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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ねぇ、いきなり詰んでるんだけど?

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山賊の終わり

 冒険者の襲撃から一週間。ある意味ダンジョンは平和だった。
 山賊に被害はないし、冒険者は来ない。
 一週間で2回、出かけていた山賊が死体を持ち帰ってきた。4人分の死体で600DP程度になった。生け捕りは難しかったのだろう。
 ……正直思ったんだけど、26人もいて稼ぎが悪いんじゃないか? 一人は非戦闘要員の子供だけど。
 あ、ご褒美? 洞窟のなかで殺したんじゃなければ十数日かかることにしてるからな。すぐにはやらんよ?

 ちなみに親分は毎日犬耳娘を慰み者にしている。……ここだけ俺的には平和じゃない部分だ。
 奴隷とはそういうものだといわれても、日本人の俺としてはすぐに順応できるわけでもない。
 むしろ他の奴隷は山賊に励んでいて一人だけ慰み者というのがね。
 親分以外には手を出されていないというのがせめてもの救いか?
 子分からしてみれば「親分はロリコンだ」という評価のようだ。次はもっと大人な女奴隷を買ってくるか、襲って手に入れるかしよう、という話をしていた。

「……しっかし、毎日毎日飽きないのねぇ」
「そろそろ目障りになってきたな」
「良いやつに見えてた気がしたけど気のせいだったわー……」

 しかし、女の子が慰み者にされていて不機嫌になるあたり、ロクコも人間臭いところがあるのかもしれない。

「こう……なんかいやなかんじの体液でダンジョンを汚されるのがこう……癪というか」
「ああそっちか。……俺もマスタールームでトイレとかしちゃってるけどいいんだろうか」
「あ、ケーマとゴブ助はいいのよ、しかたないし……いちおう私が呼び出したモンスターだし」
「俺もモンスター枠なのか……そういえば召喚されたんだったな」
「ある意味自分の中で循環してるかんじだからね。いい気はしないけど……それに、こう、だすのが仕方ないものだし?」
「その調子でスカトロ趣味を極めててくれ。しっかしお前ゴブリンとスカトロとか趣味悪いな」
「私に排泄物で興奮する性癖なんてないわよ?! ゴブリンのことも誤解してるでしょケーマ?!」

 と、ロクコをいじっていたのが昨日のこと。
 今日のダンジョンは……ついに平和が破られる時が来たようだ。
 いや、平和が訪れる時、かもしれない。

「あ、なんかすごいいっぱい近づいてきてる……」

 ロクコがぽつりとつぶやいたのを聞いて、俺はマップを出した。
 周辺の地図……ダンジョンから見渡せる範囲であれば、詳細な地形や情報がわかる。そこにはすでにエネミーを示す赤い点が規則正しく整列して進軍しているのが映っていた。

「30人くらいか……これはついに来たな。早かったのか、遅かったのか……」
「来たって何が? こいつらが?」
「おう、たぶん討伐隊だ。それもこの進み具合を見るに、訓練された集団だ。騎士団だろう。……山賊もこれで終わりだな。万一生き残ったらそれはそれで美味しいけど」

 と、山賊達も気が付いたようだ。俺はメニューから半透明なモニターを出し、山賊達の様子を見ることにした。
 ダンジョン内であればあたかも監視カメラを設置してあるが如く見ることができるのは本当に便利だ。
 みると、斥候にでてた子分が親分に慌てて報告しているところだった。

『親分、やべぇ、騎士だ! こっちに来てる!』
『なんだと?! どうしてバレた、この拠点を見たやつは全員殺しただろ?!』

 と、山賊の親分は慌てていた。むしろそのせいで騎士団が派遣されたことには思いつかなかったようだ。

『いや、だが騎士といえど人間だ、殺せないはずがねぇ……人数は?』
『す、すまねぇ、鎧姿が見えてそのまま戻って来ちまった。少なくとも、えーと、5人より多い!』
『ちっ、しかたねぇな……ま、多くても少なくてもダンジョンの中で迎え撃つことには変わりねぇ』
『そうなのか?』
『少なきゃ不意打ちでカタがつくし、多けりゃ外だと囲まれてオシマイよ』
『おお! なるほど、さすが親分だ! よし、聞いたかみんな! 迎え撃つぞ!』
『『『おう!』』』

 どうやらやる気のようだ、それもダンジョン内で。
 実に都合がいい。この一週間、山賊の親分に待ち伏せや通路の出口を使った戦い方を教えていて本当に良かった。ここで逃げるほど頭がよくなくて本当によかった。

「で、山賊は勝てるの?」
「騎士の強さにもよるけど……少なくともこの間の冒険者くらい強いのが30人だとすると、まず間違いなく全滅だ」

 騎士団の方も、そろそろ映像で様子が見れるだろう。
 俺は、折角だと山賊が全滅するまで見ていることにした。俺の仕事の結果でもあるわけだしな。
 山賊は、入口の部屋に8人、コア部屋までの途中の1部屋に8人、コア部屋に親分含めて9人という配置で迎え撃つようだ。戦力を分散することになるが、実際待ち伏せをするにも戦うにも一部屋あたりでこの数が限度だろう。
 山賊が待ち伏せ準備を完了したところで、騎士団が洞窟の入り口にやってきた。

『全体止まれ。 ヘンリー殿、ここが『ただの洞窟』か?』
『はい。おそらく、山賊のアジトはあそこです。……ベックの仇、頼みます』
『ああ。協力感謝する。……生命よ、我が波に鼓動を返せ――【ライフサーチ】』

 全身鎧を身にまとった騎士がスキルを使った。一瞬、スキルを使用した騎士を中心に透明な波が広がった。……名前からすると生き物を探すスキルのようだ。エコーのような原理なのだろうか。
 少なくともこれで山賊の待ち伏せは効果を失うモノだと考えられる。

『うむ……少なくとも聞いていた通り8人は居るようだ。待ち伏せしているな』

 確かに最初の部屋では8人の山賊が待ち構えていた。
 ……もしかして木の扉でも扉を閉めているとその先分からなかったりするんだろうか。それとも効果範囲か?

『情報通りだな』
『よし、山賊の討伐を開始する。捕虜は居ないようだが……念のため、眠り薬を』
『はっ!』
『5名は外からの襲撃を警戒だ。残りは入り口を囲め。山賊が出てきたら仕留めろ』
『了解しました』

 騎士団は、洞窟の出口を包囲するように陣取り、入口で香を焚き始めた。
 ……そうきたか。まぁ、そりゃ待ち伏せをされていてわざわざ罠にかかる必要もないか。
 香が焚かれてしばらくし、今度は山賊の方で動きがあった。
 香の匂いを感じ始めたころ、ひとりが眠気をこらえきれず倒れる。

『ぐ、これは……眠り薬だ! い、いかん、奥の部屋へ逃げろ!』
『いや、動けなくなる前に打って出るべきだ! こんな手を使うくらいだ、数は居ないに違いない。いくぞ!』
『奥なら扉を締めれば煙は来な……うぐっ……な、なにをする……』
『ふん、意気地なしめ、お前は寝ていろ。俺がすべてカタを付けてやる!』

 以前、洞窟の中で冒険者にトドメをさして幹部になった新人が、一か八かをかけて奴隷5人をひきつれ洞窟の外に向かう。
 残ったのは眠りに落ちて倒れた奴と、撤退を進言した奴だけだった。……腹を殴られうずくまっていた。
 外に出た6人は、眠気で落ちた戦闘力のまま、入口を包囲していた騎士の剣に、ほとんど何もできず切り捨てられる。破れかぶれで投げつけた切れ味の悪い剣も、騎士の鎧にあっさり弾かれた。
 その仲間の悲鳴を聞いて『ああ俺は間違ってなかった……』と呟き、8人目もここで眠りに落ち、脱落した。
 そもそも山賊の仲間になったのが決定的に間違いだった、とは気付かなかったようだ。

 香が薄くなるが、寝ているものがおきない程度の時間を見計らい、騎士が再び【ライフサーチ】を使った。

『【ライフサーチ】……ふむ、とりあえず残り2人か』
『よし、……通路が狭いな。2人並びでいく。気を付けろよ』

 騎士たちがぞろぞろとダンジョン内に侵入した。……もっとも、騎士たちが陣取っていた洞窟前もすでにダンジョンの敷地内という意味ではダンジョン内であったが。
 うん、これについては拡げておいて正解だった。さもなければ先に死んだ6人分のDPが無駄になるところだった。

『……よし、山賊2名。トドメをさしておけ』
『よろしいので?』
『どうせ外にいたとしても今更戻ってこれないだろう。それに我々の仕事は山賊のアジトを壊滅させることだ。親玉さえ潰せれば、あとは生き残りが居たとしても冒険者に任せればいい。……それに見ろ、まだ奥があるからな。おそらく、こんなエントランスに配置された下っ端よりいいやつが奥にいるだろう……もしいなかったらさっき倒した中に親分がいたということでいいだろう』
『左様で』

 寝ていた二人の山賊の首が刎ねられ、DPが入った。
 くいくい、と服をひっぱられて見ると、ロクコが不思議そうな顔をしていた。

「さっきから死体取り込んでないけどいいの? もったいないわ」
「……絶対取り込むなよ? そんなんしたらごまかしきれなくなる」
「ごまかす?」
「……ダンジョンが人を食うことを知られたら、あるいは初心者用ダンジョンのここがそうやってエネルギーを取得したとわかったら、もしかしたら危険なダンジョンとみなされてコアを破壊されるかもしれないぞ? 一応保険はあるが……」
「う、コア壊されたら死ぬ…… 保険? なにそれ」
「……ほら、前にゴブリン部屋をつくっただろ?」
「あー、ちょっと離れたところにつくったアレね! ダミーの『ただの洞窟』だったっけ?」
「ああ。この世界は地図もあまり精確じゃないから、多少ずれた位置に洞窟があってもごまかせるだろう……かもしれない、で、この洞窟はただの洞窟ですよと勘違いしてもらえないかという淡い希望があったんだ……」
「うんうん、なるほど。……あれ? でもコアはどうすんの?」

 本当はダミーコアを設置して、キャスリング機能……いざというときに本物のダンジョンコアと一瞬で入れ替わる機能(侵入者がコア部屋にいても使える)が使いたかったが、仕方がない。だってあれ5000DPもするんだ、昨日までのDPじゃ手が出せない。しかもこれ、パスをつなげる必要があるとかなんとかでダンジョン全体に侵入者がいると設置できないタイプの設備なのだ。

「……まぁ、部屋を扉で区切ることでフロアとして分かれるから、いざとなればコア部屋を難攻不落のトラップ部屋にするとか」

 フロアとして分けることで、他のフロアに侵入者がいても、トラップを設置できるようになるのだ。
 ……当然、侵入者が部屋にいなければ、という条件は付く。

「今、山賊の親分たちがそのコア部屋で待ち伏せしてるんだけど」

 もちろん山賊は侵入者扱いである。

「うん……つまり、今俺たちは、無害なダンジョンですよアピールをして見逃してもらわないといけないんだ」
「なるほど、それで死体を取り込まないでいるわけね。 で、どうやって見逃してもらうの?」
「……と、とりあえず様子見だな」

 実際、今は何もできることがなかった。
 再び騎士たちの方へ注意を戻す。

『こちらの部屋には戦利品でしょうか? 寝床……うっ』
『……独特の臭いだな。女でも居たのか? しかし、『浄化』をあまり使ってないのか……使ってもとれないくらい使ってるか、だな』

 今、騎士たちは親分の寝室を調べていた。
 その部屋は犬耳娘を慰み者にしていた部屋だ。ちなみに、今も犬耳娘はベッドの下にいる。死んだ魚のような目をしていてピクリとも動いていない。騎士に見つかることはなく、次の部屋へ進んでいった。
 もし騎士が【ライフサーチ】をつかっていれば見つかったかもしれないが、なぜか使わなかった。使用制限があるのだろうか。単に探索に当たった騎士が使えなかっただけだろうか。洞窟の外で【ライフサーチ】を使ってた隊長っぽい騎士は、今、入口の部屋で部下に指示を出している。

 親分の寝室の奥は牢屋にしてあった。
 襲ったやつを捕まえるなりなんなりして置いておけるようにと設置してやったのだが結局使わず、戦利品置場になっていた。

『ロクなもんがないな』
『タイミングが悪かったんじゃないか? もうちょっと早く来てれば金目の物があったかもな。食糧が充実してるもんなぁ……あるいは、もうちょっと遅くくれば……』
『おい、不謹慎だぞ。 だがまぁ、酒くらいはもらってもいいんじゃないか?』

 尚、めぼしいアイテムは騎士がこの部屋に来る前にマスタールームに回収した。もっとも、ろくなものは本当になかった。カビのはえたパンとか捨てろよな……。使えそうなのは光の魔道具くらいか? ランタンみたいなもんだけど。 ……まぁ、戦闘につかえそうなのは親分がコア部屋に持ち込んでるわけだけど。
 なので食糧や粗末な戦利品しか残ってはいなかった。それ以上は行き止まりになっていたため、騎士たちが箱に入った食糧を運び出していく。

 あらかた戦利品や食料が運び出されたところで、攻略が再開された。
 木の扉に騎士が手をかけ、開けようとしたその時。扉から剣が生えた。

『ぐぁ?!』

 トラップではない。山賊が木の扉ごと、扉を開けようとした騎士を突き刺したのだ。
 そして、扉を破壊して切りかかる。

『うおぁあああああ!』
『ぐっ?! ライアン、ひけっ! うおおおお!』

 負傷した兵士を退かせ、戦闘が始まった。

『くそっ、扉の先は待ち伏せされてるだろうっつったのに油断しやがって……光よ、彼の者の傷を癒せ――【ヒーリング】!』
『す、すみません隊長……ぐ、ぅ……!』

 魔法の光に包まれ、負傷した兵士の傷が癒えていく。なかなか大きく斬られていた傷がふさがり、血が止まる。まだぐったりと力ないが、もう命に別状はないだろう。
 ……回復魔法か。初めて見たな。
 と、見とれている間に戦闘が終わっていた。

『すみません、今の戦闘でヘッグスも負傷しました。回復をお願いします』
『くそ、疲れるんだぞこれ。……私が倒れたらお前が代わりに指揮を執れよ? 光よ、彼の者の傷を癒せ――【ヒーリング】』
『しかたないじゃないですか。隊長しか回復魔法つかえないんですから。……まったく、もっとヒーリングのスクロールが出回ればいいんですけどねぇ』
『回復魔法のスクロールは産出量が絶対的に足りてない上に、教会が独占するからな……』

 ふむ、それはいいことを聞いた。……ちなみにヒーリングのスクロールは10万DPで交換できるようだ。それだけレアってことだな……最低値のドラゴンと同じ値段だぞ。うん。
 しかし、折角傷を負わせても回復されてしまうとなれば、山賊側にはもう勝ち目はないな。

『よし次だ。さっきのライアンを見ただろう、奇襲には注意しろよ? ……『ただの洞窟』は非常に浅いダンジョンだって話だが』
『隊長。ツルハシが落ちてます。山賊が掘り進めたのかも』
『うん? ダンジョンの壁は掘っても直るだろう、なぜそんなことを?』
『わかりませんが……そこの壁は掘った跡が残ってますね』

 そうなの? とロクコを見る。

「普通、開けられた穴はふさぐわよね、うん。ニンゲンだってそうでしょ?」
「擦り傷治すみたいなもんなのか」
「そんなとこね。別に痛くはないけど」

『ふむ……? どういうことだろうな。まぁそもそもダンジョンに居を構えるというのも非常に珍しい話ではあるが、何か関係があるのかもな?』
『まさか、山賊がダンジョンボスだとか?』
『ハハハ、人間がダンジョンボスになるなど聞いたことがないな。もしかして山賊はドラゴンか?』
『ドラゴンにしてはここまでの部屋が小さすぎるでしょう』

 騎士たちは軽口を叩きながらも、慎重にダンジョンを進んでいく。
 山賊の残りは、コア部屋で待ち伏せしている9人のみ。
 8部屋しかないダンジョンにしては慎重すぎて時間はかかったが、いよいよ最後のコア部屋の前まで騎士たちはやってきた。……もっとも、騎士たちは扉を開けるまでコア部屋だなんて分からないわけだが。

 山賊の方へ視界を移す。
 扉に耳を付けていた子分が扉から離れて、親分へ報告しに行く。

『……来たみたいですぜ』
『よし。弓を構えろ、静かにな。……あいつらが扉を開けた瞬間に射殺せ』
『親分、大丈夫っすかね』
『ふっ。奴らはここまで来るのに相当消耗しているはずだ。となれば、あとは俺たちが一押しするだけでカタがつく』

 実際は回復もされ、損失皆無だということを伝えたらどうなるだろうか。
 ……八つ当たりでコア壊されたら死ぬからやめておこう。

 ……ギィ、と、コア部屋の木の扉がゆっくり開く。
 通路への射線が通った瞬間に、山賊の親分は弓を射る合図を出す。
 ガツン、ガンッと硬い音をたてて矢が鎧に弾かれる。が、一本だけ。本当に運のいいことに――騎士にとっては最悪なことに――視界を確保するための目のスリットからするりと入り、脳天を貫いた矢があった。
 目の端でDPが増えたのが見えた。一発で絶命したようだ。

『リューイ! くそ、だめだ! 助からん!』
『チッ……! 1人やれただけか!』
『親分!』
『野郎ども! 関節を狙え! 鎧を狙っても弾かれるッ』

 山賊が斬りかかる。

『げっ、貴様、ゲロメロンのオーヴェか!』
『その名で俺を呼ぶんじゃねぇえ!』
『うわああ!』

 山賊の親分が激昂して斬りかかる。その気迫は全身鎧に身を包んだ騎士をひるませ、ひるんだ騎士の鎧のスキマに剣を差し込んで――力任せに中身を乱暴にかきまぜる。またDPが増えたのを見るに、死んだようだ。
 あれは中身見たくないな……
 ってか、ゲロメロンってどういう二つ名だよ。

『何っ、かつて姫様との会食でメロンを吐いたという礼儀知らずか!』
『ゲロ野郎のくせによくもリューイとエイジンを!』
『あれはメロンが腐ってたんだ! 俺は悪くねぇ! なんで賞金なんてかかりやがったんだくそおおお』
『食いすぎて吐いた上に、メロンが腐ってたのが悪いと言いがかりをつけて料理人を殺したからだろうが! 姫様の目の前で!』
『うるせぇ! あいつは姫様が俺に惚れてたのを嫉妬したんだ! あれさえなきゃ今頃俺が皇帝だったってのによぉ!』

 あ、ゲロメロンについての説明ありがとう。文字通りな上に予想以上にどうしようもないことが分かったよ。
 その後、ゲロメロンは怒りのあまりか予想以上に奮闘した。
 さらに一人を斬り殺し、騎士たちに多数の手傷を与えた。
 が、そこまでだった。
 連携して支援していた手下たちが徐々に削られ、替わって騎士に囲まれ、動きを封じられた。
 そして、気が付いたら腹から剣が生えていた。

『くっそぉ……これから……だってのによぉ……』

 がくっと膝をつき、倒れるゲロメロン。
 髪をひっつかみ、顔をぐいっと持ち上げて騎士が尋ねる。

『おい、他に仲間は居るのか? ゲロメロン』
『ちっ……ここにいるので全員だったよ、畜生……なんで……言う通りにしたのに……』

 最後の方はかすれるような声であったが、しっかりと騎士の耳に届いていたようだ。
 そして山賊は、一人残らずDPになった。

『黒幕が居たのか? ……女がいた形跡はあったが、逃げられたのかもしれんぞ』
『全員だといっていたが……わからんな。 っと、どうやらここがダンジョンコアの間らしい』
『へぇ、ここが……あれがダンジョンコアか。俺、初めて見た』
『聞いていた通り浅いダンジョンだったな。階段もなかったし』

 騎士の一人が、ダンジョンコアに向けて剣を向けた。

『よし、それじゃ、コアを破壊するか』



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タイトル:絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで
著者名(レーベル名):鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)
コメント(例):チキンタツタ美味しい! それはさておき一番好きなラノベです
+注意+
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