挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

闘いを終えて

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

197/290

神の掛布団 (裏)

 私は、父様からのプレゼントを確認しておこうとパーティーを抜け出した。
 ちらり、とケーマを見る。……ケーマにも貸してあげてもいいけど、先に私が使ってからね! 父様も私へのプレゼントって言ってたし。
 寝室に戻ると、父様から頂いた『神の掛布団』を呼び出した。メニューからぽんっと。

「へぇ、これが神の掛布団……良い手触りねー。でも、それほどでもない感じ?」

 ぽとり、と、封筒と箱が落ちた。
 ……箱? 封筒は父様の言ってた説明書よね。
 とりあえず神の掛布団をおいといて、封筒を開ける。中には父様の書いた説明書が入っていた。

「えーっと、なになに?」

 名称:神の掛布団(所有者:ロクコ)
 効果:願った相手と一緒に寝ることができます。
    因果律を操作し、朝まで邪魔は入りません。
    (物理的に会えない場合は夢で会うのみとなります)
    ※この効果は8760時間(365日)に1回使用できます。
    ※願った相手を強引に呼び寄せるため、多少頭が混乱することがありますが
     朝には治ります。

    一緒に寝た相手と夢を共有します。
    夢の内容は自由に設定できます。所有者が優先権を持ちます。
    ※また、所有者は見た夢を記憶できるかどうか指定できます。

    この布団を使用して1時間以上眠ると、体力魔力共に全回復します。
    1時間に満たない場合でも消耗が少なければ全回復します。
    (怪我は治りません)
    ※所有者が許可しない相手の場合、逆に体力と魔力を枯渇させます。

    また、所持者にとって都合のいい事が起こりやすくなります。
    事の程度は運次第です。

 ※お父さんからの補足※
 ロクコへお父さんからのプレゼントだよ! あ、プレゼントボックスはオマケだからケーマ君に見せる前にはそっちに入れておくといいよ。
 プレゼントボックスの蓋裏に偽の説明書を仕込んでおいたからケーマ君にはそっち見せてね。ロクコとその夫以外で使ったら天罰って書いといたから、後は頑張ってね。既成事実とか作っちゃえばいいよ。
 尚、この手紙は自動的に消滅するから気を付けてね。

「こ、これは凄い効果ね。さすが神の掛布団……って、え、消滅?」

 と、一通り読み終わったところで、パシュンと手紙が消えた。
 ……さすが父様。よく分からない感性ね!

 早速神の掛布団を使ってみよう。
 私は掛布団にぽふっと手を置いて、……願うってどうすればいいんだろう?
 とりあえず言葉にしてみる。

「……おふとんさま、おふとんさま。私はケーマと寝たいです」

 改めて口にするとなんかすごく恥ずかしい。
 けど、掛布団がきらっと光った。これでいいみたいだ。

「っと、これでケーマが来るのよね? 今のうちにプレゼントボックスに仕舞って……」

 プレゼントボックスに掛布団をあてがうと、しゅるりと入っていった。
 あとは蓋をして準備完了。……あ、一応プレゼントボックスは【収納】にいれとこ。
 って、私まだ着替えてなかった! 準備完了してなかった! ケーマが来る前に着替えとかなきゃ。
 ええっと、いつものジャージはダメよね。ケーマとお揃いにしてるとかバレたら恥ずかしいし。ハク姉様が用意してくれたねぐりじぇ?って寝間着があったから、それに着替えてっと、よっ、はっ、ぽんっと。完了!
 あれ、これちょっとスケてない? んー……まぁ大丈夫ね! 下着はつけてるし。

 そうだ、ケーマ相手なんだから可愛い靴下にしなきゃ。ああー、早くしなきゃケーマきちゃう、や、もう裸足でいいかしら? むしろ寝るんだから裸足の方が良いかしら! イチカも足を見せつけるのが良いって言ってたし!

 私は準備万端でベッドに腰かけた。そわそわしつつケーマが来るのを待つ。
 しばらくすると、コンコンと扉がノックされる。

「誰?」
「俺だ」

 来た! 本当にケーマ来た!
 私は扉を開けた。

「き、来たわねケーマ! 待ってたわ」
「ああ。来たぞ」

 す、と私の前に(かしず)くケーマ。そして――

「ってなわけで、神の寝具を、見せてくださいお願いしますッッ!」

 見事なドゲザを決めるのであった。
 これ、ケーマだと素なのか混乱してるのか分からないわね。

  *

 夢の中だ。
 神の掛布団の効果なのか、夢の中にいるという事がハッキリと分かる。
 マスタールームのような白い部屋。というか、マスタールームね。私とケーマの思い出深い場所っていえばここだし、そういうのが反映されてるのかしら。

 そして目の前にはいつも愛用してるオフトンにくるまったケーマ。姿は私に変身していない、素のままのケーマだった。
 ……これ、ケーマよね? 本人よね? 夢を共有してるってわけだし。
 とりあえずは、恥ずかしいからケーマは夢を忘れてもらうことにしてと。

 ていうかなんでケーマは夢の中でも寝てるの!?
 どんだけ寝るのが好きなのよまったく。ニンゲンは寿命が短いんだから寝て過ごしてばっかりじゃ勿体(もったい)ないと思うんだけど。

「ケーマ、起きなさいケーマ」
「……すやぁ」

 起きないの!? まぁいいわ、朝まで時間はたっぷりあるんだから!

「ねー、ケーマ? 起きてー。起きてよー」
「んん……なんだよ、寝てるところ起こすなって前に言ったろ……」
「大丈夫よ、ここは夢の中だから起きても起きたことにならないわ」
「なんだそりゃ。……え、夢の中なのここ? あー、ホントだ、そんな感じ。明晰夢か」

 ケーマは上半身を起こしてくるくると肩を回す。
 そしておもむろに手をかざし、何の脈絡もなく光線を放った。

 ぱひゅん、ちゅどーん。

「うん、出た出た」
「え、ナニ今の。魔法?」
「はっはっは、ロクコ。夢の中なんだからなんだってできるんだぞ、コツはいるけどな」

 といいつつ、ケーマは布団ごと浮いた。

「空飛ぶ布団。なんつってな」
「コツってなによ、面白そう、私にも教えなさいよ」
「簡単だ。夢だからできるのが当然、と思うだけさ」
「なるほど! ……難しいわよ!?」
「はぁ、これだから素人は……いや、そういう風に見えてる夢だったか。このロクコも俺の夢が産んだ幻……なら、好きにしていいよな?」

 ケーマがぶつぶつと何か言ってる。
 あ、そうか。夢の中だってことは分かってるけど、共有してる、ってのは知らないのよね。……え? じゃあ私、ケーマの好きにされちゃうの? どんなことされるのか興味あるわ! ケーマが私にしたいことって何かしら!

「ロクコ」
「な、なぁに、ケーマ? 私になにしてもいいのよ?」
「……そうか。よし、布団に入れ」
「うん」

 私はケーマの言うとおりに浮いたままの布団に入り込む。あ、ケーマのニオイ。
 ……少しニクのニオイもするわね。

「それで?」
「……ぐぅ」

 寝たわね……。だからなんで夢の中でさらに何で寝れるのよ!

「起きなさいケーマ! ちょっと! ねぇってば」
「ううーん、うるさいぞロクコ。寝かせてくれ」
「だからここは夢の中だってば、もうとっくに寝てるわよ!」
「だが寝る」

 だめだ、話にならない。というかなんで私を布団に入れたの?
 え、深い意味はないって?

「もういいわよ、ケーマがその気なら、こっちだって好き勝手にさせてもらうんだから!」
「え、何する気だオイ」
「オフトン没収!」

 私がそう叫ぶと、オフトンが消えた。これが優先権の力か。

「なん……だと……おいロクコ。俺のオフトンが消えたんだが」
「奇遇ね。私が消したのよ」
「……おう、ロクコ。ちょっとOHANASHIしようや……」
「望むところよ」

 OHANASHIという名の殴り合いが始まった。
 ここは夢の中。ゴーレムアシストもない。純粋なガチ殴り合いだ。ケーマは多少手加減してくれたようだが……いや、わりと本気だった。やっぱりオフトン消すのはマズかった。

 でも、私が勝った。

「いたた……納得いかない、俺の方が夢力(ゆめぢから)は上のはず。それがなぜ……」
「ケーマの敗因はひとつ。……夢の中だから痛くない! を信じられなかった事、よ」
「ハッ……想像力故の敗北か。俺の負けだな。好きにするがいい」

 ケーマは大の字になって倒れた。
 ……好きにしていいのね?

「よーし。じゃあまずはこの服に着替えさせてあげるわ!」
「おいまて、なんだその服は」
「え? 帝都の服屋で売ってたヤツじゃないの」
「いやそれ女性用だろ!?」
「私は、これを着たケーマがどう反応するかを見たいのよ! 大丈夫、私も一緒に着てあげるから!」
「や、やめろおおぉお!?」

  ・・・(ロクコ好き勝手中)・・・

 数時間後。
 ケーマ相手に好き勝手してたら、唐突にケーマが消えてしまった。
 「もうお嫁に行けない……」とか言いつつ遠い目をして色々ぐったりしてたけど、まさか死……はないわよね。

「そうか、朝ね。……バニーケーマ、可愛かったわねー」

 まだまだ不満だったけど、今回はこれで満足としよう。うん、堪能したわ。
 とりあえず、私も起きよっと。


(『父』「正式な持ち主でない上に嵌める対象のケーマ君に正しい効果を教える必要があるかい? 全く無いね」)
『このライトノベルがすごい!2018』ライトノベルBESTランキングWebアンケート、9月24日(日)23:59まで!
回答したら、抽選で20名様に全国共通図書カード(500円分)が当たるそうですよ?

https://questant.jp/q/konorano2018

よろしければ文庫1位のところに以下のように記入してみてください。

タイトル:絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで
著者名(レーベル名):鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)
コメント(例):チキンタツタ美味しい! それはさておき一番好きなラノベです
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ