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コンフリクト  作者: 小岩井豊
本編
18/65

chapter17 小心な小人

 日曜日。

 布団の上で仰向けになって天井を仰ぐ。木製の天井には蜘蛛が一匹、巣を張っていた。そろそろ掃除をしなければいけない。

 でも、あぁ、やる気出ねえ。

 ずうっと考え事をしていて、たまに寝て、また考えての繰り返しだった。昨日の叔父さんの言葉を思い出すと何もする気が起きない。解決策だって分からない。もう昼を回っていたけれど、何の進展もない日曜日だった。いい加減扇風機の風が寒くなってきたので布団を被る。そのうちまた睡魔がやってきて、俺は今日四度目の眠りに落ちた。

 次に起きたのは夜の八時ほどで、夕飯を食べたり風呂に入ったり弟とWiiで遊んだりもしたが、そのあとも全く寝付けなかった。なので俺は学習机に向かって勉強などしてもみるのだが、しかしこれがまた集中出来ない。

 今の俺に何が出来るのか、それだけを考えた。今はまだ叔父さんの期待に応えられないかもしれないけれど、他に出来ることならいくらでもあるのではないか。

 俺の学生鞄の中にあるグレーの紙袋。

 早川や吉岡のいじめを防ぐ。依子の友達作り。それから、俺自身のこと。

 何にしろ、夏休みに入るまで耐ればでいい。俺は机を立ち、一本だけ煙草を吸ってから布団に転がった。もう一度目を瞑った。



 翌日の月曜日。

 七時半に学校に来て、俺は自分の机に突っ伏した。

 昨日は徹夜をして、今更になってようやく眠気が襲ってきたのだ。一時間近くこうして机で居眠りをしていよう。

 三十分ほどしてからだろうか、ふいに俺の肩を誰かがつついてきた。

 このクラスで直接俺にちょっかいを出してくるのは鍋島ぐらいしか思いつかないから、うぜえなとは思いつつ俺は無視を決め込んだ。

 それからも一分おきくらいに肩をつつかれる。鍋島のしつこさが無性に腹立たしい。

 今度は頭をつつかれ始めた。さすがに頭にきたので、俺は凄みの利かせた顔を作り、それから勢いよく顔を上げた。

「んだようぜえなぁ!」

 びっくりさせて、あわよくば鍋島を失神させてやろうという作戦。しかし、失神しそうになったのは俺の方だった。

「う、ごご、ごめんなさい……」

 城川心結(しろかわみゆ)だった。怒鳴られて、三秒以内に城川は泣き顔になる。世界が終わった。いや、実際世界の方は全く終わってないんだけど、むしろ終了したのは俺と城川の関係の方だ。いや待て、諦めるにはまだ早い。

 俺はがちがちに固まった頬を緩めて、それはもう体操のお兄さん並に爽やかな笑顔を作ってみせたが、城川にしてみればそれは不気味以外のなにものでもないのか、また泣きそうな顔をされた。

「まて、泣くな。ごめんな、俺って寝起きすげえ悪いからさ。つい怒鳴っちまったけど、今は全然怒ってないから。城川が謝ることじゃないんだよ。な?」

「ごめんなさい」

「謝るんじゃねえっつってんだろ」

「ひっ」

 はっとして俺は自分の頬をつねる。自分の口の悪さをこれだけ恨んだことはない。あまりに強く頬をつねっていたら、俺より城川の方が痛そうな顔をした。意味が分からない。

 それから一進一退の攻防で城川をなだめたり泣かせてしまいそうにしていたのだけど、気づいたら後ろに鍋島が立っていて、彼女はこの様子を見て口角をひくつかせた。かなりご立腹していた。代わりに俺は絶望した。

「笑いながら城川さんを泣かせるなんて、今泉くんはもう人間じゃありませんね」

 そんな俺がドSみたいな言い方されても困るんだけど。

「この笑顔は城川を落ち着かせるためで」

「黙って校舎裏に来なさい」

 鍋島にぼこぼこにされる。恐れおののき窓にへばりついていると、城川が慌てて鍋島の袖を掴んだ。

「ち、違うよ、由多加ちゃん。わたしが勝手に泣きそうになっただけで」

「今泉くんに何を吹き込まれたんですか、城川さん」

 金剛力士の仁王像の形相を呈する。俺の方が泣いてしまいそうだった。

 鍋島の誤解を解けたのはそれから十分ほども後のことだった。生徒はもうほとんど登校していて、HRもあと五分で開始という時間だ。

「で、何の用だったの」

 俺は生気を欠いた面持ちで城川を見上げた。鍋島はいまだに納得していないのか、後ろでむすっとして頬杖をついている。

「あ、あのね」

 城川は指をいじって下を向き、何か恥ずかしそうにもぞもぞとしていた。

 俺はそのじれったさにまたキレてしまいになったのだが、これ以上何かあると本当に色々なものが終了してしまうので、それを表情に出すまいと努めて笑顔でそれを待つ。

「平野さんと、どうやったら仲良くなれるのかなぁって思って……」

 俺は目を見開いて彼女を見つめた。同時に後ろでがたりと音がする。鍋島も俺と同じく驚いているようだ。

「今泉くん、平野さんと親戚だよね。だから、今泉くんならいいアドバイスくれるかなって、あの、話しかけたんだけど」

 話しかけたっていうか、つついてきただけなんだけど。一言でも何か言ってくれれば相手が城川だって分かったし、俺も怒鳴らずに済んだのに。

 不満はあったけど、それ以上に城川の言葉が嬉しかった。俺は今度こそ自然な笑顔で城川の手を両手で握る。

「依子と友達になってくれるのか」

「う、うん」

 俺に手を握られて彼女は多少怯えていたが、俺にとってはもうどうでもよかった。城川の手を持ち上げ、有り難く丁重に頭を下げる。

「ありがとう、ありがとう城川」

 それから城川の手を離し、教室を見渡す。依子はまだ登校していない。ファッキンと叫びそうになるのをこらえて再度城川を見上げる。突然俺に視線を投げられて、城川はまた身を震わせた。

「昼休み、俺と図書室へ来い」

「私も同伴します」

 そう言って席を立つのは後ろの鍋島だった。俺は彼女を睨みつける。

「お前は駄目」

「どうしてですか。城川さんを一人で行かせるのは心配です」

「保護者かよ。つーか、図書室は原村がいるかもしんねぇから、お前は駄目なの」

「それがどうして駄目なんですか」

「だって、お前すぐ原村といちゃつくじゃん。見ててうざいんだけど」

 鍋島が顔を真っ赤にする。口をぱくぱくとさせていて、ちょっとだけ笑えた。何か言うのだろうかと思い、そのぱくぱくを眺めながらしばらく待っていたが、鍋島は何も言い返せないのか、そのまま荒々しく席に座った。

「か、勝手に二人で行ってください」

 鍋島の声があり得ないくらい裏返る。俺は城川と顔を見合わせてお互いくすりと吹き出した。

「笑わないでっ」

 鍋島はそのまま机に伏して顔を隠してしまった。やがて城川がそっと俺に耳打ちをしてくる。

「由多加ちゃんね、原村先輩のことが好きなんだよ」

「あぁ、見れば分かる」

 鍋島が睨んできたような気がしたが、俺も城川も気づかないふりをした。それと、城川と少しだけ打ち解けた気がする。

 鍋島にはいつも小馬鹿にされてるからいい気味なんだけど、原村と鍋島って両思いくさいから、やっぱり少しだけ憂鬱になった。



 それから鍋島はずっと俺のことを無視した。それは城川が話しかけても同じで、城川の場合は、鍋島が原村を好きなことを俺に教えたかららしい。見え透いていたことだし、どうしてここまで恥ずかしがるんだ。

 この前の鍋島からのメールで、依子や早川の件を話し合いましょう、などと送られてきたが、これが原因で何も話し合えなかった。こんな暢気にしていていいのだろうか。



 そして昼休み。

 昼休み開始後、いの一番に教室を出ていく依子を見送り、俺は城川が弁当を食べ終わるのを待った。この頃になると、鍋島はすっかり城川と仲直りしていた。俺とは未だに口を利いてくれないのに。

 城川はしきりに村瀬から頬をつつかれながら、視線を落としてウインナーを食べていた。これから依子に会いに行くのが不安なのだろう。

「あたしが平野を笑わせる、とっておきのギャグを伝授してやる」

 村瀬が城川の横髪をいじりながら言う。城川はぼうっとして村瀬の言葉に反応を示さない。村瀬は少し傷ついたような顔をした。

「俺に教えろよ」

「うるせっ、今泉はもう存在がネタだろっ」

 村瀬の言葉に、今度は俺が傷ついた。

 というか、村瀬は今こうして普通に鍋島グループに取り入っているけれど、今日は吉岡たちと交流している様を一切見ていない。何を考えているか分からないやつだ。



 城川がようやく弁当を食べ終える。俺は城川を連れて教室を出た。

 てっきり城川とは打ち解けたものと思っていたけれど、城川は俺の後ろを三メートルほど離れてついてきた。離れ過ぎである。尾行でもされているような気分だ。

 煙草を吸いに一度屋上へ行こうかと思っていたがやめておく。吸っているところを城川に見られれば今度こそ逃げられてしまいそうだった。

 図書室の前で足を止める。振り返ると、城川がすぐさま身構えた。ここまで人のことを警戒するのは逆に失礼なんじゃないのか。もう慣れたけどさ。

「なんでお前、依子と友達になりたいの」

 城川は構えを解いて、また例の指いじりで下を向いた。

「今泉くんに、平野さんの友達になってって言われたから、えと、わたしも、もっと友達作りたいなって思ってたし、それで……」

 後半がほとんど聞き取れなかったけれど、まぁいいかと納得して俺は図書室の扉を開けた。慌てて城川が後からついてくる。

 期末テストのすぐあとだからか、図書室はいつもより閑散としていた。俺は一度室内を見回して、思わず少し身を引いてしまう。後ろの城川とぶつかりそうになった。

 図書室の隅の木製テーブルに吉岡が居た。吉岡は足を組んで座っていて、俺たちが入ってくると、無機質な目でこちらを一瞥した。彼女の手には、図書室備え付けのファッション雑誌があった。ここの図書室は本当になんでもありだなと思う。

 見回すが、早川の姿はないようだ。珍しく吉岡は一人だった。

 俺の背中を後ろの城川が掴んでくる。見ると、城川はまた子兎のように怯え震えていた。彼女にとって吉岡は俺以上に恐ろしい存在らしい。吉岡だから仕方ないか。

 あんなやつなど気にするまいと、背中を掴む城川を引っ張り、俺は受付へ歩みよった。

 受付には司書の宮下が居た。宮下はパイプ椅子にぐったりと背中を預け、上を向いていびきをかいていた。俺が言えたことじゃないけど、さすがの駄目人間ぶりである。

 それでも最近宮下はサボらずに受付に来ている。原村の話だと、他の教師から毎度受付をサボっていることを叱られたのだという。それでもああして居眠りをこけるのは、まじですごい神経の持ち主だと言わざるを得ない。

 受付横の扉を開け、城川と共に中へ入っていく。

 受付奥の長机には、本を読む依子がいた。依子は、俺が城川をここに連れてくるという変則事態に一切の興味を示さず、しきりに本の活字を追っていた。

 宮下のいびきが若干やかましいが、彼を気にしないように通り過ぎ、依子の正面に座った。

「城川が遊びに来てくれたぞ」

「うん」

 依子はそれだけ返す。素っ気なさ過ぎる。城川がやってきて、依子と仲良くなりに来たくせに俺の隣に座ろうとするので、俺は依子の隣のパイプ椅子を指した。

「お前はあっち」

「は、はい」

 城川はおどおどしながら依子の隣に座った。依子はそれでも城川の方を見ようとしないし、城川は城川で椅子の上で縮こまってもじもじとし出す。とても苛々する俺だった。

「挨拶しろ馬鹿」

「す、すみません」

「あ、いや、今のは依子に言ったんだけど」

 城川が一瞬で目に涙を浮かべるので、俺はかなり焦った。でも城川の方もまだ挨拶してないし、良しということでいいか。

「こんにちは、平野さん」

「……にちは」

 いつもより一層声の小さい依子だった。依子の表情がいつも通りだから分からなかったけれど、依子も緊張しているらしい。よく見ると、本を持つ彼女の手もどこかおぼつかない。

 それっきり城川は黙ってしまった。無言が気まずいのか、それとも俺の視線に怯えているのか、とにかく小刻みに震えていた。震えすぎだ。自家発電でもしてんのか。

「城川さん、ずっと震えてるけど、自家発電でもしているの」

 依子の心ない一言に、城川が多大なショックを受けた顔をした。俺もショックだった。依子と同じことを考えていたのもそうだし、しかもこれ、いつか城川と普通に会話できるようになったら使おうと思ってた突っ込みだったのに。

「え、え?」

 何と返せばいいのか迷っている様子の城川。

 ともかく依子に注意しようとする俺だったが、少し考えてみると依子が冗談を言うのはあまりないことなので、依子なりに面白いことを言おうとしていたのかもしれない。しかし依子の無表情突っ込みで笑えという方がおかしいし、というかはたから見ると城川を馬鹿にしているようにしか見えない。

 それはそうと、さきほどから受付の方が騒がしい。

 見ると、本の貸し出しに来た生徒が居眠りをする宮下を前にまごついていた。

 依子もそれに気づいて小さくため息を吐く。それから依子は受付へ向かうのだが、それより今のため息によって城川がまたショックを受けていた。自分が何も返せなかったことで依子から呆れられたのだと思ったらしい。

 しかしそれよりも何よりも、俺は宮下に猛烈に腹が立った。せっかくの交流会を駄目司書に邪魔されるとは思いもよらなかったのだ。

 依子が受付を終えて戻ってくると、俺はすぐさま宮下のもとへ行って彼の頭を小突いた。

「起きろ、宮下」

 宮下は涎を拭いつつじんわりと目を開け、それから俺を見上げた。

「おはよ、母ちゃん」俺はお前のような駄目男を産んだ覚えはない。

「起きろ、起きて受付をやれ」

「へい」

 俺の怒りが通じたのか通じていないのか、ともかく宮下は両肘をカウンターにつき、寝ぼけ眼で一点を見つめた。

 振り返ると、城川がちょっと首を伸ばして依子の顔を覗き込んでいた。依子はちょっと身を引いていた。今度はなんなんだ。

「ひ、平野さん、藤沢周平読んでるの」

 俺は長机に近寄り、静かに座って二人の様子を眺めた。若干鼻息を荒くして興奮気味の城川と、本を読むふりでちらちらと城川を見る依子。奇妙過ぎる光景。

「平野さん、時代小説好きなの?」

「好き。よく読む」

「わ、わたしも好きだよ。あとね、五味康祐とか、吉川英治とか」

 吉川英治ならバガボンドの影響で俺も少し読んだ。でも、俺の浅知恵で話に混ざっても多分ついていけなさそう。

 依子がいよいよ城川の顔を控えめに見る。城川の顔が近いので依子もちょっと引いてる。

「城川さんは、剣豪ものが好きなの」

「うん、うん、好きだよ」

 だんだん城川が依子に告ってるように見えてきて俺も勝手に引いた。

「わたしね、用心棒が好きなの。先生、お願いします、っていうあれ。前髪垂らした用心棒が、ゆらり、って立ち上がるの」

「わかる」

 頷く依子。俺だけなのか、分からないの。

 二人がそれから語り出す話は、ちょっと俺には理解し難かった。おかしいな、バガボンド全編二周は読んだのに。語り合うと言っても、一方的に話すのは城川だけで、依子は引きつつも相づちを打つだけだった。いつもより楽しそうではあるけど。

 それにしても趣味の渋い二人だった。依子の読む本など興味はなかったが、依子も城川も変わったもの同士なのかもしれない。

「ねぇ、平野さん」

「なに」

「依ちゃんって、呼んでいい?」

 なんだよそれ、聞いてるこっちが恥ずかしい。依子も相当恥ずかしいのか、開いたままの本で顔を隠してしまった。城川は嫌われてしまったとでも思ったのか、はっと我に返ったように唇を震わせた。

「あ、あの、ごめんね、変なこと言って」

「呼んでいいよ」

 本で顔を隠したままの依子。城川の顔も明るくなる。

「わたしのことは、なんて呼ぶの」

 さらに詰め寄る城川。本一つでここまで食いつくのだから、俺も時代小説を読めば恐がられないで済むのかもしれない。

「わからない。あなたが決めて」

「じゃあ、心結って呼んで」

「心結」

「依ちゃん」

 依子はいよいよ本を顔に押しつけて恥じらう。こんな依子を見れば、普段なら物珍しさを存分に楽しむはずなんだけど、俺もだんだん全身がもぞがゆくなってきた。どうしてこんな甘酸っぱいやり取りをただじっと見つめているだけなんだろう。もう帰っていいかな。

 城川の辱め攻撃は昼休み終了まで続く。俺は長机に伏してひたすら寝たふりを決め込んだ。



 昼休み終了のチャイムが鳴り、俺はやっと顔を上げる。長い昼休みだった。依子はまだ本で顔を隠していた。そろそろ窒息でもしそうである。

「城川、掃除行くぞ」

 俺が声をかけると、城川はまだ依子と語り足りないのか、物惜しそうに依子を見送りながら席を立った。

「お前の友達作りって、意外と大胆なのな」

 そんなことを言われた城川は、またもじもじわさわさし出した。もとの城川に戻ったようで俺も安心する。こっちの城川の方がよっぽどましだ。

 図書室を出ると、窓側には何故か吉岡が寄りかかって立っていて、俺には目もくれなかったが、城川が後から出てきた瞬間、ふいに吉岡がこちらへと歩み寄ってくる。吉岡は目を細めて笑っていた。

「心結ちゃん」

 吉岡の、城川に対する呼び方が変わっていた。城川のびくついた様子からして、二人の仲が良くなったからとは思えない。俺は警戒した。

「平野さんとは、仲良くなれた?」

 城川はうつむき、小さく頷いた。何をするのかとしばらく眺めていると、吉岡は顔を城川の耳元まで近づけてくる。何か城川に向けて囁きかけているようで、それがどうも平和的なものとは思えなかった。俺はすぐさま城川の腕を引いた。

「行くぞ城川」

 城川は黙って俺に引かれた。吉岡はやはり意味深な笑みをたたえ、俺たちが去っていく様子を見守った。

「あんなやつ、気にしてんじゃねえよ」

 城川と持ち場の裏庭へ向かうまで、彼女は視線を落とし続けた。そんな城川に俺はまた嫌な予感を受けるのだが、俺は首を振ってそれを払った。

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