


「アランウェン、物騒なことを言わないでください! そういうのを、フラグを立てるというのですよ! 危うく現実になるところだったではないですか!!」


 やたら大きな因果律の乱れを必死にねじってへし折ってすりつぶしながら、余計なことを言ってフラグを立てたアランウェンに猛烈に噛み付くアルフェミナ。因果律が乱れているときに下手なことを言うと、言霊効果で実現しかねない。


 特にアランウェンは神だ。神の言霊は、人間とは比べ物にならないほど致命的である。


「む、すまんすまん」


「何、お主が言わんでも誰かが口を滑らせておっただろうよ。それが宿命というものじゃ」


「ダルジャンも余計なことを言わないでください!!」


 今のアランウェンからダルジャンまでの一連のやり取りにより、異常なまでに活性化する因果律の乱れ。それ相手に分体まで作って対応しながら、余計なことを言う連中を怒鳴りつけるアルフェミナ。


 宏が春菜のための神器兼神具を作り上げるまで、三女神の筆頭たる時空神に安寧の時が訪れることはないのであった。

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